任天堂 <7974> の株価が「V字回復」を鮮明にしている。3月13日、任天堂は新型コロナショックによる世界的株安の影響で年初来安値となる3万1880円を付けていた。しかし、感染拡大を防ぐために「#Stay Home(#うちで過ごそう)」の意識が世界的に広がる中でゲーム需要が増大、任天堂の株価も上昇に転じ4月15日には年初来高値となる4万6930円を記録している。3月13日の安値から47%上昇、わずか1カ月で新型コロナショックの下げ幅を取り戻している。

今回は任天堂の最新動向をお届けしよう。

楽しく運動不足を解消、フィットネスゲームの需要増大

任天堂,株価
(画像=Wachiwit / shutterstock, ZUU online)

世界的に「#Stay Home」の意識が広がる中、家庭用ゲームソフトの需要が高まっている。任天堂も例外ではなく、フィットネスゲーム『リングフィット アドベンチャー』が人気化、生産の遅れも影響して世界的な品薄状態にある。

『リングフィット アドベンチャー』は身体の動きを認識するリングコン、レッグバンドを装着しアクションゲームやRPGのような冒険を進める。プレイヤーの動きは画面上の主人公と連動しており、たとえば敵を攻撃するためにはヨガのポーズやスクワットなどの運動をしなければならない。ゲームを楽しみながらトレーニング効果も得られるのが最大の特長だ。

クラスター(感染者集団)リスクが指摘されるスポーツジムが臨時休業となる中、家庭で楽しく運動不足を解消するゲームとして『リングフィット アドベンチャー』は日本や欧米、中国等で人気化、世界的な品薄状態となりインターネット上では高額で売買する動きも伝えられている。

『あつまれ どうぶつの森』も好発進…思わぬ需要も

さらに3月20日発売の『あつまれ どうぶつの森』の好発進も株高を後押ししたようだ。どうぶつの森シリーズは2001年4月の第1作『どうぶつの森』を皮切りにこれまで本編を8作品、スピンオフを7作品リリースする任天堂の人気ゲームだ。プレイヤーは動物たちが暮らす村(島)に住み、住人たちとの交流やイベントを経験しながら、生活を楽しむ。もともとはRPGゲームとして開発されていたが、その後プレイヤー同士の交流がメインとなり、明確なゴールが設定されていない「自由度の高さ」が特徴となっている。