鬼速導入で生まれた“共通言語”
重点課題に社員一丸で注力

株式会社SAKIYOMI

代表取締役社長石川 侑輝氏

事業責任者吉田 睦史氏

営業責任者土居 紀友氏

マーケティング責任者田中 龍之介氏

人事責任者樋田 洋斗氏

2023.1.18

「SNSをあらゆるビジネスの主軸に」というビジョンを掲げ、Instagramマーケティング支援で近年頭角を表しているSAKIYOMI(サキヨミ)。数百のアカウント運用データから導いた最新のInstagramのアルゴリズムに基づき、平均4.2ヵ月で1万フォロワーを達成する手法が数多くの企業に支持されている。

だが会社が急成長し始めた1年半前、社長の石川侑輝氏は全くと言ってよいほど現状に満足していなかった。事業が拡大するにつれ「今までのやり方では追いつかない」と危機感を覚えていたからだ。

そんな時に出会ったのが鬼速PDCAだった。鬼速を導入したきっかけや導入後の組織の変化について、石川氏や経営幹部に伺った。

企業情報

株式会社SAKIYOMI
本社所在地
〒530-0013
大阪府大阪市北区茶屋町6-23 茶屋町TATSUMIビル705
代表取締役社長
石川 侑輝
事業内容

Instagram運用代行サービス、Instagram運用コンサルティング、Instagram分析ツールやチャットボットツールの開発・提供、オンラインコミュニティの運営など

従業員数

20人

企業サイト
https://sns-sakiyomi.com

※プロフィール情報は取材時(2022年11月)のものです。

導入の経緯

組織拡大でコミュニケーションに課題。鬼速のフレームワークで解決を目指す

鬼速導入前の課題と導入の決め手を教えてください。

株式会社SAKIYOMI
代表取締役社長 石川 侑輝氏

石川社長鬼速の導入を考える少し前から、組織がものすごい勢いで成長し始めていました。急激に売り上げが伸びて、人や役割・レイヤーが増える一方で、カルチャーが十分に浸透せず、社内は空回り気味な状態に陥っていました。

みんな成果を出そうと努力はしているし、良い組織にしようとコミュニケーションは積極的に取っているものの、それがなぜかネガティブな方向に働いている気がしたのです。どうにかしようと、一人一人と密に話したり、ミッションやバリューを策定したりしましたが、思うような効果を上げられずにいました。

組織をただ膨張させていくのではなく、健全に筋肉質に成長させていきたい――。そんな思いで試行錯誤していた時に出会ったのが鬼速でした。

他社サービスではなく鬼速を選んだポイントは何でしょうか。

石川社長 鬼速のわかりやすいフレームワークが魅力的に映りました。鬼速の考え方を社内に浸透させることで、社員同士が“共通言語”で話せるようになり、課題を明確化できるのではないか、と。当社の課題感にバシッとハマったわけです。

導入効果①

会議の目的が明確化 計画の進捗を正しく把握できるように

石川社長には鬼速CXO(経営者向けのPDCAコンサルティング)を受けていただきましたが、印象的な内容について教えてください。

石川社長 やはり社員と同じ“共通言語”で話せるようになったことです。本当にこれが大きい。例えば、思考の制限を外す“リミッター外し”や“重点課題”の見極め方といったキーワードが挙げられます。「これって重点課題だよね」と社員に言うだけで共通認識が持てますし、目標数値が控えめな週報を見ると「リミッターを外せてないよね」と、プレッシャーのかけ方まで楽になりました(笑)。

経営幹部向けの「課題解決型ミーティング設計支援」も導入されました。
どういった背景があったのでしょうか。

樋田氏当社だけではないかもしれませんが、日常的な仕事の時間がほぼミーティングになってしまうという問題がありますよね。役職が上がるほどそのような傾向があると思います。私たちもまさにその課題に直面していました。

こうした状況下で「削減できるものは何なんだろう」と冷静に考えた時、ミーティングの仕方を変えなければならないと感じたのが導入のきっかけです。また、そもそも不要なミーティングの数が多すぎました。ミーティングが必要なのか否か、誰が参加すべきなのか、といったルールを決めたいという側面もありました。

