モビリティ革命によって自動車産業は大きな変革を迫られています。モビリティ革命とは移動手段の可能性を広げるための変革のことで、自動車業界に大きな影響を与えると考えられます。

モビリティ革命「CASE」「MaaS」でなにが変わる

(画像= Tomasz Zajda/stock.adobe.com)

モビリティ革命によって従来の自動車を所有するという概念が変わることが考えられます。例えばカーシェアリングやライドシェアリングなどの普及により、車を「所有する」から「共有する」へと認識が変化していき、今後マイカーを購入する人は減少していくと予想されます。

自動車メーカーが生き残るためにも、モビリティ革命を生かしたビジネス展開が必要になっているのです。

モビリティ革命に関する実験も行われている

モビリティには移動可能性、移動能力、移動できることという意味があります。スマートにはかしこい、キビキビした、気の利いたといった意味があり、スマート・モビリティが教育機関・研究機関・民間企業の産官学連携で進められています。

例えば「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ推進協議会」では、横浜国立大学が中心となってモビリティに関する実験や取り組みを行っており、人口減少や高齢化社会、環境重視の社会でストレスなく、楽しく、安全に移動できる交通システムを作ろうとしています。

例えば横浜市内の一部地域では軽自動車を利用した乗合サービスの実験が行われ、1周約2.2kmの範囲でしたが、高齢者を中心に利用されました。また高齢化が進む郊外の住宅地において、小型電動カートによる乗合型移送サービスの実証実験も行いました。

今後も移動弱者を生まないためのシステムが整備されていくでしょう。

モビリティ革命の具体的な用語解説

ここでは、自動車業界のモビリティ革命に関する用語を2つ紹介します。

・CASE
CASEとは、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared&Services(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字をとった用語で、2016年にメルセデス・ベンツが発表したことで注目されました。CASEでは自動車での死亡事故減少や自動運転の導入促進、シェアリングなどを目指しています。

・MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)
MaaSとは、マイカー以外のいろいろな移動サービスが連携して、個人に最適な移動手段の検索、予約、決済を簡単にしたサービスのこと。オンライン配車サービスやカーシェアリングなども含まれます。

バスや鉄道といった公共交通機関の時刻や運賃がわかるアプリや、インターネット上で公共交通機関の切符が購入できるサービスも、MaaSを活用したサービスと言えます。

国土交通省がMaaSを推進していることから、今後さらにMaaSは浸透していくことでしょう。

モビリティ革命に関わっている自動車企業の動向

自動車業界のモビリティ革命に関わっている企業を紹介します。

トヨタモビリティサービス株式会社

トヨタ自動車が100%出資している会社で、カーリース事業や自動車に関する技術開発などを行っています。開発した技術の中には、スマホを見ながらの「ながらスマホ運転」を防ぐアプリや、車内に置いてあるスマホが自動車のカギの代わりになる「スマートキーボックス」などがあります。

タイムズモビリティネットワークス株式会社

レンタカー事業や駐車場の運営事業を行うパーク24株式会社が100%出資している会社です。カードをタッチするだけでレンタカーの貸出、返却ができるサービスに加え、カーシェアリング事業の「タイムズカープラス」も展開しています。

DiDiモビリティジャパン株式会社

ソフトバンク株式会社とDidi Chuxing(ディディチューシン)が50%ずつ出資して設立された企業で、タクシーが呼べるアプリ「DiDi(ディディ)」を提供しています。

DiDiではGPS機能を活用して、現在地からもっとも近いタクシーを呼ぶことができます。支払い方法は車内決済とアプリ決済の2種類があり、アプリ決済では、DiDiにクレジットカード情報を登録し降車前に決済できます。

東京と大阪エリアではすでにサービスが開始されています。

モビリティ革命は今後も進むことが予想される

モビリティ革命によって今後は移動手段の選択肢が広がり、マイカー以外の移動手段が便利で活用しやすい世の中になっていくことでしょう。

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