旅行先、定年後のロングステイ先としても日本人に絶大な人気を誇るハワイ。オアフ島やハワイ島、マウイ島など6つの主要な島々で構成する常夏の州の行政トップを務めるのが、沖縄にルーツを持つデービット・イゲ知事だ。
さらに知事をサポートする副知事は、2018年1月までシャン・ツツイ氏が務め、日系人がハワイにおける政治の世界でも存在感を示す。さらに政治の世界に限らず、様々な分野で日系人が活躍をみせている。ハワイに日系人が多いのはなぜだろうか。
「150年」「13万人」の絆
日本とハワイの結びつきは、江戸時代にまで遡る。1860年に江戸幕府の遣米使節団として、勝海舟やジョン万次郎、福沢諭吉らを乗せた咸臨丸(かんりんまる)がハワイに寄港。カメハメハ4世が日本とハワイ王朝との友好条約を提案した。さらに1865年にはアメリカ人商人のユージン・ヴァン・リード氏が、ハワイのサトウキビ畑などで不足していた労働力を確保するため、江戸幕府に対し日本人の移民を要請した。
明治時代の幕開けとなった1868年、日本政府とハワイ政府との間で結ばれた契約に基づく官約移民がスタートし、約150人を乗せた移民船がホノルル港に到着した。明治元年にハワイに移り住んだ移民は、「元年者」と呼ばれ、2018年は彼らの移住から150年の節目にあたる。
ハワイに移り住んだ移民を待ち受けていたのは、慣れない異国の地での過酷な労働だった。日本人移民がハワイの雇用者とトラブルになることも多く、日本政府主導による管約移民は1984年に一時停止となり、それ以降は民間の斡旋会社による移民がハワイに到着。1924年に移民の受け入れ人数の上限が定められ、実質的に日本からの移民が禁止された移民法が成立するまでの間に、約13万人が太平洋を越え、ハワイに渡ったとされる。
西日本出身者が多いハワイの日系人
10万人を超える日系移民は、1940年ごろにはハワイ州の約40%の人口を占めるまでになっていた。第二次世界大戦時、世界各国で日系人の強制収容が相次いだが、この占有率の高さゆえ、ハワイでは日系人全員が対象となり収容されることなく、ハワイの地にとどまった。
日系人がハワイの人口に占める割合が高いことは、日系移民なくしてはハワイの経済活動も成り立たず、また、これほどの規模の移民を収容できる場所を確保するのも困難な状況になっていたことも、日系人すべての強制収容を免れた要因ともされる。こうした歴史的な背景は、ハワイ社会における日本人の重要性、さらには日系移民をハワイの社会に受け入れた証でもあった。当初は、農場などでの単純労働に従事していた移民も、世代をまたがるにつれて、様々な分野に進出し、活躍の場を広げてきた。
冒頭で紹介したイゲ知事は、日系3世にあたり、先祖は沖縄県の出身だった。一方、ハワイ全体でみると、官約移民として海を渡ったのは、広島・山口・熊本・福岡の西日本各県からの出身者が多かった。日本国内では不作が続き、借金に苦しんでいた農家は、ハワイでは日本の何倍も稼げるといった噂を聞きつけ、移民船でハワイを目指した。
ハワイで日本人が快適に過ごせる理由は歴史にあり
常夏の島に形成された日系人社会は、150年もの年月をさかのぼり、明治政府とハワイ王朝との契りによって日本人が移り住んだのがその起源となる。ハワイで日本人として快適に過ごせるのは、こうした代々受け継がれてきた日系移民の功績をなくしては実現しなかった。
このような歴史的背景もあり、ハワイと日本人の絆は非常に強い。毎年150万人以上の日本人がハワイを訪れることに加えて、その絆を客観的に表しているのがハワイ不動産のバイヤー別取引金額だ。2016年度ハワイ州の不動産仲介実績5位を誇る「リスト サザビーズ インターナショナル リアルティ®」によると、アメリカを除く海外バイヤーの2016年年間ランキングで日本バイヤーは圧倒的1位だと言う。
上記のデータを見ても分かる通り、TOP10の合計のうち日本は約75%の取引額であり、日本バイヤーが圧倒的に多い。2位のカナダから10位のイギリスまでの9ヵ国を合計しても、日本バイヤーの金額(7億5370億ドル)に届かない。資産性も抜群で、あのリーマンショックでもハワイの不動産は7%しか下落せず、資産価値は右肩上がりだそうだ。この資産性の高さも支持されている一因だろう。
顧客のほとんど日本人であり、初めて海外不動産の保有を検討する顧客から限られたハイエンドな顧客まで幅広い層へ、顧客のニーズに合わせた選りすぐったハワイ不動産を提供している。150年以上の時間をかけて強い絆で結ばれているハワイは、初めて海外不動産を持つ人にとってもピッタリかもしれない。
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