投資を始めるには、まず金融機関に証券口座が必要ですが、口座にも種類があり、どんな口座を開くかはとても重要です。間違えると、あとで大きな手間がかかったり、家族の手取り収入が減ったりすることがあり得ます。
初心者には「特定口座(源泉徴収あり)」がいいとされる理由
投資初心者の場合、証券口座を開くときには、「特定口座(源泉徴収あり)」を選ぶといいと言われます。なぜなら株式や投資信託などを売買して利益が出た場合は、原則として確定申告をしなければいけませんが、「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでおけばその手間が省けるからです。
さらに、「源泉徴収あり」の口座なら、金融機関が必要な税金を天引きして納めてくれます。
なお「特定口座(源泉徴収あり)」以外には、「一般口座」、「特定口座(源泉徴収なし)」もあります。実際、7割以上の投資家が「特定口座」を使っていて、そのうち9割以上が「源泉徴収あり」を選んでいます。
「一般口座」や「特定口座(源泉徴収なし)」のデメリット
「一般口座」や「特定口座(源泉徴収なし)」を選ぶと、証券売買で利益が出た場合、原則として自分で確定申告をする必要があります。
自分が他の家族の扶養控除や配偶者控除の対象となっている場合、確定申告をすることによって所得が多くなり、扶養の適用から外れる可能性もあります。
扶養から外れると、控除を受けていた家族が負担する税金が増える可場合があります。また、会社から出る家族手当を受け取れなくかもしれません。
結果として家族全体の手取り収入が減ることもあり得るので、注意が必要です。
自分で確定申告をしたい場合も……
自分で確定申告したい人は、「一般口座」や「特定口座(源泉徴収なし)」を選んでもいいでしょう。また給与所得以外の所得が20万円以下なら申告も不要なので、「特定口座(源泉徴収あり)」を選ばないという方法もアリです。
投資では同じ年の利益と損失を相殺する損益計算ができますが、これはなかなか複雑なので、自分で確定申告をしたい人でも、「一般口座」ではなく、損益の計算は金融機関がやってくれる「特定口座(源泉徴収なし)」を選ぶほうがいいでしょう。
文/編集・dメニューマネー編集部