鬼速で気づけた成長企業の盲点
マネージャー不足の課題を解決

RITAグループホールディングス株式会社

代表取締役社長倉崎 好太郎氏

2022.8.8

「鬼速のおかげで自社の本当の課題に初めて気づくことができた」――。

熊本を拠点に九州の特産品のEコマースなどを手がけるRITAグループホールディングスの代表取締役社長・倉崎好太郎氏はこう振り返る。

素早い商品開発とデジタルマーケティングを強みに、直近5年間の売上高が4倍と急成長する同社。馬刺しの通信販売に関する外部機関の調査では売上高「日本一」にも輝いた。だが、破竹の勢いとは裏腹に倉崎氏の内心は曇っていた。コロナ禍で経営環境の変化が加速する中、次の成長への道筋を描けずに悩んでいたのだ。

そんな時に出会ったのが鬼速だった。鬼速のプログラムを受けることでどのように自社の課題が浮かび上がり、解決につながったのだろうか。倉崎氏に話を伺った。

企業情報

RITAグループホールディングス株式会社
本社所在地
〒860-0863
熊本県熊本市中央区坪井2丁目1-42 SDK熊本ビル5F
代表取締役社長
倉崎 好太郎
事業内容

馬刺しを中心とした九州の特産品のEコマース、馬肉ペットフード事業、ダイエット専門のパーソナルトレーニングジムの運営、地域企業のEC展開やWeb集客の代行

従業員数

60人

企業サイト
https://ritagroup.co.jp

※プロフィール情報は取材時(2022年7月)のものです。

導入の経緯

コロナ禍で成長に危機感 設立5年で上場したZUUのメソッドに関心

鬼速の導入前に感じていた御社の課題について教えてください。

倉崎社長当社は持株会社の傘下に3つの事業会社があるグループ体制になっていますが、中核事業は食品のEコマースです。2020年はコロナ禍に伴う巣ごもり需要でEC市場に追い風が吹き、売上高は大きく伸びていました。

しかし、こうした追い風は一過性の可能性もあります。また「経営者の勘」に近いかもしれませんが、売上高の伸びに手触り感がなかったのです。アクションプランが当たって伸びた感じがしませんでした。

パーソナルトレーニング事業に至ってはコロナ禍が逆風となり、赤字に陥っていました。そんな中、次の成長エンジンとなる新規事業も創出できておらず、このままではグループの成長がどこかで頭打ちになってしまうのではないかと危機感を持つようになりました。

そこで当時進行中の中期経営計画を見直すことにしたのですが、どんな打ち手が必要なのかも分からない状況でした。

鬼速を知ったきっかけと導入の決め手はなんだったのでしょうか。

倉崎社長鬼速を知ったきっかけは、友人の経営者が鬼速のプログラムを受けたことでした。鬼速ではマインドマップを使って自社の課題やその要因を因数分解していくのですが、実際に鬼速で作成したマインドマップを友人に見せてもらったんです。

それを見て驚きました。友人の会社の経営課題が数え切れないほどリストアップされていたんです。マインドマップのツリーが横へ縦へと何段階にも広がっており、「これなら我が社の課題も明確になるかもしれない」と導入を決めました。

もう一つの決め手は、鬼速を提供しているZUUが実際に鬼速のメソッドを用いて5年で上場するなど実績を出していることです。結果が出ているメソッドなので、活用しない手はないと考えました。

導入効果❶

課題を因数分解で深掘り 地方企業の「ハンデ」を発見

鬼速のプログラム(鬼速CXO)を受けたことでどんな収穫がありましたか。

倉崎社長一番の収穫は、「解決案ファースト」だった思考を「課題ファースト」に改めることができたことです。以前は売り上げを伸ばすための方法を考えることばかりが先行し、解決案ファーストに陥っていました。そのため、自社の状況を正しく分析できておらず、何から手をつけるべきか優先順位に悩むこともよくありました。

これに対して鬼速では、自社が目指すゴールを達成するための課題と解決案を、鬼速エンジニア(コンサルタント)の力を借りながらマインドマップを使ってどんどん因数分解していきます。鬼速エンジニアが伴走してくれることで、思考の幅が広がりやすかったですし、縦の深掘りも一人では到底できないレベルの深さまで行えました。

