株式投資でデイトレードをする場合、株価が動きやすい時間帯を知っておくことが大切です。株価が大きく動けば、それだけ大きな利益を得られる可能性が高くなります。この記事では、株式市場の1日の流れなどを紹介しつつ、デイトレードで成果を出すための基礎知識やテクニックについて解説していきます。

目次

  1. 株式市場と立会時間
  2. 株価が動きやすい時間帯は?
  3. 夜間でも株式の取引はできる
  4. デイトレをするなら「9:00~9:30」が良いと言われる理由は?
  5. まとめ:デイトレをするのなら狙い目は「9:00~9:30」。夜間取引も選択肢に

株式市場と立会時間

(画像= joyfotoliakid/stock.adobe.com)

株式市場では、株式を取引できる時間帯が決まっています。その時間帯のことを「立会時間(たちあいじかん)」と呼びます。

午前の立会時間を「前場(ぜんば)」、午後の立会時間のことを「後場(ごば)」といいます。前場と後場の間には、休憩時間(1時間)があります。

国内の4つの証券取引所の立会時間は以下のとおりです。前場の時間はすべて同じですが、後場の時間は東京証券取引所だけ異なります。

▽東京証券取引所

  • 前場:9:00~11:30
  • 後場:12:30~15:00

▽名古屋証券取引所

  • 前場:9:00~11:30
  • 後場:12:30~15:30

▽札幌証券取引所

  • 前場:9:00~11:30
  • 後場:12:30~15:30

▽福岡証券取引所

  • 前場:9:00~11:30
  • 後場:12:30~15:30

土曜日や日曜日、国民の祝日、振替休日、年末年始は証券取引所の休業日であり、株式取引は行われません。

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株価が動きやすい時間帯は?

このように証券取引所ごとに立会時間が決まっていますが、株価が動きやすい時間帯はいつなのでしょうか。結論から言えば、9:00~9:30が最も株価が動きやすいといえます。

たとえば東京証券取引所の場合、30分刻みで区切ると以下のような傾向が見られます。もちろん日によって値動きは異なるため、あくまで傾向として捉えてください。★が多いほど値動きが激しいことを表しています。

▽前場

09:00~09:30:★★★★★
09:30~10:00:★★★★☆
10:00~10:30:★★☆☆☆
10:30~11:00:★★☆☆☆
11:00~11:30:★★★☆☆

▽後場

12:30~13:00:★★★☆☆
13:00~13:30:★★☆☆☆
13:30~14:00:★★☆☆☆
14:00~14:30:★★☆☆☆
14:30~15:00:★★★★☆

9:00~9:30:1日の中で最も値動きが激しい時間帯

前場の取引開始直後の9:00~9:30が最も株価が動きやすい、つまり値動きが荒くなる時間帯といえます。なぜなら、前日の取引終了後に報じられたニュースや企業が発表した決算情報、国が公表した経済指標などを材料に、さまざまな金融機関やファンド、そして個人投資家が一気に取引を行う時間帯だからです。

11:00~11:30/12:30~13:00:ある程度の値動きが起きやすい時間帯

前場が終了する前の11:00~11:30、そして後場が始まった直後の12:30~13:00も大きな値動きが起きやすくなる時間帯です。特に株式市場の休憩時間に企業から大きな発表などがあると、その企業の銘柄の値動きが激しくなる傾向があります。

14:30~15:00:取引終了直前の時間帯も値動きが荒くなる傾向

東京証券取引所の取引終了時間は15:00で、その直前も値動きが荒くなりがちです。その日の取引で利益を出すことができなかった投資家による損切りや、翌日以降の値動きを見越した売買注文が多く入る時間帯だからです。

海外市場の開場時間にも注目を

株式取引は、日本の証券取引所以外でも行われていることを忘れてはなりません。10:30頃に上海証券取引所や香港証券取引所といった中国市場が開場すれば、それに合わせて中国株を取引する機関投資家などが動き出し、海外の投資マネーが日本の証券取引所に流入し始めます。

取引時間が始まる前に注文すると有利に

株式の取引では、同じ銘柄を同じ価格で注文した場合、注文時間が早い注文が優先されます。これを「時間優先の原則」と呼びます。つまり「早いもの勝ち」なのです。

たとえばAさんが9:30にある銘柄を「1,000円で買う」という注文を出し、Bさんも9:35に同じ銘柄を「1,000円で買う」という注文を出した場合、Aさんの注文が優先され先に約定します。

この例は立会時間内の話ですが、同じ理由で立会時間の前に注文を入れておくことで取引を有利に進めることもできます。ちなみに東京証券取引所では、前場の前は8:00から、後場の前は12:05から注文を受け付けています。

