(写真=PIXTA)

社会人であれば、誰もが生命保険の営業マンから保険を勧められたり、保険に加入した後も、「見直し」と称して保険の切り替えを勧められたりしたことがあるのではないだろうか。なぜ、保険の営業マンは保険の見直しを勧めてくるのだろうか。今回はそのカラクリについて紹介する。

保険の販売形態

保険と言っても、「損害保険」と「生命保険」とは営業のスタイルが全く違う。損害保険は、基本的に保険代理店が保険を販売する。損害保険の販売を専業とする代理店もあれば、ディーラーが自賠責保険を販売したり、旅行代理店が旅行傷害保険を販売したりするように兼業のところもある。保険代理店が保険を販売すると、損害保険会社から一定の手数料が支払われる仕組みになっている。

兼業の保険代理店はあくまで本業のついでに保険を販売して手数料を稼ごうというスタンスだ。これに対して専業の保険代理店は、保険を売ることが本業なので、営業については積極的だ。

一方、生命保険は、営業マンが保険会社に所属しながら、保険を売るというのが主流になっている。いわゆる「セールスレディ」がその例だ。会社に属するとはいえ、各営業マンの所得は事業所得とされ、保険が売れなければ辞めざるを得ないのが実態である。

保険営業マンのノルマ

保険営業マンのノルマはどうなっているのか気になる人も多いと思うが、基本的に必ず達成しなければならないノルマというものはない。ただし、採用形態や勤続年数によっても異なるが、固定給部分は非常に少なく、基本的には保険の売り上げに応じて報酬が変わる歩合制になっている。保険が売れなければ収入が得られないので結果的にノルマがあるのと同じだ。

また営業マンはグループに所属している。グループの売り上げがそのグループ長の報酬にもなるため、グループ長から事実上のノルマを課せられる。目標未達が続けば保険会社から退職勧奨がなされ事実上の解雇になる。保険を売ることに必死にならざるを得ないという現実がある。