医療費控除の還付金を受け取るためには
前述のとおり翌年の1月1日~5年以内に確定申告を行う。確定申告で医療費控除の手続きをする流れをみてみよう。
1. 医療費控除申請に必要な書類を準備する
給与所得者の場合、医療費控除申請に必要な書類は、
・医療費控除の明細書(国税庁のWebサイトからダウンロードできる)
・確定申告書A(国税庁のWebサイトからダウンロードできる)
・源泉徴収票(勤務先でもらう)
・医療費の支払いを証明するレシートや領収書
・本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
の5つである。
2. 医療費控除の明細書と確定申告書Aに必要な項目を記入する
3. 所轄の税務署へ提出する
税務署への提出方法は、
・税務署へ持参する(窓口時間外でも玄関前にある「時間外収受箱」への投函により提出できる)
・税務署に郵送する
・e-Taxを利用する
の3つの方法がある。
医療費控除の還付金が思ったより少ないのは所得控除だから
医療費控除の還付金を計算してみたところ「思ったより少ない」と感じる人もいるはずだ。その理由は、医療費控除は「所得控除」だからである。控除の2つの方法である税額控除と所得控除の違いをみていこう。
控除は税額控除と所得控除の2種類
税金の控除には「税額控除」と「所得控除」の大きく分けて2つある。住宅ローン控除などは税額控除で、医療費控除は所得控除となる。所得控除は税額控除より減税される金額がどうしても小さくなってしまう。
税額控除とは?
税額控除とは、控除の金額を直接税金から差し引くものだ。控除の金額を例えば「5万円」としてみよう。税額控除なら、5万円が税金から差し引かれるので、その分丸々税金が安くなる。還付される場合なら、5万円が還付されることになる。
所得控除とは?
所得控除とは、税金を計算する前の所得の金額から、控除の金額を」差し引くものである。控除額分の所得金額が低くなるから、その分税金が安くはなるものの、税額控除に比べれば度合いは低い。
上で見た控除金額5万円の例について、所得控除で減税される金額をみてみよう。この場合の減税額は、所得が5万円少なくなった場合の税金の金額だ。したがって、所得控除の金額5万円に税率をかければ求められ、税率が20%なら「1万円」ということになる。
同じ控除でも、所得控除は税額控除と比較して、減税額がこれだけ少なくなるのである。このことが「医療費控除の還付金が思ったより少ない」と感じる理由だ。