本記事は、野呂 エイシロウ氏の著書『「話がつまらない」をなくす技術』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。
- 話のおもしろい人は、相手を主語にする
- 話のつまらない人は、自分を主語にする
「話のおもしろい人」は、モテる異性の条件として1番に挙げられます。長きにわたって世間でそう思われている人の代表格は、明石家さんまさんでしょう。
僕はこれまで特番などで何度かお仕事をご一緒させていただき、しゃべりの天才とはまさにこの人のことだなあ、と実感してきました。
しかし、さんまさんの「おもしろさの法則」については、多くの人があまりわかっていません。分析してみると意外なことに気づきます。
さんまさんは、実は自分の話をガンガンするタイプではありません。むしろ相手の話を聞いて、オーバーなくらいのリアクションを取ります。大げさにソファや床にゴロンとなって文字通り笑い転げている。それが見ている人に「おもしろい人」と感じさせてしまうのです。
『さんまのまんま』のような対談でも、『踊る!さんま御殿‼』のようなひな壇の芸人たちを仕切る場合でも、基本的には変わりません。さんまさんは、3つのステップで話を引き出していきます。
ステップ1
相手の見かけや着ているもの、最近の話題やちょっとした発言などをきっかけに「どうなん?」とアバウトに振って相手の話を聞き出す。
ステップ2
その内容を肯定しながらオーバー目のリアクションをとって大笑いして、相手を気持ちよくさせる。
ステップ3
気持ちよくなった相手が調子に乗って新たに繰り出した話題から、おもしろそうなネタを見つけてさらに話題を広げていく。
さんまさんは、相手が素人でも、瞬間におもしろい番組に仕立てることができます。しかし、それは相手がおもしろいからではありません。さんまさんのリアクションがおもしろいからこそ、その場をおもしろくすることができ、相手は「自分の話はウケた!」と喜ぶことすらできてしまうのです。
明石家さんまに学ぶ「主語」の使い方
この手法は、ヒントに満ちています。多くの人は会話になると、自分の話を聞いてもらうことに必死になる反面、相手の話を聞くことへの配慮が不足します。自分が言いたいことを話そうとするあまり、気づかないうちに相手が振っている話を聞いていない。つまり「どスルー」してしまうのです。
ですから、会話を始めるときは、いきなり自分が主語の話をするのをやめてみてください。「実はこの間○○に行ったら××で……」という導入を後回しにし、
「久しぶりじゃない。最近どうなの?」
「あ、今日はちょっと眠そうだね」
「早くも夏を先取りしてますね〜」
など、相手を主語にした質問を振ります。そして、返ってきた答えをオーバー目に反応しながら、広げられれば質問を続け、話が続かないようなら別のネタを振ります。そのうち相手が本当におもしろいことをしゃべってくれればしめたものです。倒れそうなくらいの勢いで爆笑してあげれば、相手は必ず喜びます。
相手の話に大きなリアクションで返してあげると、あら不思議! 相手にとっては、あなたこそが「おもしろい人」になるわけです。
ワシづかみポイント
相手の主語で質問を振ろう
オーバーリアクションで反応すれば相手も大喜びする
学生時代に「現役の学生」を武器に電機メーカー、広告代理店との会議に参加。学生向け家電企画の立案、宣伝、PRに携わる。その後、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家デビュー。『ザ!鉄腕!DASH!!』『奇跡体験!アンビリバボー』『ズームイン!!SUPER』などに携わり、テレビ局独特の“笑い”にあふれた会議で、話し方や雑談力、提案力を鍛えられる。放送作家としての「番組をおもしろくするネタづくりのノウハウ」をいかし、30歳の時から“戦略的PRコンサルタント"としての仕事をスタート。
企業の商品やサービスを一般の人に「おもしろそう!」「欲しい!」と思ってもらうような独自の戦略立案を行っている。
クライアントには、「SoftBank」「ライフネット生命」「GROUPON」「Expedia」「ギルト・グループ」「hulu」「Folli Follie」「ビズリーチ」「ルクサ」をはじめ、金融機関、自動車会社、アパレルブランド、飲食店など、国内外の企業250社以上があり、“かげの仕掛人”として活躍している。笑える講演も人気を呼んでいるが、引き受けるのは月に1度まで。
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