相続と資産のコンサルティングにより、親子三代の幸せをサポートしているシナジープラス社。法務・税務専門家とのネットワークや、グループ会社との連携で、相続のあらゆる相談に対してワンストップで対応することができる。
保険商品などを販売する利益誘導型のビジネスではなく、子や孫の代までを見据えた「もめない相続コンサルティング」を実践。多くの顧客から厚い信頼を得ており、鬼速PDCAの導入後には、全国展開を視野に入れた新規事業にも取り組んでいる。
創業時から一貫して、利益誘導に走らない中立な顧客対応を貫いてきた代表取締役の亀島 淳一氏に、導入後の感想や実際の効果について詳しく伺った。
導入のきっかけ
属人化しない顧客サポートの仕組みを構築したい。
企業成長を続けるZUUの伴走が導入の決め手。
鬼速PDCAの導入前に感じていた課題はどんなことでしょうか?
亀島社長弊社の事業は、相続の課題を解決するコンサルティングなのですが、事業拡大を続けるなかで、属人的なバラツキが出はじめていました。お客様のためにも業務についての知識や進め方などを平準化していく必要があると考えていたんです。
属人化しないように社内でディスカッションや情報の共有化を進めていたのですが、やはり「仕組み」がないと円滑に平準化を進められないと感じていました。当時は全社的に人数が増えてきているフェーズだったので、一人ひとりの力に頼るのではなく、組織で上手く事業を進めていく必要がありました。
新規事業のSaasビジネス(不動産相続コンサルティングシステム)についても目指しているビジョンはあったのですが、やるべきことが明確ではなかったので、その達成プロセスを十分に考えられていませんでした。やるべき事をいつまでに完了するのかなど、具体的なスケジュールを上手く立てられていなかったんです。
導入の経緯について教えていただけますか?
亀島社長一般的なPDCAについては、いろいろな本で知識として知っていたのですが、鬼速PDCAのことを初めて知ったのは、SNSの広告だったと思います。自社の課題を解決するためにはPDCAが有効だと考えていたので、広告に掲載されていた勉強会にまず参加してみようと思いました。
それまで経営コンサルティングを導入したことがなかったので、どんな仕組みを構築できるのか気になっていましたね。勉強会では「エンジニアの伴走で事業や課題を掘り下げられる」「重点課題を明確化できる」などの内容を紹介されていて、効果がありそうだと感じました。課題を解決することで、目標達成に向けて一歩ずつ進めるのではないかと。改善の進捗状況が我々の共通認識として明確に“見える化”できることも、仕組みとして信頼できると感じました。
鬼速PDCAを導入しようと決めた理由についてお聞かせください。
亀島社長課題出しから解決方法の発見まで、私たちと一緒に伴走してくれることが一番の決め手です。その背景として、鬼速PDCAを実践しながら成長を続けている事業会社(ZUU)への信頼感がありましたね。実際にそのメソッドを実践している人たちが伴走してくれるなら安心できるし、我々が大きく成長していくためには導入が必要だと思いました。
各部署の責任者に導入することで、今まで連携を阻んでいた「部署の垣根」を取り払い、一丸となって業務を推進していきたいという想いで導入を決めました。
導入効果 ①
課題の深掘りで部分最適化から「全体最適化」にシフト。
無駄な時間を削減し、業務の推進スピードが2倍に高まる。
導入後の率直な感想をお聞かせください。
亀島社長
事業を拡大していくためにやるべきことが明確になりましたね。今までなら一歩一歩、何十年もかけて辿り着けるような目標への道筋が分かるというか。課題についても明確になるので、会社としてどの方向に進んでいくのかを考える上で非常に役立っています。
業務のスピードも明らかに上がりました。例えば、一つのプロジェクトを立ち上げるときに「これやった方がいいよね」という抽象的なビジョンではなくて、明確に課題を見つけ出して「これを解決しないといけない」という風に目的意識がはっきりしてきたと思います。
