米ダブルライン・キャピタル社のジェフリー・ガンドラック最高経営責任者 (CEO) は、新型肺炎コロナウイルスの悪影響拡大を背景に、米国経済が今年、景気後退(リセッション)に陥る可能性を約90%と見込んでいる。
同氏は、ウェブキャストで、 「レストラン業界、旅行業界、ホテル業界、航空業界、クルーズ業界の規模が縮小すれば、経済活動からの大きな収益が減ることは明らかだ」 と述べた。
同氏は、現在の状況を読み解くうえで、経済指標について見解を示し、「気をつけなければならないのは、 消費者信頼感が高水準の良好な状況から急降下するときは、景気後退になる」 と指摘した。
同氏は、「来月、3月の指標が発表される時は、間違いなく真ん中に穴が空いたドーナツになり、大金を賭けるだろう。景気後退の始まりに見えるだろう」と述べた。消費者信頼感は重要であり、 「基本的に雇用と結びついている」 と付け加えた。
またダブルライン・キャピタル社は、失業保険申請件数が経済に対する平均的な信頼度(ブルームバーグ・コンフォート指数で測定)を超える時期に注目しており、 「コンフォート指数の悪化を注視している」と述べた。
有効求人倍率も鈍化している。「求人数は今年に入ってすでにかなり急激に悪化していたが、過去数か月に確実に減少した。ただ失業保険申請件数にはまだ反映されていない」と述べた。
FRBの対応
「社債市場では特定の時期に狂ったように秩序が欠如していた。現在でさえ米国債市場で長期債は下落している」 と言う。トレーダーらは、BB格の社債を応札対象から外す可能性があり、 「入札価格と落札価格の差を踏まえて、その価格は正しいのか?と思うだろう」と述べた。
「コマーシャルペーパー(CP)市場の一部では40ベーシスポイントのビッド・アスクの差が飛び交っている」 と付け加えた。
「米連邦準備制度理事会(FRB)が対応している理由だ。FRBはまだ政策を完全には実施していない。このような対応は、前回の世界金融危機以降、見られていない」 と説明した。
以前ほど株式にネガティブではない
投資家が考えるべきことについては、 「流動性を保つべきで好機を待つべきだと思う」 と述べた。ガンドラック氏は、「皆、株式市場が大幅に下落したことを知っている。市場は反発するだろうか。もちろんだ」と述べた。
同氏は、 「株式市場に対するネガティブさは減ってきている。基本的にはネットのショートポジションだが、その一部を外している」 と付け加えた。
同氏によると、金鉱山労働者は、 「非常に不安定な中、株式が売却される際に、株のように扱われる」 という。一方、金相場は最近、米ドルを除くすべての通貨に対して高値を更新した。
もっともガンドラック氏は、「金に対しては少し中立的な立場だ。ドルに対する強弱材料が交錯しており、巨額のドル需要があり、 ドルは上昇している。通常、大量の資金が動く中、多くの償還や清算が行われ、ドルが上昇し、金が少し売られた」と述べた。
同氏は、金が1オンス=1,500ドル台と適度に高水準を維持していることは、「質への逃避」への需要を意味し、最終的には高値を更新するはずだが、現在は調整ムードにあると述べた。
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