市場には、9日にS&P500種が約7%下落し高値から約17%の大幅安、新型コロナウイルスの感染拡大、原油価格の暴落などの懸念がある。ファイナンシャルアドバイザーは顧客と協力する必要があるが、激動の時代に何をすべきかという賢人の言葉にも耳を傾ける必要がある。
Ritholtz Wealth Management最高経営責任者のJosh Brown氏は、「これはファイナンシャルアドバイザーのためのスーパーボウルだ」とブログに投稿した。
「株価や原油価格、政府や中央銀行の反応など、今週は驚くべきことがあった。そろそろ振り返るべき。前例のないことが起きている。米10年債利回りは1.5%から1.0%、0.5%へと低下した。Brown氏は「全く歴史的な状況だ。あなたに思い出させるため、私はここにいる」 という投稿見出しで説明した。
「何が起ころうと、今も真実であり、これからも常に真実であり続けることについて、こうした状況がアドバイザーと顧客の関係が強固になる瞬間だと明確に言える。生活が楽な夏ではなく、深刻な今だ。大混乱の真っただ中だ」 と述べた。
「人々が恐怖を抑えるのを助ける。今、安堵のためだが、後から考えると間違いかもしれないことをしないようにする。そもそも投資している理由や将来的に投資したいと考えていることに焦点を当てる」、アドバイザーが輝けるのはこういう時だと指摘。Brown氏は、「このような環境では、顧客の退職後の人生を救い、アドバイザーが仕事を向上させ、私たちの職業の最高の理想を体現することができる。ゲーム開始だ。全てのファイナンシャルアドバイザーが今週、少なくとも1人か2人の顧客から受ける質問だ」 と言う。
「答えは、いつ収まるか分からないことだ。空に全て解消と描くような飛行機はない。落ち着いたら、株は底をつくと思いますか。それともすでに予想して急反発しているか?」「先手を打って、その瞬間を利用」することが重要だと資産運用者は言う。「基本である常に冷静を保つことに留意することが最も重要。自分で管理できるのは、自分の行動だけだ。流れ、知恵、忍耐、謙虚さ、ユーモアのセンスを身につけよう」と述べた。
マニック・マンデー(熱狂の月曜日)
Charles Schwab社チーフ・インベストメント・ストラテジスト、Liz Ann Sonders氏もブログで、アドバイザー・投資家とともに、「市場を正確に予測することは無益」であり、あなたが管理できるものに焦点を当てるべきと説明した。
Sonders氏は 「熱狂の月曜日(火曜、水曜、木曜、金曜)」 と題した投稿の中で「簡単な状況ではないが、 (投資に関しては規律があり) 準備をすることが事態を悪化させない」 と述べた。
2009年3月に強気相場が始まって以降、今回の調整は7回目。調整は、平均で約78日、平均で約15%下落した。 Sonders氏は、「(1990年以降の)長期データを見ると、調整率は最低水準で平均18.8%、平均期間は83日間。現在の複雑な問題は、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響という観点から直面している不確実性から生じている」 と説明した。
Sonders氏は、企業の収益・価格が急落している時、評価は信じられないほど難しくなり、「最も打撃を受けた企業の多くは、旅行、観光、レジャー産業に属しているが、大手金融機関のアナリストはガイダンスを中止 している」 と指摘。「旅行、学校、スポーツイベント、ショッピングセンター、レストラン、企業会議など、すでに行動に変化が見られる分野を考えて下さい。また在宅勤務やバーチャル会議への関心が急速に高まっていることも考えて下さい。消費者、サービス志向の経済が打撃を受けるのは当然だ」 と付け加えた。
同氏のアドバイス「参入・撤退いずれも投資戦略ではなく、短期的な賭け事と同じ。投資は常に長期的であるべきで、パニックは投資戦略ではない」
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