メモ:「課題解決型ミーティング設計支援」とは

因数分解の手法 「課題解決型ミーティング」の一例。マインドマップを用いて課題や解決案を深く掘り下げ、ネクストアクションの決定まで落とし込んでいく

鬼速PDCAでは、PDCAを着実に回すために会議の質を重視する。そこで効果を発揮するのが「課題解決型ミーティング」だ。目標達成率やその数値になった要因の分析結果、そしてどう改善すればよいのかをメンバーが発表し、課題や対応策がわからない場合は参加者全員で会議の時間内に考え抜くのが特徴。次のPDCAサイクルの実行計画まで一気に決めてしまうこともある。また、鬼速PDCAの鬼速ぶりを象徴するものとして「半週ミーティング」も挙げられる。一般の会社のミーティングは週に1回、1時間のケースが多いが、鬼速PDCAでは週に2回、各30分に分けて行う。述べ時間は同じでも会議の質が高いため、通常の2倍の速さでPDCAサイクルが回るのである。「課題解決型ミーティング設計支援」では、PDCAに不慣れな人でもサイクルをスムーズに回せるよう、会議運用ルールや事前準備のフォーマットの設計・定着支援を行う。

「課題解決型ミーティング設計支援」を導入する過程で印象に残っていることはありますか。

田中氏まずは議題がとてもスリムになったことです。導入前、ミーティングの時間は原則1時間と決まっていました。プロジェクトに関わる可能性のあるメンバー全員が参加することになっていたため、時間がかかりがちだったのです。しかし議題を絞れたことで必要最低限のメンバーが参加し、議論する内容も必要事項だけにとどめておけるようになりました。

「半週ミーティング」も印象的でした。以前は、プロジェクトに関わるメンバーが増える中、全員の状態を把握したいけど文書だけでの情報共有は難しいという課題がありました。そんなときに半週ミーティングを導入したところ、スムーズにメンバーと意思疎通できるようになり、効果的なアドバイスもできるようになりました。

土居氏会議メンバーのレイヤーによって会議の目的・議題を整理したことで、やることが明確になり、効果的な時間の使い方ができるようになりました。例えば、営業側のマネージャー陣のミーティングだと、会議の目的が明確化されたことでKPIの振り返りだけで済むことも増えました。一方、メンバーレベルのチームミーティングでは、どれだけ計画を実行できたかをKDIと呼ばれる客観的な指標を用いて確認することがメインになっています。メンバー一人ひとりには、今の課題に対してどう取り組んでいるのかを週報で管理しています。

導入効果②

“リミッター外し”で真の課題を特定 効果的な施策が打てるように

鬼速ストラクチャリング(経営幹部向けのPDCAコンサルティング)を受けて印象に残ったことと、その理由を教えてください。

吉田氏「重点課題の考え方」かなと僕は思いますね。上位3つの課題が目標達成に対して7割のインパクトを与えるという考え方なのですが、鬼速の導入以前は重点課題とそうでない課題の区別がついていませんでした。しかし課題に優先順位をつけて戦略的に動けるようになった結果、中長期的に大きなインパクトが出ているのを実感しています。

課題ファーストの考え方 課題ファーストの考え方

株式会社SAKIYOMI
営業責任者 土居 紀友氏

土居氏鬼速の導入前は、現状の課題感から解決策を考えていたので、その時取り組んでいることの延長線上で戦略設計をしがちでした。しかし鬼速の導入後は、理想のゴール(KGI)と現状のギャップを把握することで、そのギャップを埋めるための課題が抽出できるようになり、今までなら見えなかった解決策が出てくるようになったことが大きなポイントでした。

リミッター外し

樋田氏私は「リミッター外し」が印象に残っています。リミッターを外すことで、目標数値や時間軸などを大きくして考えられるようになり、自分たちがパッと直感的に課題と感じるものが出てきたとしても安易に飛びつかないようになりました。短期視点では一見課題に感じても、長期的に考えたらそもそも課題ではない可能性もあるからです。

メンバーから何か提案をもらう時にも、「それって今やるべきことなんだっけ?」「もっと時間軸を伸ばして考えてみたら?」といったコミュニケーションが取れるようになりました。

導入後の変化

鬼速のフレームワークで成長フェーズの波に乗る

株式会社SAKIYOMI
事業責任者 吉田 睦史氏

鬼速の導入で組織にどのような変化がありましたか。

吉田氏事業が順調に成長していることに関しては、鬼速のフレームワークの導入が大きく影響していると考えています。去年は組織規模や事業規模が小さかったので、扱う課題の数はもちろん変数も少なく、鬼速のフレームワークがなくても何とかなっていました。しかし、今年に入ってから一気に変数が増え、今までの手法が通用しないレベルになってきました。そんな中でも事業を成長させてこられたのは、鬼速のフレームワークによって、たくさんある変数に優先順位を付けられたことが要因の一つだと感じています。