また、解決案を出すスピードも上がっているので、業務の推進スピードが2倍以上に高まっていると感じています。ネクストアクションが明確になっていることもあり、新たな施策のPDCAをどんどん回すことができます。
また、プログラムで“因数分解”に取り組むなかで、今まで見過ごしていた点にも気付くようになりました。例えば、業務改善ツールを導入する場合、今までなら費用と利便性しか見えていませんでした。しかし、“因数分解”で必要な要素を深掘りしてみると、導入までの時間や解決できる課題、導入に関わるリソースなどが分かるようになり、本当に必要なツールかどうかを判断できるようになりました。
全体のKGIを達成するために生産性を向上させる必要があるなら、価格が上がってもさらに高い効果が期待できるツールを導入するべきだと思いますし、それとは逆に時間軸で余裕があるのなら、社内リソースを活用しながら導入費用を抑えた方がいいかもしれません。
つまり、事業の投資に関わる「無駄」を省けるようになったということですね。課題を明確にしてそれを解決できるポイントに資金投入しないと、売上を伸ばす効果がないことを改めて実感しました。全社で注力するべきポイントが、以前よりもかなり明確になってきていると思います。
部分最適化から「全体最適化」へシフトできているということですね。
亀島社長そうですね、例えば不動産部門でいうと、課題解決のために導入を検討していたツールが、全体最適化で全く必要なくなりました。別のツールなら一気通貫で全社の業務を効率化できることが分かったからです。それをきっかけに他のツールや業務内容についても、抜本的に見直すようになりました。
もっと早く鬼速PDCAに出会っていれば、課題の解決につながるようなツールを導入できていたのかもしれません。業務で重要なKDIも考慮しながら取り組めば、あと2〜3年は早く事業拡大に着手できていたのではないかと感じています。やはり戦略設計のプログラム(CXO)で事業の全体感をしっかりと分析し、細かい部分まで掘り下げることができたので、本当の意味での全体最適化につながっているのだと思います。
導入効果 ②
営業部で“因数分解”を活用することで、顧客の課題解決が迅速に。組織の仕組みで顧客満足度とアポ率が高まっていく。
導入後は営業部で積極的に“因数分解”を活用していらっしゃるそうですね。
亀島社長営業部は全員が鬼速PDCAを活用しています。各チームの上長が最初に使うようになり、その使い方を他のメンバーに落とし込んでいくような流れですね。上長が“因数分解”について説明すると、使いやすさを感じてすぐに使うようになります。
課題抽出の精度や細かさという点でも、「もっと課題があるのではないか」と各メンバーが考えられるようになってきています。それぞれのお客様対応で、出来るだけ早い段階で課題を明確にし、解決しようとする癖がついてきていると思います。
今までは組織にその習慣がなかったんです。お客様の課題をひとまず社内に持ち帰って、そこからみんなで議論していました。そうすると、議論に費やす時間と次のアポまでの時間をロスしてしまいます。仮に1週間後のアポなら、そこまでの時間が単純にもったいないじゃないですか。
現在は新規のお客様でも、本当の課題が何なのかを面談の中で確認・理解することができます。一人ひとりにPDCAが浸透しているので、お客様との流れを想定しながら面談前に仮説ベースの課題を抽出してくるんですね。そうすると、実際にお話したときに出てくるお客様の課題も聞きながら、その場で答えられる課題はすぐに解決することができます。
PDCAを回して自分のやっていることを理解・分析できているので、課題や解決案が出やすいのだと思います。各メンバーとの面談でも、その場で答えられることは出来るだけその場で解決するように伝えています。それは、一人ひとりの営業能力が飛躍的に高まったからです。
次のミーティングでは、答えきれなかった課題だけが出てくるので、やるべきことが明確に絞られてきます。その結果、次の提案を迅速に進められるようになっています。
メンバーの成長で、お客様の反応も変わってくるのでしょうか?
