前日の米国株式市場が大幅に続落した流れを引き継ぎ、2日の日本株も続落し、一時300円超の下落幅となった。
市場関係者によると、新型肺炎コロナウイルス連動相場となる中、米国株の急落に追随して、日経平均株価は下落し、目先は3月19日に付けた直近安値(1万6358円19銭)が下値めどになるという。世界的な景気懸念を背景に、4月17日に発表される中国の1−3月期国内総生産(GDP)への警戒感もくすぶっている。
りそな銀行信託財産運用部の黒瀬浩一チーフストラテジストは2日、ZUU onlineとの電話インタビューで、「日本株は米国株と連動している。日経平均株価の目先の下値めどは3月安値1万6300円ぐらい。同水準では下げ渋ると思うが、反発するかは、新型肺炎コロナウイルス次第。米国で終息が見えたら株も底固めになるが、見えないと再度下値を試すのではないか」と述べた。
また、「中国は1月下旬からロックダウン(都市封鎖)しており、今月下旬に出る1−3月期GDPは前年比マイナス6−7%になりそう。前期比年率に換算するとマイナス20―30%になる」と分析。「中国では生産などが回復しているが、在庫を満たすだけ。米欧日で物が売れないと2番底になる。5月ごろにV字回復になるのかを見極めたい」と語った。
当面は楽観・悲観で急騰・急落という展開
同氏は、「感染拡大が止まらないと、企業が破綻し、銀行の貸し倒れが起きる。ただ感染を抑えるためには、自粛・ロックダウンなどが必要で、景気が悪くなることにつながる。景気への打撃で金融危機になるのを避けることができるのか、政策との綱引きだ」と述べた。
一方で、「感染者が中国、イタリア、スペイン、米国へと順番に広がっているが、イタリア、中国などは拡大ペースが鈍化し始めている。またシンガポールや香港は厳しい措置を取っており、感染者数が少ない」と指摘。米国などの大規模な財政・金融政策を挙げ、「当面は楽観・悲観で急騰・急落という展開が続きそう。感染者数がピークをつけて下がり始めれば市場も落ち着くだろう」との見方を示した。