2018年1月から始まる、新しい少額投資非課税制度「つみたてNISA」を利用するには、どのような手続きが必要なのだろうか。新しく口座を開設する場合は複数の書類が必要になる。今回は、なかでも特に関心の高い、マイナンバー(個人番号)の提出を中心に紹介する。
マイナンバーは提出義務がある
まず、つみたてNISAを始める場合、マイナンバーは必ず提出する必要がある。なぜなら、2016年1月1日より、所得税法等の規定により、金融機関における投資口座等の開設時はマイナンバーの提供が義務付けられているからである。そもそもマイナンバーは、つみたてNISAのみならず、株や投資信託の売買による損益や配当金・分配金など、課税対象となる取引を行っている特定口座を利用する場合は、提出しなければならない。
つみたてNISAを始めるためのマイナンバー提出については、すでにNISA(以下『一般NISA』と表記)口座を持っているかどうかで手続きが異なる。また、一般NISA口座にマイナンバーを提出しているかどうかで、提出の要不要や書類が変わってくるので、注意が必要だ。詳細は、以下で解説する。
一般NISA口座を持っていない場合
一般NISA口座を持っていない人は、つみたてNISA口座を新しく開設することになる。その際は、「マイナンバー」に加え、つみたてNISAの口座開設届出書を提出する必要がある。マイナンバーを提出する際は本人確認書類も必要になるが、この書類の範囲も決められている。
すでにマイナンバーカード(個人番号カード)を持っている人は、そのコピーを提出すれば本人確認も兼ねることが可能だ。しかし、マイナンバーカードを持っていない人の場合は、通知カード(もしくは個人番号記載の住民票の写し)のコピーに加え、運転免許証やパスポートなどのコピーが必要になる。
一般NISA口座を持っている場合
一般NISA口座を持っている人が、つみたてNISAを同じ金融機関で始めようとする場合、金融機関へマイナンバーを提出しているかどうかで手続書類が変わる。上述のとおり、マイナンバーは提出義務があるので、マイナンバーの運用が正式に始まった2016年1月以降に新たに一般NISA口座を開設している場合は、すでにマイナンバーを提出しているはずである。
しかし、2015年12月以前に口座開設した人の場合、当時はマイナンバーはまだ割り当てられていないため、開設時にマイナンバーの提出はしていない。そのため、後日マイナンバーを提出したかどうかで扱いが変わるのだ。一般NISA口座を利用している人で、2017年9月30日までにマイナンバーの届出をした人は、2018年に一般NISAの口座が自動開設されるため、つみたてNISAを利用したい場合、つみたてNISAへの変更届けを提出するだけでよい。一方、2017年9月30日までにマイナンバーの届出をしていない人は、一般NISA口座を持っていない場合と同じ扱いになる。つまり、変更手続きではなく、口座開設の手続きとなるため、マイナンバーに加え、つみたてNISAの口座開設届出書の提出が必要となる。
また、一般NISAの口座を持っているが、別の金融機関でつみたてNISAを始めようとする場合は、上記とは更に手続きが異なる。まず、一般NISAを利用している金融機関に変更届出書を提出して「勘定廃止の証明書」を受領する。その後、つみたてNISAを始めたい金融機関に、勘定廃止の証明書、つみたてNISAの口座開設届出書およびマイナンバーを提出する。この場合、一般NISAを利用している金融機関にマイナンバーを提出していたとしても、金融機関を変える場合は新たにマイナンバーの提供が必要となるので、注意が必要だ。
マイナンバーの提出は一般NISA口座を開設した時期で異なる
先述のように、「2016年以降に金融機関に一般NISA口座を開設した人」あるいは「2017年9月30日までに金融機関にマイナンバーを提出した人」以外は、つみたてNISAを始める場合、マイナンバーの提出は必ず必要になる。特に、一般NISAを利用している人がマイナンバーを提出しない場合、つみたてNISA口座の新規開設ができないばかりか、一般NISAの口座も使えなくなるので、忘れず提出しておきたい。(提供:確定拠出年金スタートクラブ)
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