(写真=PIXTA)

「子供には教育環境の良い学校に通ってほしい」――。子を持つ親なら誰しもがこのように考えるはずだ。学校を評価するポイントは学力や指導方法など様々あるが、学区の平均世帯年収も一考の価値がある。

不動産ビッグデータでビジネスを展開するスタイルアクトが公表している「神奈川版 年収の高い学区」の調査結果をもとに、神奈川県の学区別平均年収ランキングを紹介する。

この調査は国勢調査および住宅土地統計調査をもとに、同社が独自のロジックを使用・分析し作成したデータである。なお本調査においての「平均世帯年収」は、全世帯から単身者や夫婦のみと推定される世帯を除外して算出している。

今回の調査結果はあくまで「その区で一番世帯年収が高い学区」のみを公表している。したがって、1位の区にあるすべての小学校区が、2位以下の区のすべての学区よりも平均年収が高いということでは決してない点に注意していただきたい。

また平均年収の高い学区であるからといって、それが学校の実力・評価に必ずしも直接結びつくわけではないことにもご理解を頂きたい。それでは神奈川県の各政令指定都市平均世帯年収1位の小学校区一覧を下から順にランキング形式で見ていこう。

28位から11位 横浜市栄区が11位

28位 相模原市中央区 青葉小学校 (694万円)
27位 相模原市南区 もえぎ台小学校 (711万円)
26位 相模原市緑区 青根小学校 (756万円)
25位 横浜市瀬谷区 大門小学校 (757万円)
24位 川崎市川崎区 宮前小学校 (798万円)
23位 横浜市南区 藤の木小学校 (806万円)
22位 横浜市西区 平沼小学校 (826万円)
21位 横浜市保土ケ谷区 瀬戸ケ谷小学校 (827万円)
20位 川崎市多摩区 南菅小学校 (846万円)
19位 横浜市旭区 中尾小学校 (849万円)
18位 横浜市緑区 横浜市立 長津田第二小学校 (850万円)
17位 横浜市神奈川区 中丸小学校 (852万円)
16位 横浜市磯子区 浜小学校 (860万円)
15位 川崎市中原区 大戸小学校 (864万円)
14位 横浜市戸塚区 東戸塚小学校 (867万円)
13位 横浜市鶴見区 鶴見小学校 (868万円)
12位 川崎市幸区 東小倉小学校 (887万円)
11位 横浜市栄区 笠間小学校 (901万円)

28位から26位は2010年より政令指定都市となった相模原市の学区からランクインした。今もなお多くの自然が残る相模原市では緑区の青根小学校が26位の756万円となった。

青根小学校は2015年に相模原市の登録有形文化財にも指定された総ヒノキ造りの校舎が特徴的だったが、2016年4月に火災が発生し全焼してしまったことでもニュースとなったが、今回は相模原市内で平均世帯年収1位の小学校区としてランキング入りした。

25位から11位は横浜市・川崎市の学区で占められており、12位には日本トイザらス<7645>や三菱ふそうトラック・バスなどの本社もある川崎市幸区から東小倉小学校が、11位には精密機械工業の大規模工場が多く、芝浦メカトロニクス<6590>が本社を置いている横浜市栄区から笠間小学校が選ばれた。

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上位10区 1位・2位は1000万円超え

10位 横浜市金沢区 能見台南小学校 (917万円)
9位 川崎市高津区 久本小学校 (928万円)
8位 横浜市港南区 丸山台小学校 (935万円)
6位 横浜市都筑区 荏田東第一小学校 (955万円)
6位 横浜市港北区 大豆戸小学校 (955万円)
5位 横浜市中区 元街小学校 (956万円)
4位 川崎市麻生区 栗木台小学校 (958万円)
3位 横浜市泉区 緑園西小学校 (979万円)
2位 横浜市青葉区 荏田西小学校 (1034万円)
1位 川崎市宮前区 宮前平小学校 (1044万円)

神奈川県で最も年収の高い小学校区となったのは川崎市宮前区の宮前平小学校である。東京のベッドタウンとしての位置づけが大きい同区は、国家公務員宿舎や大手企業の社宅が多数ある。その数は学区内世帯の10%を占めており、(神奈川県平均は3%)、平均年収を押し上げていると考えられる。

2位には神奈川県内で最も世帯年収が高い横浜市青葉区から荏田西小学校が選ばれた。この学区は神奈川県一世帯年収が高い青葉区の中でもさらに持ち家率と住宅平均面積が区平均より更に10%以上高いなど世帯年収の高さが目立つ。

3位にはお嬢様学校としても有名なフェリス女学院大学がある横浜市泉区から緑園西小学校が選ばれた。緑園西小学校は周辺の人口が増えたことで1994年に新設された比較的新しい小学校である。

4位には川崎市麻生区から栗木台小学校が選ばれた。この学区は自然の多い環境でありながら、小田急多摩線・京王相模原線の駅が近くにあり、現在でも児童数が年々増加傾向である。

5位には横浜市中区から元街小学校が選ばれた。この学区は高級住宅地として名高い山手エリアや、中華街などの山下町も学区内に含む。石川町駅と元町・中華街駅を最寄り駅とする利便性の高さや眺望・住環境の良さもあって人気のエリアだ。

6位には新横浜駅が最寄り駅であり、横浜アリーナなどの大規模施設が存在する都会の機能と、緑の多さが両立している横浜市港北区の大豆戸小学校が選ばれた。

今回紹介したランキングを子供の教育環境の参考にする方もいるかもしれない。ただし神奈川県の場合は、学区選択制がほとんど採用されていないため、小学校の選択肢が少なく、住居の場所によって学校がほぼ決まってしまうことには注意が必要だ。(ZUU online 編集部)

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