例えば、当社の強みであるデジタルマーケティングをさらに強化していくための方策を掘り下げていく過程で、そもそも当社には新規事業や新商品の開発を任せられるミドルマネジメント層がいないという課題に気づきました。

当時の私からするとまさしく盲点と言えるもので、「あ、これが自社の本当の課題だ」と腑に落ちるものがありました。

マインドマップの活用例

課題が見えたら次は解決案です。ここで再びマインドマップを活用し、今考えられる解決案を全てリストアップしていきます。

すると、マネジメントを担える人材を採用しようにも、熊本にはそもそもWebマーケターが少ないし、事業をグロースさせた経験のある人材がほとんどいないという課題が新たに見えてきました。地方企業が抱えるハンデと言ってもよいでしょう。

そこで鬼速エンジニアから提案された解決案が、新卒社員を短期間でプロのWebマーケターに育成する「戦略人事チーム」の設置と教育プログラムの整備でした。さらに因数分解を進めていくと、その前提となる採用戦略にも課題があることが見えてきました。

当社ではこれまで新卒採用に困ることはありませんでしたが、事務系の業務を期待して応募する学生が多く、事業をグロースさせる志向のある人材を採用できていないことが分かったのです。

このように、鬼速を導入する前はまさか人材に課題があるなんて思ってもいませんでした。ところが因数分解によって課題を掘り下げていくと、業績を伸ばそうにも事業をグロースできるメンバーがそもそも社内にいないという真の課題が見えたのです。

メモ:鬼速PDCAのスピードの秘訣とは

因数分解の手法 鬼速PDCAのスピードの秘訣は仮説の精度の高さにある。
ありがちなPDCAでは、目標と現状のギャップを埋めるため、単純にKPIを上げたりDo(実行策の量)を増やしたりしがちだ。しかし、Planで考えた解決案や実行策は、今ある情報の中で考えられる仮説に過ぎない。仮説の精度が低いままPDCAサイクルを回しても途中で軌道修正に追われ、目標達成はおぼつかないだろう。
一方、鬼速PDCAでは、自社が目指すゴールと現状のギャップを生む真の課題を因数分解によって徹底的に掘り下げ、最も効果的と考えられる解決案を探っていく。
このようにしてPlanの精度が高まると、次のDoとCheckでの軌道修正が小さくなり、結果的にPDCAが速く回っていくのだ。

導入効果❷

思考のリミッター解除 異次元の経営課題や事業アイデアが見えた

リミッター外し

鬼速のプログラムの中で印象的な内容について教えてください。

倉崎社長やはり「リミッター外し」ですね。熊本を代表する企業になりたいと口では言いながら、以前は自分の思考に壁を作ってしまうところがありました。普段からWebマーケティングに従事していると、どうしても思考が小さな改善の積み重ねになりがちだったのです。

今回、鬼速エンジニアに促され、改めて熊本のトップ企業と自社とのギャップに真剣に目を向けてみました。年間売上高の差は約6,000億円。通常の思考では、私の世代ではとても追い越せる数値ではありません。

ここでリミッター外しの出番です。熊本のトップ企業に成長するために自社に何が足りないのかを考えてみると、今まででは思いつきもしなかった課題や全く新しい事業アイデアが見えてきたのです。

リミッター外しの成果は実際の行動にも現れてきています。熊本を代表する企業になるからには、経済界の重鎮の考え方を知っておく必要があると考え、積極的に意見交換や会食の場を設けるようになりました。「銀行の頭取らと話すのは恐れ多い」と思っていた以前の私からすると、信じられない変化です。

他に印象に残っているプログラムはありますか。

倉崎社長「時間資本」の最適化ができたことも印象的です。鬼速のプログラムでは、課題や解決案に加えてさまざまなDo(実行策)が出てきます。Doが増えると、その分だけ自分の時間を整理する必要があります。

