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(写真=PIXTA)

厚生労働省がオブザーバーとして参加している確定拠出年金普及・推進協議会は、個人型確定拠出年金の愛称が「iDeCo(イデコ)」に決定したと発表した。

「iDeCo」は、個人型確定拠出年金を意味する英語表記の「individual-type Defined Contribution pension plan」の頭文字の一部をとって構成されたもので、自分で運用する年金にふさわしく、「i」には「私」という意味が込められているのだという。

このiDeCo、2017年1月から公務員や専業主婦などを含む全ての人が原則として加入できるようになる。そこでここでは、iDeCoのメリットに焦点を当ててみることにした。

メリット1 掛金全額が所得控除の対象になる

iDeCoには税金面の優遇措置がいくつも設けられている。その筆頭は、「掛金の全額が所得控除される」という点だ。例えば月掛金が3万円だとすると、年間で36万円が所得控除になる。もし所得税および住民税率があわせて20%の人なら、年間で7万2000円もの税制効果を享受できるわけだ。

メリット2 運用収益も非課税になる

通常の投資の場合、運用収益は課税の対象になる。ところがiDeCoでは、運用次第でいくら収益が増えようと、その運用収益は非課税扱いとなっている。

メリット3 受け取り時にも税制優遇がある

iDeCoでは、年金受取りを選択した場合には「公的年金等控除」の対象となり、65歳未満は年に70万までが非課税、65歳以上は年に120万円までが非課税扱いとなる。また、一括受取りを選択した場合には、「退職所得控除」の対象となる。

メリット4 運用次第で老後の収入がアップする

iDeCoは加入者自身が運用方法を決定し、その成果を享受することができる制度だ。リスクを避けて元本保証型の運用に徹し、貯蓄として利用する方法もあれば、運用次第で年金額を増やす選択肢もあるわけだ。

メリット5 タンス預金より有利

iDeCoでは元本が保証されている運用を選択することもできる。もしここに全額を投資すれば元本割れの心配もなく、いわば銀行の積立定期預金と同様の確実な運用になる。しかし、この場合にも、所得税と住民税が掛からない分、iDeCoの方が有利になる。

メリット6 ポータビリティがある

iDeCoでは運営管理機関によって加入者ごとの年金資産が個人管理されているため、本人はいつでも残高を把握できる。この個人別管理資産にはポータビリティがあって、一定の要件を満たしさえすれば転職先の会社へ積み立てた資産を移換することができる。

メリット7 経済や投資への関心が高まる

iDeCoを自ら運用していくためには、ある程度の投資の知識が必要になる。知識を身につけることは経済や投資への関心を高める以外にも、ほかの資産運用にその知識を応用する効果が期待できる。

メリット8 老後の給付が受けられる

iDeCoの老齢給付金は、原則60歳から年金または一時金で受取ることができる。現在の公的年金は原則65歳からの支給開始なので、それまでの生計のつなぎ資金にできるわけだ。

メリット9 60歳まで受取れない意味

iDeCoは基本的には60歳までは解約ができないため、これをデメリットと捉える方もいるかもしれないが、メリットと考えることもできる。簡単に引き出せるお金はどうしても安易に使ってしまいがちだが、ある程度の強制力があれば、自制心を促す効果も期待できるからだ。

以上が主なメリットである。確定拠出年金と言えば、これまでは少し複雑なイメージだったが、来年の改定を機に、これだけのメリットを持つiDeCoを老後の備えとして考えてみてはいかがだろうか。(提供: 確定拠出年金スタートクラブ

※当記事は2016年9月現在の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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