本記事は、野呂 エイシロウ氏の著書『「話がつまらない」をなくす技術』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。

「話がつまらない」をなくす技術
(画像=SFIO_CRACHO/stock.adobe.com)

話のおもしろい人は、相手を「共犯者」に仕立てる
話のつまらない人は、自分ひとりで罪を犯す

僕は、どんな会話も基本的には「共犯関係」を生むために行います。
おもしろいアイデアを思いついても、自分だけの力では実現できません。そういうときは、話すという行動をステップにして、必要な戦力を持つ相手を巻き込んでいこうと考えるのです。
一緒にやろう、力を貸してほしい、手伝ってもらえないかといった説得は、「相手を巻き込む」共犯関係をつくる上で有効なアプローチです
これは、謝るときや口説くときでも同じ。謝る側と謝られる側、口説く側と口説かれる側も、お互いに共犯関係を築ければ、必ずうまく進んでいきます。

共犯関係になるための2つのポイント

では、どうすれば相手と共犯関係になれるのか。それには、次の2つのポイントが重要です。まず、「情報」をつねに共有しておくこと。自分だけが暴走することなく、その都度メールで進捗状況の確認をしておくのです。担当者だけではなく、その上司までCCで情報共有しておくと安心です。
ビジネスの現場において、一番大切なのは、情報です。それを共有すればするほど利害が一致していきます
そして、もうひとつ大切なのが「相手のメリット」を明確にすること。会話の相手は、通常あなたとは立場が異なります。力を貸してほしい人であれば、あなたよりも力のある人、謝罪ならお客様、口説くのであれば異性、という具合です。
立場の異なる人には、どんな利害が存在しているのか、どこがツボなのか、相手の興味の対象が何かを考えて話を進めていきます。最も大切なことは、自分に協力すると相手にどんなメリットがあるのかを探し出すこと。これさえ見つかれば、共犯関係を結びやすくなります。この作業抜きにただ淡々と説明をしても、それは上意下達、一方的な命令と何ら違いはありません。

正社員が自分ひとりの販売店を例に考えてみましょう。肩書きは店長ですが、アルバイトの店員はみな年上で経験が長い人ばかり。本社からは売上目標、コストカットなどを要求されていますが、彼らにどう伝えれば実現できるのかわかりません。
共犯関係という考え方は、このような局面でも有効です。僕なら、こういうときはまず、お互いの立場の違いをはっきり認識します
自分は一応終身雇用の正社員であって、本社からの辞令があればどこの店に行くかもわからない存在。給料を決めるのは本社であり、その元は個々の販売店の成績です。店員たちは学生や主婦、フリーター。問題がなければこの店で働き続ける気でいて、時給は店長の裁量次第です。
そして、店員たちの利害がどこにあるのかを見極めます。時給を上げてほしい、もう少しシフトに余裕がほしい、真面目に働く人とそうでない人の差をつけてほしい、など相手の利害を知って、初めて自分の利害と結びつけた話ができるようになります。
「来月さえ乗り切ってくれれば、時給を上げるよう本社に掛け合う」とか、「もう少し採用を増やしてもらおう。友達でいい人いないかな?」などの会話ができます。互いの利害を結び付けられれば、自分も相手も動きやすくなるのです。

ワシづかみポイント

利害が一致すれば「共犯関係」になれる!
まずは相手のニーズを探ろう

「話がつまらない」をなくす技術
野呂 エイシロウ(のろ・えいしろう)
1967年愛知県生まれ。愛知工業大学卒。放送作家・戦略的PRコンサルタント。
学生時代に「現役の学生」を武器に電機メーカー、広告代理店との会議に参加。学生向け家電企画の立案、宣伝、PRに携わる。その後、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家デビュー。『ザ!鉄腕!DASH!!』『奇跡体験!アンビリバボー』『ズームイン!!SUPER』などに携わり、テレビ局独特の“笑い”にあふれた会議で、話し方や雑談力、提案力を鍛えられる。放送作家としての「番組をおもしろくするネタづくりのノウハウ」をいかし、30歳の時から“戦略的PRコンサルタント"としての仕事をスタート。
企業の商品やサービスを一般の人に「おもしろそう!」「欲しい!」と思ってもらうような独自の戦略立案を行っている。
クライアントには、「SoftBank」「ライフネット生命」「GROUPON」「Expedia」「ギルト・グループ」「hulu」「Folli Follie」「ビズリーチ」「ルクサ」をはじめ、金融機関、自動車会社、アパレルブランド、飲食店など、国内外の企業250社以上があり、“かげの仕掛人”として活躍している。笑える講演も人気を呼んでいるが、引き受けるのは月に1度まで。

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