個人投資家が今取るべき投資戦略、今の相場の見立てについて聴いてきたインタビューの最終回は、ピクテ投信投資顧問としてなぜBtoCに力を入れているのかについて。ピクテグループはプライベートバンクが本業だが、ピクテ投信投資顧問は富裕層だけを向いているのではない。その証拠に最近、個人投資家向けに頻繁にセミナーを開いている。その狙いとは。手ごたえはーー。(取材・濱田 優 ZUU online編集長/写真・森口新太郎)

「価格が下がると買うのを止める」「上がった時に売れない」投資家が多い

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(画像=森口新太郎, ZUU online)

――株式投資で銘柄を選んだり、経済の指標を見たりするのが好きな方ならともかく、そうでない投資家は銘柄を一つずつ選ぶのって難しいと思います。そういう場合、やはり投資信託がいいですよね。

そうですね。それで積み立てでずっと続けることですね。上がっても下がっても続けることです。

ただ多くの個人投資家の一番の問題は、下がると買うのを止めちゃうことです。

デュレーションが長い人が初めて投資するときにアドバイスするのは、「損するからね」って言うんですね。「損するものだから」と。そのうえで「ただし、損したらいっぱい貯められる、安く買える」と思ったほうがいいと。5年10年では難しくとも20年、30年たてば、一時的に下がったものでも上がっていくからと。

あと一方で、今度は上がってくると“売らない”んですよ。というか“売れない”。そういう個人投資家を何人も目の当たりにしています。

だから売るのはもう何回かに分けて、自動的に売るようにしたほうがいいですね。実際ベストタイミングで売るのは難しいです。買いより売りのほうが5倍難しい。だから淡々と売りにいく。テクニカル指標を見てトレードしている方は自分のルールで売れるんですが、多くの個人投資家は売れない。

もう売るって決めたら機械的に売る、買うと決めたら、機械的に買う。それを自動的に、機械的にできるから積み立て投資がいいんだと思いますね。

初めてのセミナーは参加者が3人だった

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