世界規模で展開するコーヒーチェーン大手、スターバックスが大きな試練に直面している。後段で詳述するようにスターバックスの2019年10~12月期決算は増収増益となったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中国店舗の半数以上にあたる2000店以上を一時閉鎖すると発表、株価は低迷を余儀なくされている。
スターバックスに限らず、新型コロナウイルスの暗雲は株式市場全体に広がっており、NYダウは先週1週間で3500ドルを超える大暴落に見舞われるなど大混乱に陥っている。とはいえ、ウォール街の市場関係者は比較的冷静でアナリストの中にはスターバックスを前向きに評価する声も聞かれる。
今回はスターバックスの最新動向をリポートする。
10~12月期決算は増収増益、全世界の店舗数は3万1795店
スターバックスの2019年10~12月期決算は増収増益だった。純利益は8億8570万ドル、1株利益は0.74ドルとなり、前年同期の7億6060万ドル、0.61ドルをそれぞれ上回った。調整後1株利益は0.79ドルで市場予想を0.03ドル上回っている。
売上高は7%増の71億ドルとなり、ファクトセットがまとめたアナリスト予想と一致した。スターバックスは2020年9月期(通期)について、世界の既存店売上高の予想レンジを3~4%増、売上高は6~8%増、1株利益2.84~2.89ドル、調整後1株利益3.00~3.05ドルとそれぞれ従来見通しを据え置いている。ちなみに、ファクトセットがまとめた同期の予想は既存店売上高が3.4%増、売上高は6.1%増、1株利益は3.01ドルとなっている。
なお、スターバックスの2019年10~12月期の全世界の新規出店数は539店で、同12月末時点の店舗数は全世界で3万1795店に達したことも明らかにしている。
中国で2000店以上を一時閉鎖、業績への影響は?
2月25日現在のスターバックスの株価は82.19ドル(終値)で、過去52週間の安値は昨年3月の69.03ドル、高値は9月の99.72ドルとなっている。四半期配当は1株当たり0.41ドルで、足もとの株価水準での配当利回りは2.0%、配当額は前年同期の0.36ドルから約14%引き上げられている。