「気配値(けはいね)」 注文価格の見当をつける指標
「気配値」とは、株式の取り引きにおいて、買い方と売り方がそれぞれ買いたい・売りたい値段(指値)のこと。「買い気配値」は買い注文で一番高い値段を指し、「売り気配値」は売り注文で一番安い値段を指す。買い注文だけで売り注文が出ていない場合は「買い気配」、売り注文だけで買い注文が出ていない場合は「売り気配」(別名「ヤリ気配」)と呼ばれる。
売り方と買い方の注文株数と気配値による注文状況が並んだものが「板」であり、この情報を見ると、売れそう、または買えそうな値段の見当を付けやすい。板は証券会社の投資情報ツールで確認できる。
「呼び値(よびね)」 株式売買の注文をする際に刻み幅に注意
「呼び値」とは、株式を売買する際の価格の刻み幅のこと。各銘柄の株価や市場によって呼び値は違う。東京証券取引所のTOPIX100構成銘柄の国内株式では、株価1000円以下で呼び値の刻み幅は0.1円、1000円超3000円以下で0.5円、それ以上の株価だと1円、5円、5000円、1万円単位のように決められている。TOPIX100構成銘柄以外の国内株式でも、株価によって呼び値の刻み幅は異なる。例えば、3000円以下では1円単位、3000円超5000円以下で5円単位などと定められている。
「値幅制限(ねはばせいげん)」 範囲内で指値を決定
「値幅制限」とは、株式取引において1日で変動できる株価の上限から下限の幅のこと。株価の極端な高騰や暴落による大幅な損失から投資家を守るために設けられている。
値幅制限は、前日の終値を基準に価格水準ごとに一定の範囲内に設定される。株価が上限まで上がるとストップ高、下限まで下がるとストップ安と呼ばれる。
「利食い(りぐい)」 確実に利益を確保する投資スタイル
「利食い」とは、保有する株式が購入時より値上がりして含み益が出ている時点で売却することを意味する。
価格下落後に株価が上がって利益が出ているうちに次の株価下落を見越して売却する場合や、もっと利益が出る可能性があっても利益を確保するために売却する場合などに使われる表現。利食いの状態で売ると「利食い売り」と呼ばれる。
投資の格言「利食い千両/利食い千人力」は、もっと上がってから売ろうと欲張らず、利益が出たら売ってしまうほうが結果的に利益を確実に確保できるという戒めを表したもの。
「損切り(そんぎり)」 損失を確定して被害を最小限にする
株価が下落して、含み損を抱えた状態で売却し、損失を確定することを「損切り」と言う。「ロスカット」「処分売り」などとも呼ばれる。それ以上損失が拡大するのを防ぐ目的がある。株価が下落し、反転する見込みがないような場合に、損切りは有効だと考えられる。
同じように株価が下落して損失が出ていても、売却せずにその後の株価の回復を待って株式を保有し続けることを「塩漬け」と呼ぶ。