本記事は、野呂 エイシロウ氏の著書『「話がつまらない」をなくす技術』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。

「話がつまらない」をなくす技術
(画像=buritora/stock.adobe.com)

会話が続く人は、「ツッコミどころ」が満載
会話が続かない人は、スキがなくて真面目

アイテムによる「ひっかかり」と同様、いわゆる「ボケとツッコミ」も、相手の心を開かせる重要なテクニックです。
何もないところから心のハードルを下げ、場を明るくし、しまいには「あなたがいてくれて助かるよ」とさえ言われてしまう、上手なボケ方の基礎を公開しましょう。

「野呂くんっていくつだっけ?」
「最近ヤバくて、今朝測ったら95.5キロでしたよ。もうすぐ0.1トンです」
「体重じゃねーよ!」

そこから、話題は最新のダイエット法に広がっていきます。これは、「連想ゲーム」の手法を使っています。「いくつ」という言葉から何を連想するかは自由ですから、ここでは体重にボケたわけです。このシチュエーションでいきなり人の体重を聞いたり聞かれたりするわけがありませんから、相手にもボケだとわかります。

「で、野呂くんって何歳だったっけ?」
「えっと、まあ人間の歳で言えば57歳なんですけど」
「お前人間じゃないのかよ!」
「犬だと12歳くらいになるんですかね?」

何ともベタなボケですが、こういう会話がぐっと雰囲気を盛り上げます。相手が犬を飼っていると、犬の話題に発展するでしょう。やがてこうした会話でひとしきりボケ倒したあと、「やっぱり野呂くんとしゃべると元気が出るなあ」なんて喜んでくれる人も現れるようになるんです(実際、たくさんいるんですよ!)
ポイントは、なるべく遠い世界のものを連想すること。発想が飛んでいると、そのあとの話も広がります。慣れていないと失敗が怖いかもしれませんが、一歩踏み出してみれば難しいことはありません。

おもしろい人は、「つっこまれてなんぼ」と知っている

次は、「あり得ないこと」「無謀なこと」を使ったボケです。

「野呂くんって、夢は何なの?」
「僕ですか? いやーもし生まれ変わったらSixTONESに入りたいですね」
「踊るのかよ!」

もちろん、誰が見たって90キロを超えている僕がSixTONESで踊っている姿は想像できないでしょう。
だからこそ、間髪入れず、さも当たり前のような口調で「SixTONESに入りたい」と切り返すボケがおもしろくなります。
最後は、「変なもの」「流行りもの」にたとえるボケです。

「あの部長、いちいちトゲがあるよな。なかなかOK出さないし」
「まるで『ドSのあまちゃん』ですよね」
「よくわかんねえよ!」

「私、誰かに似てるって言われるんです。誰だと思います?」
「うーんそうだな、3時のヒロインのなかから選ぶとすると……」
「ちょっと待って! なんでそこから選ぶんですか!」

「いやあ野呂さん、今日のファッション決まってますねー」
「あはは、56番目の日向坂って言われますよ」
「1票も取れないでしょ!」

「野呂さん、今何時でしたっけ?」
「ああ、グリニッジ標準時だと午前6時45分ですよ」
「面倒くさいですよ!」

いんを踏んだり、ダジャレを取り入れたりしてみる。流行のタレントやグッズにたとえてみる。
たとえる世界をいきなり広げたり、いきなり狭めたりしてみる…… などなど、小ワザはいくらでもあります。
ただしマニアックすぎるものには走らず、みんなが知っている共通言語にとどめておくのが無難です。そうしないと、知らない人が白けてしまいます。災害や宗教、人種、戦争などにたとえるのもマナーとしてNGです。
的確にとらえなければならない必要はありません。堅苦しさをなくして会話がおもしろくなれば、あなたの勝ちです。
おもしろい人は、つっこまれてなんぼだと僕は思います。そんなのわかっているよ、というレベルまで下がることを恐れないこと
どこまで相手をおもしろがらせるためにボケられるか、それが話を盛り上げるポイントです。

ワシづかみポイント

「ボケ」が相手の心を開く
連想ゲームの要領でどんどんボケてみよう!

「話がつまらない」をなくす技術
野呂 エイシロウ(のろ・えいしろう)
1967年愛知県生まれ。愛知工業大学卒。放送作家・戦略的PRコンサルタント。
学生時代に「現役の学生」を武器に電機メーカー、広告代理店との会議に参加。学生向け家電企画の立案、宣伝、PRに携わる。その後、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家デビュー。『ザ!鉄腕!DASH!!』『奇跡体験!アンビリバボー』『ズームイン!!SUPER』などに携わり、テレビ局独特の“笑い”にあふれた会議で、話し方や雑談力、提案力を鍛えられる。放送作家としての「番組をおもしろくするネタづくりのノウハウ」をいかし、30歳の時から“戦略的PRコンサルタント"としての仕事をスタート。
企業の商品やサービスを一般の人に「おもしろそう!」「欲しい!」と思ってもらうような独自の戦略立案を行っている。
クライアントには、「SoftBank」「ライフネット生命」「GROUPON」「Expedia」「ギルト・グループ」「hulu」「Folli Follie」「ビズリーチ」「ルクサ」をはじめ、金融機関、自動車会社、アパレルブランド、飲食店など、国内外の企業250社以上があり、“かげの仕掛人”として活躍している。笑える講演も人気を呼んでいるが、引き受けるのは月に1度まで。

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