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(写真=Thinkstock/Getty Images)

あなたは、1年でいくらの住民税を納めているか、正確な金額を把握しているだろうか。日本人は、税への意識が薄いとよく言われる。税金の使われ方は気にするものの、いくらの税金を支払っているか、把握している人は少ないのである。

今回は、今更聞けない住民税の基本を市民税との違いを含め説明していく。


住民税とは

住民税は、都道府県や市区町村が行う住民に対する行政サービスに、必要な経費を分担して支払う税金のことである。住民税には「個人住民税」と「法人住民税」があるが、企業に勤めるサラリーマンの場合には個人住民税(以下、住民税)が徴収されることになる。

住民税は、その年の1月1日現在での居住地に納税され、道府県民税と市町村民税の2つを併せたものを言う。1月2日に転居した場合でも、1月1日に居住していた(住民票住所地)市町村に納税することになるのだ。もちろんその場合は、新しい居住地からは課税されない。

住民税には、前年の1月から12月までの所得に応じて税額が決まる「所得割」と、定められた額で一律に課される「均等割」がある。それら2つを併せたものが住民税と呼ばれるのだ。

サラリーマンの場合は、企業がその時の6月から翌年5月までの12回に分け、給与から天引きされることになる。天引きされた税額を企業は取りまとめ、納付しているのだ。これを「特別徴収」と呼ぶ。

自営業等の方は、確定申告をすることで税額が決定される。確定申告により決定された税額を、一括(6月末まで)もしくは四半期ごとに届く納付書によって4回に分けて納めることとなる。これを普通徴収という。

住民税と市民税の関係

住民税は道府県民税と市町村民税からなっており、住民税はそれら二つを併せた名称である。つまり、市民税(市町村民税)も住民税の一つということだ。私たちが、納税する際には「住民税」として納めるため、その内訳までを気にする方は少ないかもしれない。しかし、その中には道府県民税、市町村民税のどちらもが含まれているのだ。

住民税の税率は、所得割が10%だ。その中で、市町村民税は6%、道府県民税は4%の割合になっている。均等割額は5000円で一律である。(2017年5月時点)ただし、その割合については各自治体により異なる場合がある。

先ほどから、道府県民税と市町村民税という言葉を使っているが、東京都に住んでいる方ももちろん、住民税を払うことになる。しかし、税法上の取り扱いが若干異なっているため、それぞれ「都民税」「特別区民税」という名称になる。

ここまでの話を簡単に式で表すと、以下のようになる。

【東京都に在住】

住民税=都民税+特別区民税(23区)もしくは市町村民税(23区以外)

【東京都以外に在住】

住民税=道府県民税+市町村民税

計算方法

では、実際に住民税を計算してみよう。ここでは、東京23区在住の前年度収入500万円、専業主婦と子どもが一人、という場合で見てみよう。

まず、前年の「給与所得」を知る必要がある。給与所得とは、「給与所得控除」を差し引いた金額である。源泉徴収票を見れば、「所得控除後の金額」は記載されているので確認してほしい。給与所得に応じて、控除額は異なっている。

500万円の収入の場合、「360万超、660万円以下」という分類に該当するため、「収入金額×20%+54万円」という計算になり、「154万円」が所得控除金額となり「346万円」が所得控除後の金額ということになる。

計算によって算出された「346万円」から、さらに各種控除を引いていく。すべての納税者は基礎控除として33万円が引かれるので「313万円」となり、さらに配偶者控除、扶養控除がそれぞれ33万円引かれ、「247万円」となった。

社会保険料として支払いを行っている場合には、その全額が控除される。ここでは50万円を引くこととする。生命保険に加入している場合には、支払った保険料に応じてさらに控除が適用されるが、今回は割愛する。

各種控除金額を差し引いた金額は「197万円」となった。この金額が200万円以下の場合と、200万円を超えた場合とで、「調整控除」と言われる項目の計算が微妙に異なることになる。ここでは197万円なので、200万円以下の場合で話を進める。

200万円以下の場合には、所得税の人的控除の差(ここでは基礎控除5万円+配偶者控除3万円、扶養控除3万円となる)の合計が11万円になる。この金額を課税対象額「197万円」と比較し、小さい方の金額に5%をかける。ここでは11万円に5%をかけ、5500円となるので、所得割額が197万円に10%をかけた19万7000円であることから、「19万7000円−5500円=19万1500円」となる。

最後に、均等割額5000円(1500円+3500円)を足して、19万6500円が住民税の合計額となる。

ちなみに、住民税の内訳は、都民税7万8100円(所得割額7万6600円+均等割額1500円)、特別区民税11万8400円(所得割額11万4900円+均等割額3500円)となる。(※平成26年度から平成35年度まで地方自治体の防災対策に充てるため均等割額は都民税・特別区民税それぞれ500円が加算されている)

課税証明を見てみよう

もちろん、ここで紹介した複雑な計算をしなくとも課税証明書を見れば、それぞれの税額は表記されている。まずは、自身がいくらの税金を払っており、それがどのように使われているのかについての理解を深めていただきたい。税額を把握することが、節税の第一歩にもなるだろう。

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