石川社長冒頭でも少し話しましたが、社内に“共通言語”がなかったため、現場側から表面的な課題を「これ、すごく大きい課題なんです」と、重要そうに報告されることがありました。経営側から「それは小さすぎて課題と呼ばないんだよ」などと伝えると、お互いが険悪なムードになりかねませんでした。でも今は例えば「それは重点課題じゃない」と伝えるだけで理解してもらえます。共通言語があるだけで、表層的な課題と本質的な課題の住み分けが共通認識として持てるので、現場の意見にフィードバックする時など、コミュニケーションがスムーズにできていると感じます。

樋田氏共通言語は事業以外の個々人のキャリアや目標設計にもインパクトがありました。目標設計において個々人のキャリアは特に定性的になりやすい部分ですよね。その部分に関しても「それはそもそもKGIに置き換えると何に該当するのか」「どの数値を達成したらその定性状態が達成できているんだろうか」といったコミュニケーションが取れるようになっています。

石川社長今はルーティンとして四半期ごとに各部署で計画の見直し、いわゆる3ヵ月タームでPDCAを回すことができています。マインドマップを広げて重点課題を特定し、KPI化とKDI化を行うという一連の流れを3ヵ月に1回の頻度で事業領域ごとにできており、週単位で週報を使って管理することもできています。直近の6ヵ月くらいの月次KPIをほぼ一つも外さずに進んでいるのが、経営側として一番効果を実感することです。つまり、立てた目標を達成できる組織になってきている。立てる計画も丁寧に作ることができているので、正しい目標設定ができているという印象もあります。

今後の展望

Instagramマーケティングをさらに強化 M&Aや業務提携も視野に

SAKIYOMI社の今後の展望や事業構想を教えてください。

石川社長Instagramマーケティングに関しては、「SAKIYOMIが圧倒的プロフェッショナルだよね」というポジションをつくっていくのがまずは目標です。今後は今まで取り込めていなかった飲食店や美容室、小規模事業者のビジネスや収益化のサポートをしていき、Instagramを活用したサービスをさらに充足させていきたいです。例えば、動画配信の「インスタライブ」は今後とても重要になってくると考えていますが、何か新しいサービスを作り上げ、お客さまにとってより効果的な活用法を提供できるようにしていこうと動いています。

次のステージとして、Instagramという最強のマーケティングチャネルを自由に動かせるようにすることを目指しています。SAKIYOMIには、すでに自社のアカウントだけでも50万~100万近くフォロワーがいますし、インフルエンサーとのつながりも強固です。インフルエンサーやフォロワーとのコラボレーションで、共同のプロダクトを作ったり、共同オンラインサロンを運営したりといった展開もあるかもしれません。我々とフォロワーとインフルエンサーが束になった強さを活かし、いろいろな企業とタイアップしてビジネスのプロデュースに使っていきたいですね。

Instagram運用においては、デザイン力や行動経済学など、さまざまな知識やスキルが必要になってきています。そういった情報を弊社のサービスを通して学んでいる個人の方も非常に多いようです。彼らがトレンドであるInstagramなどのSNS活用ノウハウや知識を吸収し、運用までできるようになれば、企業アカウントの運用代行のマッチングなども今後のサービス展開として考えています。Instagramというプラットフォームを活用することによって、フリーランスとして挑戦できる環境を提供していきたいです。まずはお客さまの幅を広げるということと、サービスをより広げること、より深めることの3点に取り組んでいきます。

今後、事業領域を拡大していく中で、鬼速をどう活用していきますか。

石川社長鬼速を導入してから社内で新しい事業やサービスを立ち上げることが容易になってきました。立ち上げの責任者を選ぶ際には、前提として会社の理念への理解やスキルが必要ではありますが、それらに加えて、鬼速で学んだフレームワークを使えるかどうかが大きな基準の一つになっています。逆に言うと、この共通言語を使いこなすことができれば、週報で私とコミュニケーションが簡単に取れるわけです。

今後、サービスの機能拡充をゼロイチではなく、M&Aや業務提携という形でいろいろな会社と協業することになっていくと思います。さまざまな企業と一緒にシナジーを生み、ブレない協業のスタイルを構築するためにもこのフレームワークは必要になってきます。今後も各々がさらに自由自在にフレームワークを駆使できるように、鬼速を浸透させていきたいですね。

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