本記事は、多保 学氏の著書『1億円かけて学んだ成功する人がやっていること』(日本実業出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。

1億円かけて学んだ成功する人がやっていること
(画像=taka/stock.adobe.com.jpeg)

お金がなくても寄付をする

アメリカの大学院に留学していた頃、驚いたことがあります。それは、アメリカでは寄付をする人がとても多かったことです。路上にホームレスがいると、かなりの数の人が寄付をしていました。中には100ドル札を平気で渡す人もいました。宗教が異なるせいもあると思いますが、日本ではあまり考えられないことです。
アメリカの人々は、奉仕の意識が強いように思います。奉仕することが、巡り巡って自分に返ってくるという考え方があり、子供の頃から寄付をする習慣が定着しています。

知り合いの成功者を見ても、寄付活動をしている方が複数名います。
ビル・ゲイツ氏や松下幸之助氏など、多くの著名人も財団をつくって社会にお金を還元しています。こうした成功者の中には、まだお金を持っていなかった若い頃から、ボランティア活動や寄付行為をしていた人が多いようです。ボランティア活動や寄付行為を通じて、「世の中のためになることをする」感覚を養っていたのではないかと思います。
つまり、成功者には、ボランティア精神や寄付精神をもともと持っている人が多いということです。そういう人たちには、「社会に何か価値のあることを還元することによって、自分のところへ戻ってくる」という感覚があるのかもしれません。

「お金持ちになったら寄付をします」という人がいます。しかし、そういう人は恐らくお金持ちになっても寄付はしないでしょう。そういう人は、いつから自分がお金持ちになったのかわかりません。もし成功したいのなら、お金のない頃から少しでも寄付をして、世の中の役に立つ習慣を身につけておくことが大切だと思います。
まだ寄付をしたことがないという人は、10円でも100円でもいいので寄付を始めてみてはどうでしょうか。大事なのは、金額の大きさではなく、寄付をして誰かの役に立とうとする気持ちです。その気持ちを養っていくことが、社会的に成功するために欠かせない要素ではないかと思います。

国の優遇制度は最大限利用する

2025年の現在、「新NISA(ニーサ)」と「iDeCo(イデコ)」、この2つの国の節税制度を有効活用できれば、老後資金が不足する問題、いわゆる「老後2,000万円問題」はクリアできます。
NISAは「少額投資非課税制度」です。株式や投資信託などの金融商品に投資すると、通常はその売却益や配当に対して約20%の税金がかかりますが、NISA口座で運用すれば、投資から得られた利益が非課税になる制度です。

2024年1月から始まった新NISAは、非課税投資枠が最大1,800万円、非課税保有期間が無期限と大きく拡充されました。売却した場合は、翌年にその分の非課税枠が復活します。この非課税枠は個人ごとなので、夫婦それぞれが活用すれば最大3,600万円まで非課税で運用できます。
年間投資上限金額は「つみたて投資枠」120万円と「成長投資枠」240万円、合計360万円あります。
資金力があれば、最短5年で1,800万円に到達します。早めに多くの運用枠を埋めるほど、長期運用による複利効果で大きなリターンが期待できます。

『家庭の金銭学』(リック・イーデルマン、金融財政事情研究会)という本に、弟のジャックと姉のジルの投資の話が登場します。
ジャックは18歳から26歳まで毎年50万円ずつ積立投資を続け、その後は放置しました。
投資総額は400万円です。一方のジルは、26歳から65歳まで40年にわたって毎年50万円ずつ積立投資を続けました。投資総額は2,000万円です。
2人とも投資商品は同じで、年利10%です。65歳の時点で、ジャックの総資産は2億5,878万円、ジルの総資産は2億2,129万円です。ジャックはジルよりも8年早く投資を始めたことで、ジルの5分の1の投資金額でジルを3,000万円も上回る総資産を築きました。いかに早く投資を始めて長期運用することが大切かがわかります。

もう1つのiDeCo(イデコ)は、自分で掛金を運用し、老後資金をつくる年金制度(個人型確定拠出年金)です。税制上のメリットは、①所得税・住民税が軽減できる、②運用益が非課税、③受取時に控除が適用される、の3つです。税金は富裕層にとって最も大きな支出です。それだけに、節税できるiDeCoを活用することは大きなメリットになります。
一方、iDeCoのデメリットとしては、年金制度のため、原則として60歳になるまでは資産を引き出すことができません。

その他、元本割れのリスク、手数料の発生、受取時の課税などがあります。それでも、年収が高かったり資金のある人にはおすすめの制度です。
この2つの制度は、国が用意してくれたボーナスだと思います。富裕層も含めて、誰にとってもメリットのある制度なので、活用しない手はありません。

燃えないものに投資する

世の中の成功者には、膨大な資産を守るための原則のようなものがあります。その1つが「火をつけても燃えないものに投資する」です。これは、戦争や大規模な自然災害などの有事が起きたとしても資産価値がなくならないものに投資をする、ということです。

「火をつけても燃えないもの」それは、土地と金(ゴールド)などの現物です。
土地を購入する際は、将来の地価の値上がりを予想しますが、これは簡単なことではありません。
土地に投資する時、彼らが必ず確認するのは、その土地が安全かどうかです。ハザードマップを確認するだけでなく、必ず古地図を取り寄せて危険な場所と安全な場所を確認します。例えば、200〜300年前に海だったような土地は買いません。昔から栄えていた地域や、災害時に被害が小さかった土地などは価値があります。こうして安全性を確認して、暴落する可能性の低い土地を選びます。

また、不動産投資で中古アパートの購入を考えた場合、土地の値段が元本割れを起こさない物件を購入するのが鉄則です。地方高利回りなどの物件は購入しません。なぜなら地方だと、土地の価値が将来的に下がる可能性があるからです。
不動産投資は一般的にインフレに強く、ミドルリスクミドルリターンと言われています。

2025年1月現在は円安が続いており、資材価格の高騰や現場の人件費増加もあり、相場は高騰しています。投資としては判断が難しい時期になっていると感じています。
もう1つの現物である金は、延べ棒(インゴット)として金庫に保管するだけでなく、指輪、ネックレス、時計などの装飾品として保有されることも多いです。金は通貨の裏づけとなるものであり、世界中どこへ行っても換金することができます。もし日本円が紙切れになるようなことがあっても、金の延べ棒があればドルに換えられます。換金性と持ち歩けるという意味では、金には土地とは異なる価値があります。
また、金はインフレになっても価値が下がらない商品とされているので、富裕層はインフレ対策として金を保有していることが多いです。

1億円かけて学んだ成功する人がやっていること
多保 学(たぼ・まなぶ)
歯科医師・経営コンサルタント・日本歯科大学附属病院 総合診療科 臨床准教授。日本歯科大学卒業後に米国ロマリンダ大学に留学。2015年、さいたま市に「たぼ歯科医院」を開業。開業後、全力で患者と向き合う中で経営の難しさに直面。そこで、周りにいる成功者の思考法を取り入れ、考え方や行動の習慣を徹底的に学ぶ。

医療技術だけでなく、成功者の思考法を積み重ね行動した結果、医院は年商12億を達成。現在は複数の株式会社を経営し、人々の健康を守る使命のもと、予防歯科の重要性を広める活動や、コンサルティング業を通して経営に悩む歯科医師の支援に尽力している。著書は『0歳から100歳までのこれからの「歯の教科書」』(イースト・プレス)、他に専門書の共著書は20冊以上。

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