この他、株式市場には「価格優先の原則」もあります。注文が同時だった場合、売り注文の場合は安い価格のほうが、買い注文の場合は高い価格のほうが優先されるというものです。

夜間でも株式の取引はできる

ここまでは証券取引所の立会時間内における取引を中心に解説しましたが、実は夜間でも株式を売買することができます。

証券取引所を経由することなく株式を売買できる私設取引システム「PTS」があり、特に日中デイトレードができない人にとっては大変便利な仕組みです。

証券取引所の立会時間が終わった後でも、日本企業による決算発表や商品発表が行われることがあります。また日本の夜間に、欧米で重要な経済指標が発表されたり、要人が重要な発言をしたりすることもあります。

そのため夜間においても相場が動く要素は多く、その値動きを狙って取引をすることで利益を上げることもできるのです。

夜間取引ができる商品には「日経225先物」や「海外先物」も

PTS取引の他、夜間に取引ができる商品には「日経225先物」や「海外先物」もあります。PTS取引と同様に、日中は取引ができない人に向いています。

先物取引とは、ある商品(原資産)を将来の決められた期日までに決められた価格で売買することを約束する取引のことです。先物取引には、少額の資金で大きな金額の取引ができるといったメリットがあります。

デイトレをするなら「9:00~9:30」が良いと言われる理由は?

ここまで、各証券取引所の立会時間や立会時間において値動きが大きい時間帯などについて説明してきました。

デイトレードは、値動きが大きい時間帯に行うのが良いとされています。つまり、「9:00~9:30」が最もデイトレードに適した時間ということです。なぜ値動きが大きい時間帯のほうが、デイトレードに適しているのでしょうか。

ここからは、デイトレードの基礎知識について解説します。

デイトレードとは?

デイトレード(デイトレ)とは、株式などの金融商品の売買をその日のうちに完結する投資スタイルを指します。短いスパンで株価の値動きを予測し、それを狙って特定の銘柄を売買することで利益を出していく投資スタイルです。

値幅があることが条件

デイトレードでは、ある程度の「値幅」(高値と安値の差)が必要です。ある程度の値動きがなければ、短時間で利益を得ることは難しいからです。

前述のとおり9:00~9:30に最も盛んに取引が行われるため、値幅も大きくなります。そのため、この時間帯がデイトレードに向いているのです。

値幅の大小は、「時間足(じかんあし)」を使うことで比較できます。デイトレードで使う時間足には「5分足」「15分足」「30分足」などがあり、例えば「30分足」の場合は30分ごとの値動きと値幅がわかります。

さまざまな銘柄の値動きを30分足で確認してみると、9:00~9:30の値幅が大きくなりやすいことがわかるでしょう。

取引時間帯だけではなく、銘柄選びも重要

デイトレードに最も適している時間帯は9:00~9:30ですが、その時間帯にデイトレードをすれば、必ず成果を出せるわけではありません。銘柄選びも、時間帯選びと同じくらい重要です。

銘柄選びの基準の1つに「出来高」があります。一般的に株価は取引が増えると大きく変動するため、出来高が急増すると値動きも激しくなる傾向にあります。

その他、前日の終値(おわりね)を始値(はじめね)が上回る「ギャップアップ」に注目して銘柄を選ぶ方法もあります。9:00~9:30の時間帯にさまざまな戦略を駆使して利益を狙うのが、デイトレーダーの基本的なスタンスといえるでしょう。

「リスクリワード」を設定することも重要

「リスクリワード」を設定することも重要です。リスクリワードとは、平均損失と平均利益の比率のことで、利益を守る際に重要になる概念です。

ネット証券によってはトレードツールでリスクリワードを厳守する設定ができるところもあるため、ネット証券選びも重要といえます。

まとめ:デイトレをするのなら狙い目は「9:00~9:30」。夜間取引も選択肢に

株価が動きやすい時間帯は「9:00~9:30」であり、その時間帯にデイトレードをすることで利益を狙う方法について解説しました。

一方、株式取引は国内株式以外でも可能ですので、海外の証券取引所の立会時間も気にしながら、デイトレーダーとしての売買チャンスをなるべく逃さないように努めることが重要です。

日中の取引が難しい人には、夜間取引という選択肢もあります。夜間も相場が動きやすいので、デイトレードを行う時間の候補に入れておくことをおすすめします。

文・岡本 一道
政治経済系ジャーナリスト。日本の国内メディアと海外メディアの両方でのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会・文化など幅広いジャンルにおけるトピックスで多数の解説記事やコラムを執筆。ニュースメディアのコンサルティングなども手掛ける

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