タイムマネジメント三大原則

そこで登場するのが「捨てる」「入れ替える」「圧縮する」の3つのタイムマネジメントの方法です。中でも、「捨てる」が最も簡単で時間の削減効果が大きいと感じました。

具体的な手順は、まず今抱えているDoを全て洗い出し、それぞれの時間を算出します。そして、この中から無駄だと思う時間を捨てるだけです。

この結果見えたのが、対外的な活動や採用面接にかける時間が突出して多いという事実でした。当時さまざまな経済団体の理事に就いており、会食の機会も多かったのです。新卒採用の選考には一次面接から参加していました。

これらを削減する代わりに、会社の成長により大きなインパクトが見込める新規事業の推進や教育プログラムの設計などに時間を割くことに決めました。

今でも1ヵ月に一度は自分のカレンダーを見直し、有効活用できる時間がないか整理するよう心がけています。社員にも「まず捨てることを決めよう」と鬼速の考え方を伝えるようにしています。

導入効果❸

未経験のBtoB事業に進出 因数分解で事業化の見極めに成功

鬼速を導入して約1年。社内で起きた変化があれば教えてください。

倉崎社長先ほどお話しした人材の課題を解決するため、社長室直下に戦略人事チームを設置しました。それまで一人前のマーケターになるまでに1年以上かかっていたのを2ヵ月半ほどに圧縮することを目指し、新卒向けの教育プログラムを作ったのです。

教育プログラムは私自らが作りました。生え抜きの社員の中からハイパフォーマーを選んで入社後に困ったことやつまずいたことをヒアリングし、教育プログラムに取り入れました。今年採用した新卒の5人を対象に、さっそく教育プログラムを実践しています。

また、就活サイトに打ち出すメッセージも変えました。以前はベンチャーらしい自由な社風を前面に出していたのですが、現在は「世界を変える次世代リーダー求む」「あなたのアイデアが新規事業になる」などと、欲しい人材像を明確に打ち出すようにしました。

他にも鬼速を通じて出てきた解決案が形になった事例がいくつもあります。

例えば、成長領域に新商品・サービスを次々に投入する体制を構築するため、RITAグループの傘下にある3つの事業会社それぞれに事業開発チームを設置しました。すでに各チームからいくつかのヒット商品も生まれ始めており、やがて数十億円の売り上げに伸びていきそうな商品も見つかってきました。

また、当社で経験のないBtoB向けの新規事業も立ち上げることができました。デジタルマーケティングの機能を他社に提供するサービスなのですが、以前は「BtoB営業の経験がない」などと、できない理由を見つけては先送りしていたように思います。

ですが、因数分解によって課題を掘り下げていく中で、アマゾンの運営代行やWeb広告の運用代行などに事業内容を絞れば事業化は可能との判断に至りました。ありがたいことに、立ち上げ開始直後から地元企業を中心に次々と契約が決まっています。

今後の活用

鬼速のメソッドを社内共通言語化 熊本を代表する企業へ

鬼速のメソッドを今後どのように生かしていきたいですか。

倉崎社長経営幹部に鬼速のメソッドを共有したところ、解決案ファーストだったコミュニケーションが課題ファーストに変わってきたと感じます。

最近では、鬼速のメソッドが月次決算の遅れを解決することにも役立ちました。経理部門に対し、「課題の本質がどこにあるのか」を突き詰めるよう指示したところ、意外にも日次業務に真の課題が潜んでいることが分かったのです。「考え方が変わるだけで打ち手も変わる」と鬼速の効果を実感しています。

今後は社内で勉強会を開き、鬼速の考え方を社内の隅々にまで浸透させ、共通言語で話せるまでにしていきたいですね。

最後に御社の今後の展望についてお聞かせください。

倉崎社長熊本を代表する企業になることを目標に、まずは2026年に売上高100億円の達成を目指します。優秀な若い人材に集まってもらい、事業責任者が次々と生まれるような会社にしたいと考えています。やがては経営者を世の中にたくさん輩出するプラットフォームになるのが理想です。

東京など県外への進出も積極的に進めていますが、本社はあくまで熊本に置き、地元経済の発展に貢献したいという思いが強くあります。

東京が元気な理由の一つに、若い人材が役割と権限を持って自分が面白いと思ったことに取り組めていることがあるのではないでしょうか。

地方の衰退が止まらない昨今ではありますが、熊本にも東京と同じような環境を作りたいというのが私の願いです。これこそが社名の「利他」に込めた思いです。

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