一口に金投資といっても、いろいろな種類があります。前々から金投資が気になっているものの、どの種類を選んでいいかわからない……。そんな人向けに、金投資の中でも代表的な3種類のメリットとデメリットを解説します。ベストな選択のための参考としてください。

金投資には大きく2つのカテゴリがある

(画像= Nuthawut/stock.adobe.com)

「守りの資産」の代表といわれる金ですが、大きく2つのカテゴリにわかれます。1つめは現物の金を購入するもの。例えば、金貨、地金、金の宝飾品、金の仏具などがあります。2つめは金の相場と連動する金融商品に投資するもの。金ETF(上場投資信託)、先物商品、CFD(差金決済取引)などがあります。

ここでは一般の個人投資家に人気の「金貨」(現物)、「純金積立」(現物)、「金ETF」(金融商品)の特徴を見ていきましょう。

金貨:金を所有している実感を味わいたいなら

金貨は現物購入のため、「金を所有している実感」を味わえるのがメリットです。世界各国の造幣局や中央政府が金貨を発行しており、国ごとに異なるデザインが楽しめるのも人気の理由でしょう。

一般的な金貨のサイズは1オンス(約31.1グラム)~10分の1オンスの4種類があり、一番高い1オンス金貨だと十数万円~で購入可。購入先としては金属商が代表で、最近は楽天市場などのネット通販でも手軽に買えます。

金貨のデメリットは、紛失・盗難リスクがあること。また、量が多くなってくればセキュリティの高い保管場所も必要になります。これは現物の金商品である地金、宝飾品、仏具などにも共通するデメリットです。

純金積立:高値つかみリスクを回避したいなら

純金積立は、投資ビギナーや気軽に金投資をしたい人に注目されています。毎日あるいは毎月など、一定額の金をあらかじめ設定した額で自動積立していくことで、一度に大量購入するよりも高値つかみのリスクを回避することが期待できます。一般的に毎月の最低積立額は1,000~3,000円に設定されていることが多いようです。

金の積立投資をするときに覚えておきたいのは、「特定保管」と「消費寄託」の2種類があることです。特定保管は管理会社の資産と顧客の金を区別して管理する方式です。そのため管理する会社が倒産しても積み立てた金は顧客に返却されます。一方、「消費寄託」は顧客の資産を管理会社の運用資産に組み入れて保管する方式です。管理会社が倒産した場合に返却されないリスクもあるため、信頼できる会社を選ぶことが重要になります。

純金積立ができるのは、証券会社、金属商、先物商品を扱う会社などです。すでに証券会社で金融商品を購入している人、あるいはこれから証券会社を利用したい人は、証券会社を通じて純金積立をするという選択肢もあります。株式や投資信託の購入先と同じ証券会社を通じて純金積立をすることで、金融商品の管理の手間が省けます。

金ETF:株式投資に慣れているなら

金の相場と連動する上場投資信託が金ETFです。メリットは、上場投資信託なので証券口座があれば手軽に売買できる点です。ふだん株式投資に慣れている人なら扱いやすいといえます。

購入する前に覚えておきたいのは、金のETFには「金の裏付けがあるもの」と「裏付けがないもの」があることです。裏付けのないETFは信用破綻リスクもあるので注意しましょう。金の裏付けのあるETFの例としては「SPDRゴールド・シェア」「金の果実」などが知られています。「金の果実」の場合、1キロ単位から金地金と交換が可能です。

ここでご紹介したいずれかの選択をするにしても、まずは少額の購入からはじめてみるとよいでしょう。金の魅力を実感しながら少しずつ保有額を増やしていくのが賢明かもしれません。

文・本間 貴志,
ビジネス書に特化した編集会社のサラリーマン・ライターを経て、資産運用や税務の分野を専門とするライターとして活動。自身で賃貸物件の経営や、年間で億単位の株式売買も行っている

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