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(写真=PIXTA)

会社員にとっての大切な資産の一つである、企業年金。毎月の給与明細を見れば、掛金の納付額は一目で分かるが、どのように運用されているのかを把握しながら働いている人は、それほど多くないのでないか。将来の年金受給への不安を煽るような情報が多い中で、それらに翻弄されずに充実した仕事人生を送るために、企業年金における「確定給付企業年金」(DB)と「確定拠出年金」(企業型DC)の違いを、あらためて知っておきたい。


確定給付企業年金(DB)は「給付額」を約束

日本で最も普及している企業年金が「確定給付企業年金」。Defined Benefit の頭文字から「DB」と呼ばれ、勤務先の会社が拠出・運用・管理・給付までを行ってくれるので、会社員にとっては便利な年金制度だ。大きな特徴は、将来の給付額が約束されていることである。会社に納めた掛金は、外部の生命保険会社や信託銀行、投資顧問会社、または特別法人の企業年金基金に保全される。年金の給付時や退職時にしか取り崩しができないために、もし会社の業績が悪化することがあっても資産は守られる一方で、会社の負担が大きい制度でもあるために、業績が著しく悪化したり、運用が上手くいかなかったりすると、将来に約束されている給付が減額される可能性があることも覚えておこう。

確定給付企業年金(DB)のメリット

1点目は会社が運用してくれるので管理がラクな事だ。忙しく働きながら、年金資産の管理を続けるのは大変だが、運用を会社に任せることができ、運用実績は開示されるので、将来の計画をしつつ毎月の家計を立てることが容易になる。
2点目は老後の生活プランが立てやすくなる事だ。約束されている給付が減額される可能性があるとはいえ、将来に受け取る金額を把握しやすい事から、老後の生活プランが立てやすく、長く安心して働く支えになると言えるだろう。
3点目は老後の収入源の一つが担保される事だ。確定給付企業年金は、将来の年金受け取りのために設計されている制度であり、老後の収入源の一つが担保されることになるのだ。

確定給付企業年金(DB)のデメリット

1点目は約束の給付額から減額の可能性がある事だ。運用責任を会社が負っているので、運用成績が悪い場合、会社が不足分の穴埋めをする必要があるため、会社の業績や運用実績により給付減額の可能性がある。これはすでに受給している場合でも同様である。
2点目は積立金が大幅に不足すると収入に影響が出る事だ。企業年金の積立金が不足し、会社からの補てんが増えた場合、会社全体の業績が悪化することがある。その際に、給与や賞与の額にも影響が及ぶことがあるのだ。
3点目は年金の受給権を把握しづらい事だ。一般に確定給付企業年金は受給権の保護、確保が図られているが、大幅な加入者数の変動などがあると、会社で給付設計の変更などが行われる可能性もあるのだ。

確定拠出年金(企業型DC)は「掛金」を決定

確定給付企業年金に次いで、企業年金の主流となりつつあるのが確定拠出年金。Defined Contribution  の頭文字からDCと呼ばれ、加入者が、掛金の運用責任を負うのが特徴で、その運用結果によって将来の給付額が変動する年金制度だ。企業型DCでは、加入者からの掛金を、会社が銀行や生命保険会社、証券会社などの運用管理機関に拠出し、加入者は運用業務を委された管理機関に、自ら運用の指図を行う。この点が確定給付企業年金との大きな違いと言える。
会社は一人ずつの掛金を、個別に管理機関に入金する。管理機関でも、入金された掛金を自らの資産と分別して管理することが定められているため、管理機関が破たんした場合でも資産が保全される。
会社または管理機関は3つ以上の商品を用意して、そのうちの一つ以上を元本確保型にしなければならないという規定があるが、加入者はその商品群の中から、好みの運用商品を選ぶことができる。

確定拠出年金(企業型DC)のメリット

1点目はいつでも残高を確認できる事だ。確定拠出年金では、個人別の年金口座を持つことで、掛金の運用実績による残高を、いつでも確認することができる。ここは確定給付企業年金との大きな違いの一つだ。
2点目は業績悪化による減額がない事だ。将来に受給の資格を得た場合には、加入者が管理機関に直接、裁定の手続きを行い、年金は管理機関から個人の年金口座に直接、入金される。
3点目は現役・OBの運用リスクを負わないで良い事だ。確定拠出年金では自分で掛金の運用指図を行ない、その運用結果が将来の支給額となるために、会社が資産運用にともなうリスクを負うことがない。

確定拠出年金(企業型DC)のデメリット

1点目は自己責任で資産の運用を行わなくてはいけない事だ。加入者自らが自己責任によりリスクリターンを考えて資産運用を行う必要がある。
2点目は将来の受給額は「見込み額」である事だ。価格が変動するので、将来の受け取り額は見込みの域を出ない。そのため、例えば60歳時点の支給額から以降の生活プランを立てる際は、あくまでも見込み額から計画を立てる事になる。
3点目は60歳まで受給ができない事だ。原則として60歳まで受給ができないため、それまでの離職時に拠出ができないので注意しておきたい。一方で、転職時や離職時には資産の持ち運びができ、公的年金の受給開始(65歳)までの収入源にもなる。

公的年金に上乗せする年金資産として、老後の生活を支える企業年金の役割は大きなもの。「確定給付企業年金(DB)」「確定拠出年金(企業型DC)」の特徴と相違点、メリット・デメリットを振り返り、最適なプランを立てておきたい。(ZUU online編集部)

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