沖縄で住宅型有料老人ホーム施設「なんじょう苑」を運営する日南株式会社は、ZUUのコンサルティングサービス導入後、5年の経営計画をわずか3年で達成し、飛躍的な成長を遂げている。
代表の新垣社長は、ZUU代表の著書『鬼速PDCA』をきっかけにサービスを知り、PDCAサイクルの重要性を再認識。鬼速を導入、特に「リミッター外し」という思考法とマインドマップを活用した因数分解が、経営戦略の可視化とM&Aによる事業拡大に大きく貢献したと語る。
企業情報
- 日南株式会社
- 本社所在地
- 〒901-1202
沖縄県南城市大里大城2005-1
- 代表取締役社長
- 新垣 憲良 (にいがき のりよし)
- 事業内容
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住宅型有料老人ホーム なんじょう苑の運営
- 企業サイト
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https://nanjyoen.com/
※プロフィール情報は取材時(2025年8月)のものです。
導入のきっかけ・感想
思考が広がり、計画が「見える化」でき、自信が生まれた
コンサルティングやPDCAのサービスは世に多くありますが、その中でZUUを選ばれた決め手や理由は?サービスを受けて、自身や組織にどのような変化を感じられましたか?
新垣社長もともとPDCAを回すことに関心があって、『鬼速PDCA』を読んでいたのですが、書籍で得た知識をさらに深めるには、やはりプロから学ぶのが一番だと考えていました。
個人だけではどうしても実践しきれない部分があったので、非常に助けられました。ZUUの皆さんの知識が豊富で、私の考えをうまく引き出してくださったので、とてもやりやすかったです。
最初のサービス提供したのがもう3年前ですが、この間を振り返って一番大きかった手ごたえはどういったことですか?
新垣社長一番は計画を「見える化」でき、自信が生まれたことですね。ZUUのコンサルティングを通じて、因数分解を進めることで構想がよりクリアになり、さらに、KPI・KDIに落とし込むことで、具体的な実行計画まで落とし込まれ、「こうすれば達成できる」という確信が持てるようになりました。
あと、私の中で画期的だったのは、以前から気にはなっていたものの、使いこなせていなかったマインドマップをきちんと使えるようになったことです。ツールを使いながら経営の因数分解を一緒に進め、思考の整理・アップデートをしてもらえた点は非常に良かったです。
マインドマップは今でも日常的に使っていて、たとえば役職ごとの仕事内容の割り振りを明確にし、社員にも見せやすくなりましたし、最近では、M&Aで取得した会社の今後の方向性を整理する際にも非常に役立っています。
また、コンサルを通じて、自分の思考がどんどん広がっていく可能性を感じられました。とにかく、自分の中に漠然とあった考えを見える化し、文字にできたのは大きかった。
導入効果1
印象に残っているのはリミッター外し 経営における視野が広がった
ZUUとの取り組みの中で、特に印象に残っている瞬間や言葉、エピソードは?
新垣社長
一番印象的だったのは「リミッター外し」ですね。これは、目標設定において、現状の制約や固定観念を取り払い、本来あるべき姿や理想を自由に描くという考え方です。一度リミッターを外すことで、どんなことでも自由に考えられるようになり、直近の目標がぐっと近く感じられるようになりました。この思考法は、私の経営に対する視野を大きく広げてくれました。
私の右腕的なメンバーにも研修を受けてもらいました。私がM&Aを進める中で、彼も「リミッター外し」ができるようになり、すぐにポジティブに考えてくれるようになりました。右腕的なメンバーのマインドが変わったことで、組織として事業推進力が大きく高まったと感じています。
以前は、新しい挑戦に対して慎重な姿勢が見られましたが、今では「どうすれば実現できるか」という前向きな思考が根付いてきています。
● ZUU コンサルより
「リミッター外し」は鬼速のプログラムのうち、中盤あたりで行います。たとえば最初に5年後のKGI(重要目標達成指標)というギリギリのラインで課題を出し、その後に「改めてリミッターを外して目標を考えてみましょう」という形で実施します。これにより、普段考えていることの外にあえて思考を持っていくことで、新たな視点が生まれ、ブレークスルーポイントの発見に繋がります。日南様の場合は、リミッター外しから積極的なM&Aによる成長によって大きなブレークスルーを起こすという問いが生まれ、M&A成功の要素を因数分解していくと数値管理をベースとした事業解像度の高さという自社の強みを活かせるため、新垣社長の中で実現可能性が高い手法であると落とし込まれたのだと思います。
この「リミッター外し」を経て、考え方は大きく変わるものですか? 人によっては心理的抵抗もあるかと思いますが……。
新垣社長はい、大きく変わります。本当に自由に考えられるようになりますし、やっていくうちに「できそうだ」と思えてくるのです。最初は漠然とした理想だったものが、具体的な行動計画に落とし込まれることで、実現可能性がぐっと高まるのを実感しました。
私はもともと素人でこの業界に入ったこともあって、現状維持ではなく、より発展するためにはどうすべきかと常に考えていましたから、この発想法には、抵抗はまったくなく、むしろ自然なものでした。
● ZUU コンサルより
新垣社長は、元々、自己効力感の高い方ではありましたが、鬼速によって課題感が明確になるとともに、リミッター外しによって、改めてご自身のGoalを捉え直し、自社のケイパビリティを整理することで、新垣社長自身の中で、自己効力感のみならず組織効力感が生じてきて、積極的な成長に向けて行動まで落とし込まれたものだと思います。まさに、鬼速で成長される典型で、ご支援できたことを大変うれしく思っております。
社長の中で「このとき大きく変わった」と感じたタイミングはどこでしたか?
