(写真=HPより)

大阪に本社を置く小泉成器(KOIZUMI)は、ヴィダルサスーンやフィリップスなどの理美容製品やティファール、ネスレなどの家電製品の販売代理店として量販店やホームセンターなどに販路を持っている。その強い流通力を背景に、オリジナルのジェネリック家電を販売して注目されている。

KOIZUMIの強みとは

KOIZUMIの強みは家電量販店やホームセンターなどの販路に強いコネクションを持っていることだ。ブランド家電によって店頭の売り場を確保し、交渉力を高めて自社オリジナルのジェネリック家電も陳列。ブランド家電を求める消費者も低価格志向の消費者もターゲットにすることができている。目的買いで来店した消費者に的を絞った販売戦略をとっているのだ。

莫大な広告宣伝費をかけるナショナルブランドに対して、オリジナルのジェネリック家電はブランド力が弱いためネット通販などでは不利と考えられてきたが、最近はリコメンド機能などによって消費者の有力な選択肢となりつつある。

ジェネリック家電とは

「ジェネリック家電」は特許の切れた後発組の価格の安いジェネリック医薬品からヒントを得たネーミングだ。

以前から基本機能に絞ったシンプルかつ低価格の家電は存在したが、かつてのこのような製品は中国製や韓国製のノーブランド品がほとんどで品質に問題があることが多く、安かろう悪かろうのB級品と考えられていた。だが国内中規模家電メーカーが生産過程での品質管理からアフターサービスまでをきちんと行うことで、ネガティブな印象を払拭している。

最近は「ジェネリック家電」というひとつの新しいカテゴリーとして確立・認識されつつあり、これをさらに普及するために非営利の業界団体として一般社団法人ジェネリック家電推進委員会が設立されている。

なんといってもナショナルブランドの家電よりも低価格。これは基本機能に絞り込んでいるからだ。シンプルかつ低価格、その価格に見合った基本機能や付加機能(多機能ではないところがミソ)が売りなのだ。その機能性も、一般家電製品よりも高くすることで差別化を図ることが多い。またブランドではなく機能と価格で勝負するため、広告宣伝費などを最小限に抑えている。

ジェネリック家電のメーカーではKOIZUMIのほかにも、アイリスオーヤマ、船井電機、山善、ツインバード工業などが知られている。

こうしたメーカーは一般的に、機能設定や価格などの製品企画に特化し、生産を中国など海外の会社に製造委託することで製造コストを下げている。この商品企画では、大手メーカーのナショナルブランド製品をベンチマークにすればいいので、製品開発費や調査費を抑えることができる。

また大手に比べて広告宣伝費などのマーケティングコストを最小限に抑えている。メディアを使った広告宣伝に替えて、販売店の店頭でのコミュニケーションを充実させている。あえて一般家電メーカーの商品と並べることで、シンプルな機能で十分と考える消費者に低価格を提示して購入を促す作戦だ。

ニッチメーカーとしての自信

KOIZUMIが目指しているのは、「ニッチカテゴリーでNo.1になる」ことだという。成熟化した家電の世界では、メーカー間の機能の差はほとんどないといっていい。またブランドイメージの差も大きくは変わらない。

そのため、従来は大手家電メーカーにとってビジネスにならないニッチ市場(隙間)は成長を続け、ニッチ市場が「ニッチ」でなくなりつつある。このカテゴリーに対応できるのは大手家電メーカーではなくジェネリック家電に特化したメーカーであり、このカテゴリーの伸長に伴っていま以上に伸びる可能性は非常に高いだろう。(ZUU online 編集部)

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