亀島社長顧客満足度は確実に上がっていると実感しています。導入以前であれば失注していたような案件でも、迅速な提案で次のステップへ進むことができます。例えば、お客様が打ち明けた課題をそのまま解決しないで終わったら、「じゃあ検討します」と言ったきり二度と戻ってきません。しかし、こちらから課題を見つけて「この課題に対してこんなことができますよ」と話せば、「次はどうしたらいいですか?」というネクストアクションにつながります。それが結果として、アポ率の向上にもつながっていきます。
それ以外の効果として挙げられるのは従業員が増えたことです。中長期的なビジョンを“因数分解”で深掘りするなかで、事業拡大にはどれくらいの従業員が必要なのかが明確になりました。今後成長が見込まれる事業部での採用を強化し、導入前に比べて1.4倍くらいにメンバーが増えています。鬼速PDCAで中長期のビジョンがはっきりしていなかったら、積極的な採用には踏み切れなかったと思います。
今後の活用
「もめない相続」の総合的なサポートを全国へ展開。
鬼速PDCAの戦略設計でIPOを目指していく。
IPOに向けた取り組みも進めていらっしゃるそうですね?
亀島社長今回の戦略設計のプログラムを受けて、自分たちのサービスを世界に向けてどのように伝えていくのか、具体的に考えられるようになりました。例えば、IPOをするにしても最終的なEXITについての考え方を連動させていくべきだということは、今まで発想にありませんでした。何のために、誰のために、いつまでに、どれくらいでEXITするかによって事業スピードが変わり、諸々の数字が明確になっていくので、その考え方を積極的に取り入れています。
プログラムの中で構築したエクイティストーリーを基に資料を作り、周りの投資家に見せたりしていたのですが、かなり好感触ですね。今までは「良い事業ですね」で終わっていたのに、新たな資料では「いくら投資したらいいの?」という具体的な話に発展していきます。
それに関わる新規事業についても、 “因数分解”で進むべき方向を正確に見定めています。鬼速PDCAを導入していなかったら、とにかくやってみて失敗の度に施策を変えるなど、無駄な動きが増えていたと思います。課題をはっきりと意識しながら、スピード感を持って事業に取り組めることは大きな導入効果ですね。
今後の展望についてもお伺いできますか。
亀島社長相続や不動産の分野はレッドオーシャンだと捉えられることも多いと思うのですが、我々はあくまでもお客様を中心にした利益構造を作っているので、常にブルーオーシャンで仕事ができています。さらに時間をかけて今目指しているビジネスモデルを確立できれば、弊社のサービスの価値を世の中へもっと分かりやすく伝えられるのではないかと思います。
これから全国規模の不動産相続コンサルティングを目指していくなかで、例えば過疎化が進む農村地の相続であれば、収益の上がる土地に変えてから相続人に渡すなど「幸せな相続」をさらに実現できるのではないかと考えています。
その中でプラットフォーム事業も一つの展開として必要だと感じています。私たちはあくまでも「もめない相続」を目指していきますが、そのサービスの先には銀行や証券、さらには医療、不動産なども関わってきます。お客様の資産価値を維持するために、我々がプラットフォーム上でさまざまなサービスを提供できれば、お客様の満足度がさらに高まっていくのではないかと思います。
最後に、鬼速PDCAの価値をどんなところに感じていますか。
亀島社長導入にかかった投資金額については、それを超える価値が十分にあったと思います。“因数分解”などのメソッドを我々の会社に落とし込み、解決策が出てくるスピードを一気に高められた効果を考えると、導入にかかった費用は全く問題にならないと感じています。
導入後には、課題に対する深掘りができるようになったので、実際に行った施策についても分析できるようになりました。各事業部を横断して、全社で業務推進のスピードが高まったことは大きな価値だと感じています。今後もお客様を第一に考えながら、鬼速PDCAの「全体最適化」で飛躍的な成長を目指していきたいと思います。