確定拠出年金,セカンドライフ,運用
(写真=Thinkstock/Getty Images)

確定拠出年金をいざ始めようとする友人から、一番受けることが多い質問がこれだ。

「商品構成、どうしてるの?」

同年金だけにとどまらず、金融商品は他人と同じものを持てば良いというものではない。ルールや意味を理解するためにも、今回は商品選択について考えてみよう。


確定拠出年金は自分が運用するって本当?

確定拠出年金は、日本版401Kとも呼ばれる制度で、2001年10月にスタートした。以前まで主流だった「確定給付年金」は、運用成績に関係なく、60歳以降に受け取る年金額が、あらかじめ決められていた。運用成績が悪い場合は、企業がその負担をしなければいけない。また、転職や独立などで、個人が会社を退職する際に、次の勤務先への移管などが出来ないので、「企業単位」の年金制度ととらえることができる。

対して確定拠出年金は、「個人単位」の年金制度だ。もっとも大きなポイントは、60歳以降の年金額が、運用成績によって変わるということだ。

商品の選択やその割合、また開始時期や期間によっては、同じ期間に同じ額を運用した人でも、受取時には年金額に大きく差がつくことも考えられる。加えて、「個人単位」の特徴である、移管手続きも可能だ。昨今、転職はもはや当たり前の中、転職先でも、それまで収めた年金は一定の手続きを踏まえた上で、個人のものとして継続保有することができる。

確定拠出年金にはどんな運用商品があるの?

運用成績に大きく影響するのが「商品選び」だ。確定拠出年金法では、(1)リスク・リターンの異なる3つ以上の商品を選択すること、(2)うち一つは、元本保証型の商品を選択すること
が決められている。

具体的に運用商品は、預貯金、公社債、投資信託、株式、信託、保険商品がある。ただ実際には、価格(価額)単位で購入するのではなく、組み入れ比率によって購入するため、「預金」「投資信託」「保険」の3つで覚えてもらうとよいだろう。

すでに通常の投資信託をお持ちの方ならご存知だろうが、口座開設している金融機関によって、商品のラインナップは異なる。DC(確定拠出年金)用の商品はさらに絞られるので、口座を開設する前に、その金融機関のDC用の商品を調べることが、何よりも重要だ。

さて、大きく分けた3つの商品だが、それぞれの特徴は次のとおり。

「預金」は、いわゆる定期預金で1年~5年ものが多くみられる、元本保証型商品である。見込みリターンは利息だ。

「保険」は、年金保険で利率保証型が多い。生命保険、損害保険いずれも、積立式の商品で元本保証型と考えてよい。見込みリターンは予定利率に基づく、年金原資だ。

「投資信託」は、元本が保証されていない。DCの商品ラインナップの中では、もっとも商品数が多く、種類が異なり選択されるものだ。見込みリターンはファンドの運用益。簡単にいうと、株式や債券の価値が上がれば、ファンドの価額も上がる。

株式や債券を個々で購入するのではなく、ファンド全体で購入し、プロの運用に任せるものだが、それぞれのファンドによって「国内債券」「国内株式」「海外債券」「海外株式」「バランス型」「ターゲットイヤー型」「REIT(国内不動産)」「海外REIT(海外不動産)」と分別できる。

リスク(収益のブレ)の大きい順に、「海外株式(新興国)→(先進国)」「国内株式」「海外REIT」「国内REIT」「海外債券(新興国)→(先進国)」「国内債券」となる(バランス型やターゲットイヤー型は、上記それぞれを掛け合わせている)。

確定拠出年金運用の王道は長期分散投資

運用成績に大きく貢献するもうひとつの重要な事がある。「長期分散」だ。毎月一定額を購入し続ける確定拠出年金は、「ドル・コスト平均法」の代表的な運用方法といって良い。

株式や債券は、日々購入価格が変動する。たとえば、毎月3万円ずつ拠出しているとしよう。先月3口(1口1万円)購入できた投資信託が、今月は値下がりしていて4口、来月はさらに値下がりして5口購入できるとしよう。3か月の拠出額は合計で9万円、購入口数は12口だ(購入単価は1口あたり7500円)。翌月、最初の月の価額に戻っていれば、1口あたり2500円の利益が出ることになる(購入手数料や信託財産留保額などは考慮しない場合)。

これを繰り返すのがドル・コスト平均法で、株価が下がったり、債券が安く手に入ったりする時期にコツコツと積み増していくことにより、のちに大きな実を結ぶ成果につながることが期待できる。目先の価格変動にとらわれずに、複利運用の恩恵を最大限に活かすのが「長期投資」の基本的な考え方だ。

投資対象を分散し将来に備える

運用のプロであっても、どの時期にどの株価が上がる、世界のどの地域でどんな事が起こるといった確実な予言はできない。従って、資産や投資タイミングを「分散」させておく必要もある。

どの商品をどの割合で持つかは、それぞれ年齢や、リスクの容認度合によって変わってくる。選択が難しいという初心者なら、拠出割合を3等分にして、投資信託商品を「バランス型」にするというのも一つだ。運用に慣れ、数年後に市場の動向が大きく変わることがあるなら、配分変更や、スイッチングで、リバランスをすればよい。自分の将来は、自分で決めてゆくことで、しっかりと老後に備えたい。

佐々木 愛子 ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅱ種、相続診断士
国内外の保険会社で8年以上営業を経験。リーマンショック後の超低金利時代、リテール営業を中心に500世帯以上と契約を結ぶ。FPとして独立し、販売から相談業務へ移行。10代のうちから金融、経済について学ぶ大切さを訴え活動中。 FP Café 登録FP

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