本記事は、宮脇 さき氏の著書『世界の新富裕層はなぜ「オルカン・S&P500」を買わないのか』(KADOKAWA)の中から一部を抜粋・編集しています。

株式市場データディスプレイを背景にしたビジネスウーマンのシルエット
(画像=イラワン / stock.adobe.com)

元手ゼロからの成功を目指す新時代の戦略

私は今、個人投資家として活動しながら富裕層向けの資産運用コミュニティを運営していますが、世界中の富裕層を研究する中で富裕層たちの姿が変わりつつあるのを感じます。今増えているのは、若いうちにしっかりお金を増やし、自分の生き方そのものを自分でデザインしていくという「新富裕層」です。

この新しい富裕層の特徴は、何より「資産の築き方」がこれまでの富裕層とは全然違うということ。従来にはなかった職業や、インターネットやSNSを活用したビジネスモデルで、短期間で爆発的に収入を増やす人々が増えているのです。

こうした人たちは、いわゆる「代々のお金持ち」ではありません。自身の努力で、一代で資産を築き上げてきた成功者たちです。

また、大企業の役員として資産を貯めてきたタイプとも異なります。

私自身、ドバイや東南アジアでまさにこういうタイプの富裕層と交流しながら、その価値観や戦略、ライフスタイルを学んだ結果、新しい時代の生き方が見えてきました。

例えば、最初はパソコン1台で始められるスモールビジネスからスタートした人もいれば、個人(フリーランス)からビジネスを拡大していった人も少なくありません。

大きな初期投資を必要とせず、身軽にスタートして、徐々に事業を拡大していき、最終的には金融や投資の領域に軸足を移していく。

また「飲食店や小売業のように、自分が常に現場に張りついていなければならないビジネスはしない」というのも、新しい富裕層に共通する考え方の一つと言えるでしょう。

そしてもう1つの特徴は、決断が驚くほど早く、フットワークが非常に軽いということ。必要と判断すれば国境を越え、税制やビジネスチャンス、生活の質などを総合的に判断し、住まいも働き方も柔軟に変えていく。まさにグローバル感覚を持った次世代の富裕層の姿です。

そんな新しい富裕層たちの共通点と、彼らが実践する資産形成スタイルについて、私の実体験も交えながらお伝えしていきます。

資金ゼロから純資産4億を築くまでの道のり

そもそも、なぜ私が早い段階で投資や資産形成に強い関心を持つようになったのか?

私の背景について、少しだけお話しさせてください。

生まれ育ったのは宮崎県で、三姉妹の真ん中としてごく一般的な家庭で育ち、公立の小中高校に進みました。

YouTubeで情報発信をしていると、「どうしてそんなに若くして投資に詳しいのですか?」「裕福な家庭の出身ですか?」などと聞かれることもありますが、特別な背景があったわけではなく、本当にゼロから模索しながら一歩ずつ経験を積んできた結果にすぎません。

最初の転機は小学校時代でした。もともと本を読む方でしたが、11歳の時に学校で「多読者賞」を受賞したことをきっかけに、ますます本を読むようになったのです。

特に地元の図書館で堀江貴文さんや本田健さん、斎藤一人さんなどの自己啓発本や成功者の考え方に触れるようになりました。周囲から見れば、少し変わった小学生だったかもしれません。

またこの頃、地元新聞の投書欄にも頻繁に投稿しており、採用されると図書カードをもらえるという理由から、バイト感覚で文章を書いていました。

振り返れば、この時期に培われた文章を書く力や、情報を要約する力、そして社会に意見を届けるという経験が、今の情報発信にもつながっているのだと思います。

次の大きな転機は、高校2年生の時でした。

堀江貴文さんが宮崎で講演をされることを知り、最前列で話を聞いたのです。その中で一番印象に残ったのが、「東京に出て、広い世界を見た方がいい」という言葉でした。この言葉が胸に刺さり、もっと広い世界を見たいと強く思うようになります。

当時、公立進学校に通っていた私は、両親から「お金のかからない国立大学に合格したら、東京に行ってもいい」という約束を取りつけました。ただ、当時の成績では東京の国立大学は難しいことがわかっていたので、目標を立てて猛勉強を始めました。

当時は、経済的な事情で進学先が限られることにショックを受けましたが、今となってみれば、何でも叶えられる環境にいたら気づけないこともありましたし、努力する意欲やハングリー精神も自然と育まれたと思います。

受験期は図書館にこもって、1日10時間以上勉強しました。そして空いた時間には、メンタルを鍛えるために自己啓発本などを読むようにしていました。

当時の私は女性の貧困や社会格差について学びたいと思っていたので、その分野の教授がいるお茶の水女子大学の生活科学部を第一志望として受験し、無事に合格することができました。

そして大学入学後、初めて経験したアルバイトはインターネットの業務委託サービス「クラウドワークス」に登録して文章を書く仕事です。この頃の私は、築50年以上の古い学生寮に住みながら、毎日満員電車で通学していました。

友人の中には、親から仕送りがありいいマンションに住んでいる人も多く、「住む場所でこんなに心の余裕が変わるんだ」と実感しました。

こうした経験が、後の不動産投資やより良い生活環境への渇望につながっていったのです。

世界の新富裕層はなぜ「オルカン・S&P500」を買わないのか
宮脇 さき(みやわき・さき)
1997年宮崎県生まれ。2020年お茶の水女子大学卒業。個人投資家・富裕層向け海外移住コンサルタント。アラブ首長国連邦ドバイ在住。
ジョージア、トルコ、UAEなど複数の不動産に投資しながら、現代アートやアンティークコインなどの現物資産も保有。
現在は、個人投資家として資産運用をしつつ富裕層、経営者、投資家への資産コンサルティングの他、海外移住アドバイザーとしても活動。
YouTubeチャンネル「さきの海外不動産しか勝たん」を運営。『週刊現代』『現代ビジネス』『日刊SPA!』など雑誌・Webメディアで掲載多数。


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