住宅建築業界において深刻化している「人材不足」。現場に必要な職人・社員、さらには施工管理における人材が不足し、品質の低下が重大な事故につながるケースもある。
そんな業界を変えるべく、高品質にこだわった建築技術のコンサルティングを行っているのがNEXT STAGE社だ。全国に一級建築士のネットワークを築き上げ、第三者の立ち位置で品質・工程を確認。15年間で約20万工程の第三者ヒンシツ監査サービスを実施している。
また、2022年2月には「ヒンシツの可視化を価値に変える」プロ向けSaaS型クラウド「QualiZ(クオリツ)」をリリース。本格的な建設テックへの参入を目指している。
導入のきっかけ
社員の急増で事業のPDCAが上手く回らない。
設立5年で上場したZUUの成長メソッドに心惹かれる。
鬼速PDCAの導入前に感じていた課題はどんなことでしょうか?
小村社長急激な事業成長で従業員数が何倍にも増え、事業内容を刷新してきました。そのなかで人が入れ替わったりするなど、いわゆる組織の“成長痛”が起こるようになったんです。今まで上手く回っていたPDCAが上手くいかなくなり、ボトルネックが目立つようになりました。
ここは何らかの打開策が必要ということで、周りの意見も聞いてみようと思いました。正直、外部のコンサルティングサービスを利用することは、あまり好きではないタイプなのですが一度謙虚になって必要なものは受け入れよう、という気持ちでしたね。
鬼速PDCAを知ったきっかけについて教えていただけますか?
小村社長最初に知ったのは、Facebookの広告がきっかけだったと思います。そこに書いてあった「PDCA」の文言が気になり、「鬼速PDCA」の本を読んでみました。すると、PDCAだけではなく経営改善の本質的な部分についても深く言及していたので、これは表面的なアドバイスや支援ではない、と思うようになりました。
そのあと勉強会に参加し、提供しているプログラムの内容が明確になったので、個別相談に申し込んだという流れですね。勉強会や個別相談で感じたのは、鬼のようなスピードでPDCAを回すことで、改善どころか「革新的に経営が変わるのではないか」ということです。つまり、この鬼速PDCAは「革新のサイクル」なのではないかと。
我々もPDCAを毎日回していますが、なかなか高速で回せないのが経営課題だったんです。鬼速PDCAを導入することで「革新のサイクル」を生み出し、弊社の事業が大きく成長するのではないかと感じました。
導入の決め手はどんなことでしょうか?
小村社長一般的なコンサルティングは、ノウハウだけ与えて「あとは頑張ってください」というアドバイスだけで終わってしまうことが多いと思います。例えば、営業コンサルであれば実際にセールスの実績のない人が、机上の理論やノウハウを伝えるようなこともあります。
その点、鬼速PDCAを提供しているZUUは「5年で上場」という急激な成長を実際に達成しており、メソッドに説得力があると感じられました。“茨の道”ともいえる事業拡大の苦しさについても、既に経験されているのではないかと。
そういったことも含めて、我々のことをしっかりと理解してくれそうだと感じました。弊社のような住宅建築のベンチャー事業は、専門的なアナリストからもなかなか理解してもらえないんです。その点、鬼速PDCAのエンジニアの皆さんは、我々と伴走しながら最後までしっかりサポートしてくれると思いました。
出会ったタイミングも良く、経営に課題や不安を感じていたときだったんです。成長のメソッドに気持ちが高揚し、ブレイクスルーにつながる「運命的な出会い」かもしれないと感じましたね。
導入効果①
“リミッター外し”で革新的な成長に手応え。中期長期の事業計画がクリアになり、自信が確信に変わる。
プログラムの中で印象的な内容について教えてください。
小村社長印象的なのは“リミッター外し”ですね。達成したい目標から逆算するので、今まで考えようとしなかった大きなビジョンが生まれます。その時に重要なのは、私たち経営者が既成概念を外せるかどうかです。
例えば、ある経営者が10億円の事業をしているとします。「1,000億円の事業を5年後にしているとしたら、どんなことをやっていますか?」と言われたら、どのように答えるのか。それで何も答えられない経営者は、未来に対するイメージを描けないということです。
私の場合、イメージは明確にありました。しかし、「なぜそこに辿りつけないんですか?」と聞かれると、事業資金や投資のこと、会社へのリスクなどが頭をよぎり、現実的な思考に戻されてしまいました。
それでも、「非現実なことも達成できる」と仮説を立てながら考えると、今まで考えていなかった引き出しから、とんでもない非常識を常識化するようなアイデアや、今まで表に出さなかった自分を引き出せるようになったんです。この感覚はまさしくベンチャー的であり、既成概念を外す非常に良いトレーニングだと思いました。
企業成長を目指した時に、リターンが大きいほどリスクが高いのは当然です。普通の常識から経営計画を考えていると、普通で終わってしまう。例えば、上場を視野に入れたら堅実ではダメで、150〜200%の成長が必要になってきます。
「改善」というレベルから「革新」というレベルまでマインドをコントロールしていくと、もう完全に頭はリミッターを外した発想になります。思考モードを「改善」から「改革」に変えるというのは、今までにない新しい考え方だと感じました。
導入後に効果を感じていることについて教えてください。
小村社長経営者として感じている効果は、これから経営で起きることを「覚悟」できるようになったことです。どんな企業にとっても、事業というのは「未来予想図」だと思うんです。これくらいの売上を出したい、事業規模をこれだけ拡大したいなど未来の希望を抱きながら、目標と現在の数字との隙間を埋めていくのが企業活動ではないかと。
