為替相場の行方
(画像=PIXTA)

前週末17日の米ダウ平均株価は前日比704.81ドル高の24242.49ドルで引けた。一方、週明け20日の日経平均株価は反落し前週末比228円14銭安の1万9669円12銭で引けた。ドル・円相場は1ドル=107円台後半で推移している。

市場関係者によると、新型肺炎コロナウイルスの感染状況の違いなどを背景に、米国株に比べて日本株はぜい弱で、日経平均株価は節目の2万円を意識し、戻り売りが出やすいという。またドル・円は下値模索の展開との声が聞かれた。

米国株と比べ日本株は相対的にぜい弱

しんきんアセットマネジメント投信の加藤純チーフマーケットアナリストは20日、ZUU onlineとの電話インタビューで、金融市場について、「米国は新型コロナ感染状況がピークアウトしつつあり、トランプ大統領が経済活動を段階的に再開する指針を示し、やや楽観的になっている。一方、日本は感染者数がまだ増えていることに加え、企業決算も悪化見通し。米国株と比べ、日本株は相対的にぜい弱」と指摘。「日経平均は2万円を意識していると思う。ドル・円は、徐々に下値を模索する展開ではないか。米国はリスク選好に動いており、ドル売りになりやすい」と述べた。

同氏は、米連邦準備制度理事会(FRB)など各国中央銀行によるドル資金供給を挙げ、「世界株が上昇して比較論で日本株が弱い中、ドルの需給が緩んでおり、ドル・円は下落傾向にある。徐々に105円台までドル安・円高に振れてもおかしくない」と指摘。「新型コロナ情勢を背景に、米金利は低水準にあり、国内機関投資家の動きは鈍く、ドル買いは期待できない」とも語り、今週は105円50銭〜109円50銭のレンジを見込んでいる。

原油相場の下落は需要低迷を示唆

日経平均株価に関しては、3月19日に付けた年初来安値(1万6358円19 銭)から急反発し、3月25日に付けた戻り高値(1万9564円38銭)を超え、「チャート的には上向き」と分析。「日銀は2万円より上で安定させたいだろうが、2万円近辺では戻り売りが出てくる。2万347円〜2万613円にギャップ(窓)があり、2万300円を超え、このキャップを埋めれば、本格的な回復になるが、当面は難しいだろう」と述べた。

その上で、「原油価格の下落が続いており、1バレル=20ドルを割れており、原油株も買えない。製造業を含め、原油需要が少ないことを示す。需要が出るのは、経済活動が再開されてからだろう」と述べた。

加藤氏は、「米国の感染者数は頭打ちになっているが、日本はこれから増えてきそう。医療崩壊や景気停滞懸念もある。5月6日までの外出自粛が延長されればダメージが広がる。徐々に経済活動を再開して、感染者数が再び拡大すれば、第2波が起りリスクになる。半年〜1年ですまないかもしれない」と説明し、日本株に慎重な見方を示した。