DC
(写真=PIXTA)

2001年10月、公的年金に上乗せされる部分における新たな選択肢として創設された「確定拠出年金」。毎月一定の掛金を拠出し、その掛金の運用結果を老後に受取ることができるという制度だ。

それまでの企業年金制度に対しては、「中小零細企業や自営業者に十分普及していない」、「離転職時の年金資産の持ち運びが十分確保されていない」などの指摘があった。確定拠出年金は、こうした指摘に応えて創設されたものだ。

確定拠出年金、企業型DCと個人型DCの違い

確定拠出年金(DC)には、企業が掛金を支払う「企業型DC」と、対象者が各個人で掛金を支払う「個人型DC」の2種類がある。

企業型DCは、企業型年金規約の承認を受けた企業が実施主体となる。対象者は実施企業に勤務する従業員で、掛金は事業主が拠出する。

これに対し、個人型DCは国民年金基金連合会が実施主体となる。個人型DCの急速な普及を後押しする意味もあって、2016年9月には、厚生労働省が個人型DCの愛称を「iDeCo(イデコ)」と名付けた。30代の女性会社員が応募した「iDeCo」とは、個人型DCを英語表記した「individual-type Defined Contribution pension plan」の一部から構成されている。

加入資格は?簡単に診断してみよう

さて、これまでiDeCoに加入できたのは、国民年金の第1号被保険者である「20歳以上60歳未満の自営業者など」と、第2号被保険者である「60歳未満の厚生年金の被保険者のうち企業年金制度に加入していない者」だけだった。しかし、2017年1月からは、公務員や専業主婦等(国民年金の第3号被保険者)が加入対象に加えられる。拠出限度額の多寡はあるにせよ、基本的には現役世代の誰もが加入資格を持つようになる。なお、第3号被保険者というのは、第2号被保険者、つまり厚生年金・共済年金に加入している人の配偶者のことで、専業主婦や専業主夫がこれに該当する。

ただし、障害基礎年金受給者等を除き、国民年金の保険料免除者はiDeCoには加入できない。また、第2号被保険者が企業型DCや厚生年金基金、確定給付企業年金等に加入している場合には、2016年12月まではiDeCoに加入できないので注意が必要だ。

加入資格を喪失するのはどんなとき?

iDeCoの加入者が「60歳に達したとき」や「国民年金の被保険者資格を喪失したとき」には、加入資格を喪失することになる。
一方、これまでは、iDeCoの加入者が企業年金のある会社に転職した場合は、積み立てた資産の運用のみを行う「運用指図者」となり掛金拠出ができなくなってしまっていたのだが、2017年1月からは、引き続きiDeCoで掛金拠出が継続できる。これまでiDeCoのデメリットの一つだった「転職問題」が解消されたことになるわけだ。

加入資格を失った場合には、「運用指図者」となって資産の運用のみを行うか、法律で定められた要件に該当する場合には、積み立てた資産を脱退一時金として受取ることができる。「運用指図者」になるには、運営管理機関を選んだ上で、その機関に「加入者資格喪失届」を提出すればよい。

以上、確定拠出年金について仕組みや加入資格などを解説してきた。これらのことを踏まえ、将来の安心に備えるための選択肢として考えてみてはいかがだろうか。(提供: 確定拠出年金スタートクラブ

【オススメ記事 確定拠出年金スタートクラブ】
確定拠出年金の始め方 運用開始までを簡単解説!
退職金に大きな差が出る確定拠出年金とは?
確定拠出年金、金融商品にはどのような種類があるの?
「税金を軽減」したい会社員が知っておきたい○○とは?
会社員でも税負担を減らす制度、あなたはいくつ知っていますか?