営業成績がつく仕組み

保険代理店の場合、保険会社や保険の種類にもよるが、年間保険料の3割などとわかりやすい報酬体系になっている。したがって月額1万円の保険を販売すれば、年間保険料は12万円で、その3割の3万6000円が報酬ということになる。その他、継続手数料などもある。

一方、生保の保険営業マンの報酬体系は非常に複雑になっている。保険会社によって異なるが、基本的には保険設計書を作成すると保険金額に応じて修正された基準が算出されるようになっている。さらに前月件数や継続率など複雑な計算をしなければ分からない仕組みになっている。

そのため営業マン自身も具体的な報酬はわからないのが普通である。ざっくり言うと、保険金額が大きく保険会社が儲かる商品には高い報酬が付くようになっている。その結果、悪い営業マンの場合、顧客のニーズを無視して報酬が高い商品、すなわち保険会社が儲かる金額が大きい商品を勧めてきたりする。

また、保険営業マンは人を採用すると手当が付くしくみになっている。営業が辛くてどんどん人が辞めていくので、自転車操業のように人を採用しなければ、売上高を維持できないからである。

営業マンは個人事業主なので保険が売れないと生活ができない。営業マンからカレンダーや飴をもらったことがある人も多いと思うが、それらの費用も、営業マン個人が負担している。もし、完全な固定給にしてしまえば誰も保険を売らなくなるので、非常に難しいバランスの中で報酬が決められている。

ただし年間「億単位」のお金を稼いでいる営業マンもいるので、この報酬体系が営業マンにとって必ずしも悪いとも言い切れない。結局、実力次第ということになる。

そして新しい保険を勧めてくるのは、それが保険会社が売りたい商品なので、成績が高く設定されているからである。また、保険は通常2年を経過すると解約しても営業マンにペナルティがつかなくなるので、2年を経過すると、自分の顧客に新しい保険を勧めてくるわけである。

いい営業マンの見分け方

・営業マンの得にならない相談をしてみる
良い営業マンを見分けるためには、保険営業マンの得にならない相談をしてみるとよい。たとえば、「保障を減らしたい」とか、「保険金を受け取った場合の税金はどうなるのか」といった質問をし、それでもしっかりと話を聞き、誠実に回答してくれば、それは良い営業マンである。逆に、そのような質問をしたら、話をそらしたり、あるいは訪問しなくなったりした場合には悪い営業マンといえる。

・定期的に訪問するかどうか
また、保険は加入してすぐ解約すると営業マンにペナルティが付く仕組みになっているため、契約直後は頻繁にアフターサービスを実施するが、ある程度時間が経過すると、見直しを勧めるのでない限り訪問しなくなることが多い。したがって、見直しを勧めるわけでもないのに定期的に訪問する営業マンは良い営業マンといえる。

以上、保険の営業の実態について説明してきたが、最近流行りの来店型の保険ショップも基本的には同じ仕組みである。「無料相談を行っています」や「複数の保険会社から中立的にご提案します」とうたっているが、保険会社から手数料をもらって運営している以上、中立的に判断することは難しい。来店型保険ショップに保険相談に行く場合には、手放しに相手を信頼するのではなく、あくまで参考にするというスタンスで訪問した方がよい。 (ZUU online 編集部)

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