特に中長期の未来を見据えた事業計画の場合、3〜5年という期間になるので「これでいいのかな」という迷いが絶対に生まれると思うんです。しかし、今回のプログラムと支援が終わった時に、中長期ビジョンについての迷いや不安はなく、「やっぱりここを目指して間違いないんだな」という確信に変わりました。そのことで目標達成への覚悟が生まれ、全員が本気モードになることができたと思います。
また、“因数分解”による経営戦略の深掘りでは、私の中でグレーだった判断しづらいことを、白や黒に変えてもらえたので、確信を持って判断できるようになりました。例えば、10個の経営判断があったら、もう7個は白黒が分かっているんです。あと3つの駒がグレーの状態なので、白か黒かを確信できるようになって助かったという感じですね。
導入前の期待感としては、もっと成長確度を引き上げたい、成功率を高めたい、というレベルでしたが、それを上回る効果を得られたと感じています。
導入効果②
全役員が導入を熱望した幹部育成プログラム。導入後2か月で“因数分解”が全社浸透し、革新的な成長へ走り出す。
幹部育成のプログラムも導入されていますが、その背景をお聞かせください。
小村社長経営戦略のプログラム(CXO)を受けることで、経営者である自分が一つの明確なビジョンを描くことができました。しかし、それを実行するためには各事業部が積極的に実行する必要があります。
鬼速PDCAの理解を深め、因数分解して目標設定し、KGI、KPI、KDIを落としこんでいく。中長期のエクイティストーリーが見えたので、幹部育成のストラクチャリングを導入し、組織成長をさらに加速させていきたいと感じました。
そこで役員会において私が鬼速PDCAのことを説明し、メンバーにやってみたいのかどうか聞いてみたんです。嫌がる人もいるのではないかと思いましたが、全役員が「投資してもやってみたい」と積極的に手を挙げてくれました。全員から賛成の声を受けて、ストラクチャリングは役員5名が受講しています。
導入後の感想はいかがでしょうか?
小村社長アドバイスなどの表面的な改善ではなく、仕事の習慣・やり方を大きく変えてくれたという印象です。弊社のレベルに合わせてプログラムを進めていただけたので、マネジメントを上手く進めるための思考、最適な目標設定など、役員の本来あるべき姿を学べたと思います。
プログラムの中では、現在取り組んでいる実際の仕事を分解しながら、課題感の強い部分を掘り下げていただきました。業務プロセス自体をコーチングしてくれたので、課題の解決策にも取り組みやすいと感じています。
それにノウハウを伝えるだけではなく「できましたね! 次はこれをやってみましょうか?」と弊社の社員に自信を持たせてくれるんです。エンジニアの皆さんが裏で作業するアウトソーシングのサービスではなくて、我々自身が現在直面している課題へ一緒に取り組んでいくという。
社員自身で考える方法を身に付けられるので、それを気に入っているメンバーが多かったです。「次、ここはどうすれば? 最後がちょっと詰まっていて」と言えば、「こう考えたらどうですか?」と答えではなく、ヒントを教えてくれるという。自主的に考えられるので、みんな子どものように夢中で取り組んでいましたね。
組織への効果で感じていることはありますか?
小村社長約2か月のプログラムでしたが、因数分解をしていく習慣が部長や課長から一般社員にまで浸透しました。その結果、全社でMindMap(マインドマップ)を活用しながら業務改善できるようになっています。この浸透速度の速さはなぜかというと、ストラクチャリングを受講したメンバーが自信をつけて、他の社員へそのメソッドを積極的に伝えているからです。
目標設定を自分たちの力で導ければ、それが自信になって部下にも落とし込もうとするんですよ。今まで受動的だった社員も「自分たちでやる」という自走モードになってきたことは、大きな導入メリットですね。
それに何といっても、導入から運用ベースまで活用できているのが良かったと思います。改善から革新へのマインドシフトを全社同じやり方で進められるようになり、今後のさらなる成長が楽しみです。
鬼速PDCAの価値
鬼速PDCAは伴走して共に汗をかくパートナー。
企業文化になり、投資以上の価値を感じる。
鬼速PDCAは小村社長にとって、どんな存在ですか?
小村社長最初は一段上の“先生”のような存在だと感じていましたが、プログラムで共に課題へ取り組むうちに、とても身近な存在に変わっていきました。今では何かを教えてくれる“先生”ではなく、一緒に伴走してくれるパートナーという感じですね。
自分たちの事業に目線を合わせながらやってくれるので、何かを習っているという感覚は全くありません。一緒になって汗をかくし、奥の方に詰まってどうしようもない泥を共に掻き出してくれるようなイメージです。
最後に、鬼速PDCAの価値をどんなところに感じていますか。
経営戦略については、実は導入前に私の中で8〜9割ほど方向性が決まっていたんです。その状態で何が欲しかったかというと、背中を叩いてくれること、つまり「経営の確信」です。
例えば、「これは絶対間違ってない。けれど、もっと魅力的に見せるためにはこんな考え方も」という風に、自分になかった残りの2割を鬼速PDCAがブラッシュアップして埋めてくれたわけです。それがストーンと腹落ちして、最終的には私の自信に変わっていきました。やっぱりこれは、お金に代えられない価値だと感じています。
幹部育成のプログラムについても、企業文化や企業習慣として根付かせることは、本当にすごいことだと思います。もし、鬼速PDCAに出会ってなかったら5年も6年もずっと変わっていないということじゃないですか。そういうところに新しい「血」が入ったことは、中長期で考えると絶対に得だと思います。