3月19日、携帯電話大手のNTTドコモ <9437> が一時3338円まで買われ、2002年6月以来17年9カ月ぶりの高値を記録した。さらに3月27日には前日比で5%高の3475円まで上昇、約18年ぶりの高値圏で取引を終えている。ちなみに、2002年といえば3G(第3世代移動通信システム)が普及した時期でもある。3Gは2001年5月にNTTドコモが世界に先駆けてスタートした商用サービスで、携帯電話を単なる「電話」からパソコンとほぼ同等の機能を有する通信システムに一気に押し上げることとなった。現在、携帯電話事業は「5G(第5世代移動通信システム)」の黎明期にあり、19日の株価上昇は「5G時代」への期待の表れと見ることもできる。

加えて、後段で述べる通り新型コロナショックの影響でインターネットのデータ通信量も急増している。新型コロナウイルスの感染拡大による在宅勤務や一斉休校で、Web会議や動画視聴が増加した影響とみられ、こうした「新型コロナ特需」もサポート要因となる可能性も浮上している。

今回はNTTドコモの最新動向をお届けしよう。

NTTドコモ、2023年度中に2000万契約を目指す

NTTドコモ,株価
(画像=DavidWebb / shutterstock, ZUU online)

3月18日、NTTドコモは次世代通信「5G」の商業サービスを3月25日から開始すると発表した。当面はサムスンの「Galaxy S20 5G SC-51A」、シャープの「AQUOS R5G SH-51A」が対応機種となるが、5月下旬にはシャープのモバイルルーター、6月下旬にはソニー、富士通等の5G対応5機種が順次投入される見通しだ。また、今秋にはアップルの5G対応機種「iPhone12」が登場する見通しで、携帯電話事業はいよいよ「5G時代」が本格化する。

ちなみに、NTTドコモの5G料金プランは現行の4G料金プランと同じラインナップで、定額制の「5Gギガホ」と従量制の「5Gギガライト」となる。「5Gギガホ」は月7650円で4Gギガホの7150円に比べ500円高くなる。月500円アップで5Gを使え、データ容量はそれまでの30ギガから100ギガ(当初は期間未定で使い放題)となるプランだ。一方の「5Gギガライト」は使用データ量によって3150円から6150円までの4段階に分類され、現行と同じ体系となる。5Gギガホ割、dカード支払い割、みんなドコモ割、ドコモ光セット割等キャンペーンのすべてを適用すると、当初半年は4480円、その後は5480円で5Gを無制限で使用できるという。少なくとも料金プランを見る限りでは、5Gのハードルは決して高くないように見受けられる。NTTドコモは5Gスマホを積極的に展開し、2023年度中に2000万契約を目指す計画だ。