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(画像=(写真=PIXTA))

市場関係者によると、企業の決算発表シーズンを迎え、日経平均株価は短期的に売り圧力が強まり、1万8000円割れを試した後、新型肺炎コロナウイルス感染拡大の鈍化に伴い、経済活動が正常化すれば、2万円台に乗せ、年末に2万1000円へ上昇する見通しという。日経平均株価は14日に大幅反発。前日比595円41銭高の1万9638円81銭で引けた。

企業決算本格化し目先は弱気

野村證券の池田雄之輔チーフ・エクイティ・ストラテジストは14日、ZUU onlineとの電話インタビューで、日経平均株価について、「企業決算が本格化する時期なので注意した方が良い。目先は弱気で、2万円台乗せよりも、1万8000円を割り込む方が確率としては高いと思う」と語り、6月末に1万7500円程度と予想している。もっとも、「各国の自粛・ロックダウン(都市閉鎖)が解除され、経済活動の再開見通しが示されれば、年末には2万1000円程度へ上昇する」と見込んでいる。

同氏は、「世界的な新型コロナの爆発的感染拡大から脱し、金融市場は危機的状況を脱して安定しつつある。ボラティリティ(変動率)も低下している」としながらも、「企業決算では、1−3月期業績や2020年度見通しが不透明なため目安にならない。実績・予想を公表しても材料にならず、むしろ配当の方が重要だと思う」と指摘した。

その上で、「皆、現金保有の強みを認識しており、大多数の企業が減益なので、配当を減らす志向が強まるだろう。減配は株には悪材料になりやすい。目先は1万8000円割れを試す材料になるのではないか」と述べた。

新型コロナ感染抑制・経済活動正常化なら年末2万1000円程度か

一方で、「各国の財政・金融政策が発表されており、2万円台を一瞬付けることはあっても、戻り売りの水準になるため、大きく超えることはないと思う。2万円突破には、感染封じ込めに成功し、経済活動が正常化するなどの明確な材料が必要で、夏場以降ではないか。2万円を本格的に超えるには時間がかかる」と語り、年後半に戻りを試す展開を想定している。

世界保険機関(WHO)や各国政府発表を集計した米ジョンズ・ホプキンス大学によると、世界の新型肺炎コロナウイルス感染者数は14日時点で累計187万人を超え、死者数は11万8000人を超えた。米国の死者は2万3000人を超え、世界最多となった。

ニューヨーク州のクオモ知事は13日の記者会見で、「最悪期は脱したと言えるかもしれない」と話した。

池田氏は、「感染者数・死亡者数でみても拡大ペースは緩やかになっており、少し楽観的な見方になりつつある。中国や欧米ではロックダウンにより、経済活動が抑制される半面、感染拡大ペースの抑制にもつながっている。日本も緊急事態宣言を出し、短期的な経済活動にブレーキはかかるが、将来の感染抑止効果にポジティブと期待感がある」と指摘。ただ「経済活動を再開して感染爆発となれば元の木阿弥になるので封じ込めが必要」とも語った。