新垣社長それは明確で、2023年10月ごろです。ちょうど開設予定が決まっていたもう一施設が、しっかり埋まって軌道に乗り始めたころで、劇的に変わりました。ちょうどそのターニングポイントともいえる期間に、訪問看護のM&Aを1社行いました。
まさに思考の整理や「リミッター外し」の取り組みがあったからこそ、複数の案件を動かせたのだと思います。ZUUのコンサルティングが、私の経営判断のスピードと精度を高めてくれたと実感しています。
● ZUU コンサルより
ご自身の構想が現実となり、自己効力感・組織効力感が高まったことから、訪問看護のM&Aという鬼速PDCAの「改善ではなく」「革新」に該当する施策を打たれるに至ったものだと理解しています。
導入効果2
2027年の目標が達成できそうな勢い いい案件にすぐに対応できる準備はしてきた
直近では、既に2027年の目標にも迫る勢いで大きく成長されているそうですが、成長角度が上がっている理由は何だと分析されますか?
新垣社長運もあるとは思いますが、良いM&A案件に恵まれたことが大きいです。ただ、そうした案件にもすぐに対応できるよう、常に準備してきました。
ZUUのコンサルティングで培った計画性や思考整理のスキルが、こうしたチャンスを確実につかむ土台となりました。準備と運が相まって、目標達成に近づいていると感じています。
● ZUU コンサルより
因数分解することによって、経営のオプションが増えて、好機を生かせるようになった典型だと思います。
トップが大きく前進しようとする際に、従業員が抵抗感を覚えるケースもあるかと思いますが、管理職層や一般社員の方々はいかがでしたか?
新垣社長そういうものですので、問題はありません。最終的に決めるのは、現場に近い中間管理職のメンバーに任せるようにしています。変革のためには、現場をよく知る彼らが決めることが重要だと考えています。彼らが主体的に関わることで、納得感を持って変化を受け入れてくれるようになります。
そのマインドを変えるのが一番難しい課題だと感じますが……。
新垣社長そこで、定期的に課題を出してもらい、「それを解決するにはどうするか」を毎週問いかけました。
そこでは、経営陣は答えを出さないようにしています。彼らが自ら考え、答えを導き出すプロセスを重視しています。
心の奥底では「どうせ誘導だろう」と思われているかもしれませんが、皆で決めたという形を作ることが大事です。その積み重ねが、少しずつではありますが、組織全体の自主性を育んでいると思います。
● ZUU コンサルより
いくら社長が構想を描いてもそれを社員の皆様に浸透させないと実行力は上がりません。社長の構想と幹部・社員の意識のギャップを埋めるには、幹部・社員の考えと社長の構想を対話を重ねてギャップを埋めていくことが必須になります。この我慢強く対話をされて、ギャップを埋めに行く社長のスタンスが組織強化につながっていると思います。
今後の展望
今後10年で30億円企業へ 鬼速のサービスは星4つ
現在の目標は?
新垣社長昨期の売上が5億円、今期は8億円程度なのですが、今後10年で売上30億円まで持っていきたいと考えています。それが達成できれば引退したいです。この目標は、単なる夢物語ではなく、ZUUのコンサルティングで得た具体的な計画性と実行力にもとづいています。
この3年間で、その目標に近づいている実感はありますか?
新垣社長あります。特に昨年くらいから良いM&A案件が来ています。競合も増えているので何とも言えませんが、着実に成長できているという実感はしています。ZUUのコンサルティングで得た知見が、M&Aの判断基準や統合プロセスにおいて非常に役立っています。
ZUUのコンサルティングを振り返って、点数をつけるとしたらいかがですか?
新垣社長私の中では星4つですね。私自身は思考をスムーズに整理できるようになったので、とてもありがたく思っています。ZUUのコンサルティングは、単に知識を提供するだけでなく、それを実践に落とし込むための具体的なツールやフレームワークを提供してくれました。
コンサルタントの中には、金融業界での経験も豊富、知識が非常に広い方もいらっしゃるので、大変勉強になりました。常に的確なアドバイスをいただけて良かったです。チーム全体としても、私たちの課題に真摯に向き合い、伴走してくださる姿勢に感謝しています。
要望としては、私や幹部メンバー向けのみならず、当社のような介護・看護の現場で働くビジネスリテラシーが高くないメンバーにも効果的なプログラムを提供してほしいです。
このサービスを他の企業に勧めるとしたら、どのような会社が相性が良いと感じますか?
新垣社長社長自身が「思考を整理したい」と本気で考えているのであれば、絶対に勧めます。そして、伸びしろのある会社ですね。費用面も踏まえつつ、上昇志向の社長にはぜひ勧めたいです。ZUUのコンサルティングは、投資に見合うだけの価値を確実に提供してくれると確信しています。
ZUUコンサルより
業界・地域特性の面からブレークスルーのポイント見極めが難しかったが……
日南・新垣様とお会いした当時は、まだ規模も大きくなく、収益力も高いとは言えない状況で、どちらかというと堅実に経営されている印象でした。介護業界は人材の定着が難しいことや、地域柄もあって、経営的には難しい局面だった印象です。
最初のご支援の段階で、社長ご自身、積極的に因数分解に取り組まれ、鬼速の考えをすぐに実践に生かされようとしていたことが印象的でした。
「改善」PDCAによる既存事業の成長があり、「革新」を生むPDCAによって大きな成長を遂げられ、年々、成長スピードが上がり、その分、課題も変わっていっているように思います。
新垣社長への2回目のご支援では、更なる成長のためのビジネスモデルも整理できました。今は沖縄という限定したエリアでの展開ですが、このモデルを全国展開できるように今後もご支援をしていきたいと考えています。
社長からご要望いただいております現場社員の方々へのご支援にもご一緒に取り組み、更なる成長に貢献できればと思っています。