9日の日経平均株価は5営業日ぶりに小反落。前日比7円47銭安の1万9345円77銭で引けた。市場では、日経平均株価が2万円に接近すると、戻り売り圧力が高まるほか、日本銀行の上場投資信託(ETF)買い入れが減額されるとの見方から上値が重くなるとの声が聞かれた。
SMBC信託銀行の佐溝将司マーケットアナリストは9日、ZUU Onlineとの電話インタビューで、月内の日本株の見通しについて、「新型肺炎コロナウイルス感染拡大の収束が長引くとの想定や日本経済の弱さから目先の上値めどは2万円乗せ。戻っても2万円を超えるかどうか。4月に入り2万円に近づくと日銀のETF購入額が落ちる印象や、戻り売り圧力も出てくる。国により感染状況が違い、日本株の上値は重い」と分析した。
一方で、「下値めどは、コロナ収束を見据えて世界的にリスク選好となり、悲観ムードが高まらなければ、1万8000円程度。下値は固まってきた印象」と述べた。
新型肺炎コロナウイルス感染拡大のピークアウトを意識
8日の米国市場でダウ平均株価は急反発し前日比779.71ドル高の23433.57ドルで引けた。
佐溝氏は、米国立アレルギー・感染症研究所が、新型肺炎コロナウイルスの感染拡大が来週にも峠を越すのではないかとの見方を示したと説明し、「感染拡大がピークアウトするとの見方が強まっており、収束を意識する展開になっている」と述べた。
日本株は米国株に比べると戻りが弱い
その上で、「感染拡大に対して、市場は最悪の展開を意識していたが、悲観が巻き戻されている状況」と指摘。もっとも、「日本は世界から対応が遅すぎると批判を受けている。欧米に比べて、徹底した外出自粛などをやっていない状況なので、影響が長引く可能性がある。日本株は米国株に比べると戻りが弱い」と語った。
国内で8日に新たに確認された感染者数は500人を超え、過去最多を更新した。