ブイキューブ <3681> をご存知だろうか? テレビ会議やWeb会議等のコミュニケーションサービスを提供する東証1部上場企業だ。そのブイキューブ株が人気化している。新型コロナショックが世界の株式市場を揺さぶる中、テレワーク(在宅勤務)や遠隔医療等への期待から投資家の買いを呼び込んでいるようだ。後段で述べる通り、ブイキューブの株価はわずか1カ月半で約3倍に跳ね上がり、人気のバロメーターである出来高も20倍以上に膨らんでいる。

新型コロナウイルスの感染拡大で、日本経済はこの先どうなるのかまったく見えていない。そうした中、他人との物理的な距離を保つ「ソーシャル・ディスタンス」に努めながらも「経済を円滑に回す」テクノロジーのニーズが高まっている。ブイキューブはそうしたテクノロジーを有する企業の一つだ。今回は同社を中心に「テレワーク関連銘柄」を見てみよう。

ブイキューブの人気爆発、出来高は20倍超に

ブイキューブ,株価
(画像=AfricaStudio / shutterstock, ZUU online)

2月14日、ブイキューブの株価は年初来安値となる495円を付けていた。いわゆる小型株で、この時点の時価総額は120億円程度にすぎなかった。同社の2019年12月期決算は営業赤字、年初から2月14日までの1日の平均出来高は50万株程度でお世辞にも人気銘柄とは言えなかった。

ちなみに、日本で初めて新型コロナウイルスの感染者の死亡が確認されたのが2月13日だった。その後、国内でも新型コロナウイルスに対する危機感が急速に高まる中、ブイキューブの株価は上昇トレンドを描き始める。2月20日から25日まで3営業日連続でストップ高を記録したほか、3月3日、3月16日、3月30日とここまでで合計6度のストップ高を演じている。4月1日には2016年3月以来4年ぶりの高値となる1483円を記録、2月14日の安値495円からわずか1カ月半で約3倍に跳ね上がった。2月15日から4月1日までの1日の平均出来高は1000万株を超え、それまでの20倍以上に膨らむなど活況を呈している。

企業の決算説明会、就活セミナーのニーズも

ブイキューブは2004年からWeb会議をはじめとするビジュアルコミュニケーションサービス事業を展開している。日本国内のWeb会議市場におけるシェアは約3割で、この分野では13年連続でTOPの座に君臨している。同社の主力サービスは企業内のWeb会議(テレビ会議)システムの「V-CUBE」で、クラウド型のサブスクリプション契約がメインとなっている。

「V-CUBE」はパソコンのほか、スマートフォンやタブレットでも利用できる。高画質の映像の配信・録画機能に加え、チャットやアンケートで双方向のコミュニケーションを図ることもできる。ユーザーの好みにあわせてカスタマイズすることも可能で、テレワークはもちろんのこと、セミナーやオンライン授業、遠隔医療などへの用途が期待されている。