iDeCo(個人型確定拠出年金)にはさまざまな税制メリットがあるが、実際に税制メリットを享受するためには、年末に諸々の申請をしなければならない場合もある。とりわけ会社員や公務員は、「年末調整」を行う際に、同時にiDeCoに関する書類の添付や必要事項の記入が必要となるのだ。ここでは、iDeCoの税制メリットや、iDeCo加入者の年末調整における必要書類の書き方や間違えやすいポイントなどを確認しておこう。

(写真=Jakub Zak/Shutterstock.com)
(写真=Jakub Zak/Shutterstock.com)

年末調整とは

「年末調整」とは、会社員や公務員(被用者)が納めた源泉徴収の金額と、本来納めるべき所得税の金額との差額を計算して精算する手続きのことだ。自営業者や、年間の給与収入額が2,000万円以上の人は、年末調整ではなく「確定申告」を行うこととなる。また、2か所以上の企業から給与をもらっている場合は、多い方の給与を主たる給与(甲欄)、少ない方を従たる給与(乙欄)と事前に申請し、最終的には主たる給与についてのみ年末調整を行うこととなる。

年末調整で必要となる書類は、主に「扶養控除等申告書」(給与所得者の扶養控除等(異動)申告書)と、「保険料控除申告書」(給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書)の2種類である。これらは勤務先から配布されるので、忘れずにチェックしておこう。

年末調整でよくある間違いとしては、扶養控除等申告書を記入する際に、「所得」ではなく「収入金額」を記入するというものだ。特に、所得控除の対象となる配偶者などがいる場合は、所得の見積もり額から控除を差し引いた金額を記入しなければならないため、少々まぎらわしい面もある。

そのほか、保険料控除申告書を提出する際は、保険加入者であれば各保険会社から送付される控除証明書を添付する必要があるほか、転職した場合や住宅ローンなどの控除を受ける場合は別途書類を用意する必要がある。

iDeCoで受けられる税制メリット

iDeCoは、一般的な投資手段と比較すると税制メリットが大きく、単なる資産運用としてだけではなく節税対策として利用されることも少なくない。iDeCoでは、主に3つの税制メリットがあるとされている。

まず、iDeCoへ拠出する掛金は、全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となる。たとえば、年間所得400万円の人(所得税率20%・住民税率10%)が毎月2万円を積み立てた場合、年間で7万2,000円(=2万円×12月×30%)分の所得控除を受けることができる。

また、iDeCoの資産より得られた利息・配当等の運用収益は、全額非課税とされている。銀行預金など一般的な金融商品では、運用益に対して所得税15.315%(2013年1月1日から2037年12月31日まで)、住民税5%の合計20.315%が源泉分離課税されるが、iDeCoではこれが全額非課税になる。
さらに、iDeCoを利用して蓄えた資産は受け取りの際も税負担の軽減措置があり、分割(年金)で受け取る際は公的年金等控除の対象となるほか、一括(一時金)で受け取る際は退職所得控除の対象となる。

iDeCo加入者の年末調整

上記の通りiDeCoの税制メリットは大変手厚いが、会社員・公務員がそのメリットを享受するためには、年末調整時に申請する必要がある。

iDeCoの掛金を口座振替(個人払込)で支払っている場合、勤務先から配られる保険料控除申告書の右下に「小規模企業共済等掛金控除」という欄があるが、ここの「個人型又は企業型年金加入者掛金」の欄に、所定の金額を記入しなければならない。記入すべき金額は、年末調整のシーズンが近づくと国民年金基金連合会から送付されてくる「掛金払込証明書」に記載されている。なお、この掛金払込証明書は、必要書類として保険料控除申告書に貼り付けて一緒に提出する必要がある。

iDeCoの掛金を給与天引き(事業主払込)で支払っている場合は、国民年金基金連合会からは掛金払込証明書は届かない。そもそも年末調整に係る申請は企業側で行ってくれるため、加入者自身が年末調整時に何らかの手続きを踏む必要はない。ただし、iDeCoへの加入が10~12月になる場合は、初年度のみ確定申告が必要になる場合があるので、注意が必要だ。

忘れずに年末調整を行おう

iDeCoに加入してから初めての年末調整の際は、必要書類などもわからずに迷うことも多いだろう。しかし、iDeCoの税制メリットを受けるためには、年末調整は欠かせない手続きである。一方、iDeCoの掛金を給与天引きで支払っている会社員にとっては、年末調整の心配事はほとんどないといえる。iDeCoに関する書類や封筒は紛失しないように大切に保管しておくとともに、年末調整の際はスムーズに書類が提出できるようにしておこう。

(提供: 確定拠出年金スタートクラブ

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