どうやってリターンを得るのか。暗号資産の運用方法

暗号資産は売買や運用によって収益を得ることができる。ここでは、暗号資産によりリターンを得る方法を解説する。

暗号資産の運用方法1:売買によって運用する

「暗号資産はなぜ大きく価格が変動するのか」の章でも触れたように、暗号資産の価格が変動しそうなニュースなど情報収集は欠かさず、値上がりしそうな銘柄を見極めて購入する。そして、購入時の価格を上回り利益が出るタイミングで売却するといった運用方法が、初心者にはわかりやすいだろう。

また、毎回一定額の暗号資産を購入する積立投資もできる。毎月や毎日など、決まったタイミングで同じ購入額を継続して買う「ドルコスト平均法」に基づく手法だ。「ドルコスト平均法」を用いれば、暗号資産の価格が低いときは多めに購入し、価格が高いときには少なく購入する平均購入単価が安定するため投機的なリスクを減らせる。さらに月3,000円~など少額から始められるメリットがある。

暗号資産の運用方法2:レバレッジをかけて運用する

レバレッジ取引は、自分の資金を担保(証拠金)として口座に預け、その何倍もの金額で取引できるのが特徴だ。また、レバレッジ取引は先物取引もできる。まだ所有していない暗号資産を先に売る「空売り注文」も可能だ。価格が下がったところで買い戻すことで、その差額が利益となる。

・レバレッジ取引にはロスカット、追加証拠金の制度もある
レバレッジ取引には、大きな利益が期待できる反面、損失の拡大が起こりうるデメリットもある。相場が下落すると「ロスカット」といって、これ以上の損失を防ぐ措置として損をしている状態で決済されてしまう。ロスカットの遅れで、証拠金として預けている資金がゼロになる可能性もあるので注意が必要だ。

ロスカットは、それぞれの取引所の基準とする証拠金維持率を下回ると発動する。また、ロスカットが起こる前に取引所から追加証拠金の請求があるので、追加証拠金を口座に入れることで取引が再開できる。

暗号資産の運用方法3:レンディングやステーキングによって収益を得る

暗号資産は、値上がり益や運用益だけでなく、貸し出しなどによっても収益を得ることが可能だ。レンディング、ステーキング、イールドファーミングと呼ばれる仕組みについて、見てみよう。

・レンディング
レンディングとは、自分の保有する暗号資産を貸し出しその利息を得る方法のことをいう。対応する暗号資産取引所を介して貸し借りを行う。暗号資産を貸し出すだけなので、取引で起こる損失のリスクもなく、利回りによって確実に資金を増やせることが魅力だ。貸出利率は1~5%程度と、取引所によって異なるので、確認したい。

ただし、暗号資産のレンディングは消費賃貸契約によるもので、他の暗号資産取引に関連した法律が適用されない。そのため取引所が破綻した場合、ユーザーが貸し出している仮想通貨は返還されない可能性があるという点は覚えておきたい。

・ステーキング
暗号資産を保有しているだけで利益が得られることを「ステーキング」という。暗号資産を構成するブロックチェーンのネットワークに参加することによって報酬を得る仕組みだ。指定の銘柄について、暗号資産取引所のステーキングサービスから利用できる。

保有する一定の数量以上の暗号資産を口座に預けておけば、定期的に報酬を得られる。年間利回りが約5.5%になる銘柄もあり、金融機関の普通預金の利息よりも好条件だ。一方、ステーキングしている間は、取引ができない場合もある。騰落の激しい暗号資産だけに、ステーキングの利用条件はよく確認をしておく必要がある。

・イールドファーミング
イールドファーミングは近年急成長のDeFiによる運用方法の1つで、レンディングの一種にあたる。暗号資産取引所を通して貸し借りをするのではなく、DeFiが持つレンディング環境で運用するため、ほぼダイレクトに個人間で貸し借りができるのが特徴だ。また、DeFiが発行するガバナンストークンも利息と一緒に獲得できることから、人気の運用法となっている。

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