確定拠出年金の運用は、年齢や家計の状況を加味する必要があります。今回は40代の運用を解説します。
(写真=Thinkstock/Getty Images)

老後資金を準備する有効な手立てとして、注目を浴びている確定拠出年金。できれば早い時期から始めたほうが有利ではあるが、老後まであと20年ほどの時間がある40代の方にも積極的に活用していただきたい。

それでは、40代で確定拠出年金を始める場合、どのようなポイントに気を付けてポートフォリオを組むべきなのか。40代は、子どもの教育費や住宅ローンの支払いなど、重い負担がのしかかってくる年代。一番出費がある時期だからこそ、国内債券や預貯金、または公社債投信などで安定的に運用し、まずはライフイベントに備えておこう。

一方で、老後資金もきちんと意識していきたい。攻めの姿勢で運用ができる20~30代と比べ、守りのアプローチも必要な40代は、両者のバランスを保つことが最も重要だ。お金を減らさないことばかり考えて保守的になり過ぎても、確定拠出年金で運用するメリットを享受できない。反対に、大きなリスクを取れば、将来受け取る年金額に影響を及ぼしかねない時期である。元本確保型の商品と元本割れする可能性もあるがリターンも期待できる商品をうまく組み合わせていこう。そんな40代におすすめのポートフォリオは「バランス型ファンド」での運用だ。

攻めと守りのバランスのとれた運用を意識する

さて、具体的には、どのように商品を組み合わせればいいのだろうか。筆者が推奨する40代の「DCポートフォリオ」を紹介しよう。

(1) 国内株式型 25%
(2) 国内債券型 25%
(3) 海外株式型 25%
(4) 海外債券型 25%

国内外の株式、国内外の債券という4種類の商品を、均一な割合で購入している。これはいわゆる、先ほど述べた「バランス型ファンド」の配分となっていることが多いのだ。もしくは、国内不動産型、海外不動産型を加えて、6種類の商品を同一の割合(16.7%ずつ)で保有する。つまり、自分であれこれ商品の種類や配分に悩まなくても、基本的には、バランス型商品を一つ購入しておけばいいということになる。もしくは、均等配分でこれらの商品を購入してみよう。

バランス型ファンドのメリットは、複数の投資信託や個別の株式、債券、不動産を組み合わせてポートフォリオを組まなくても、自動的に良い配分にしてくれるという点。資産運用の王道である「分散投資」にも適しており、値動きも比較的安定している。攻めと守りのバランスが大切な40代の資産運用にも、文字通り「バランス型ファンド」が適役なのだ。

確定拠出年金の掛け金を捻出するのが難しい時期ではあるが、まだ老後まで余裕があるとは言っても、できるだけ早く老後資金の運用を始めたい世代。運用方法や商品の種類、配分で迷うのであれば、まずは「バランス型ファンド」を一本購入し、少しでも長い期間の運用を目指していきたい。バランス型ファンドには、一般的な投資信託と比べて手数料が高めというデメリットがあるが、それを含めても充分に価値のある商品と言うことができる。

少額でもコツコツと運用して将来の安心を

確定拠出年金は、一度運用を始めたら、基本的にはポートフォリオを頻繁に見直したりリバランス(相場の変動などによって変化した配分の比率を調整すること)したりする必要はない。とは言え、自分の大事な年金の資産運用がどのような状況にあるのか、一年に一回程度は確認をしてみよう。

また、確定拠出年金は長期の運用となるため、その間に、リーマンショックのような不測の事態が起きる場合もある。しかし、相場が急落した場合でも、慌てて運用を停止したりする必要はない。短期的な変動に惑わされることなく、淡々と積み立てを続けていった方が、良い結果を得られることが多いのだ。

ただし、経済状況の変化により、保有している資産のうち、大きく値上がりしたもの、反対に大きく値下がりしたものが出てくる可能性はある。その場合は、資産のリバランスを行い、元の配分比率に戻しておこう。上記で紹介したポートフォリオを組む場合、バランス型ファンドであれば自動的に元の配分に調整されるが、均等配分で購入している時にはリバランスを行う必要がある。基本的には、値上がりして配分が増えたものを売却し、値下がりして配分が減ったものを買い増すことでリバランスできる。

その他にも、出費の多い40代は、家計状況の悪化などにより、確定拠出年金の掛け金を捻出することができなくなるケースも考えられる。その場合は、積立金を減額することで対応しよう。確定拠出年金の掛け金は、ずっと同じ金額を積み立てる必要はなく、一年(4月から翌3月までの間)に一度、変更することができる。反対に、家計に余裕のある時には積立額を増やすなどし、その時の状況に合わせて拠出していこう。なお、掛け金を停止することもできるが、その期間は「退職所得控除」の該当年数にカウントされなくなるので注意が必要だ。

お金がかかる40代に、老後資金を用意するのは至難の業かもしれない。しかし、たとえ少額ずつでもコツコツと運用することで、将来への安心感も高まる。ぜひ、上記ポートフォリオを参考に、確定拠出年金を始めていただきたい。

武藤 貴子 ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント
会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーや執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。 FP Cafe 登録FP。

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