前日の米国株安の流れを引き継ぎ、1日の日経平均株価は大幅反落。前日比574円34銭安の1万9619円35銭で引けた。ドル・円相場は1ドル=107円前半で推移している。
金融市場関係者によると、日経平均株価とドル・円相場はリスクオン(選好)の流れが一服し、来週は8日に発表される4月の米雇用統計悪化への警戒感が強い中、方向感が出にくい見込みという。
日本株は、米雇用統計を受けた海外市場の動向次第か
りそなホールディングスの梶田伸介チーフストラテジストは1日、ZUU onlineとの電話インタビューで、来週の市場の見通しについて、「新型肺炎コロナウイルスの新薬開発期待があるが、まだ楽観的にはなれず、方向感は出にくい。日本の大型連休ゴールデンウイーク中の海外市場の動向次第だろう。日本株は、8日発表の米雇用統計次第。これまで買われた反動で若干調整気味でリスクオン一服」と述べた。
来週の日経平均株価は1万9000円〜2万500円程度、ドル・円相場は106円〜108円程度のレンジを見込んでいる。
市場では、4月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比2100万人減少、失業率は16.0%が予想されている。3月はそれぞれ70.1万人減少、4.4%だった。
同氏は、「米雇用統計は、非常に悪い数字が予想されている。米労働人口が約1億6000万人なので減少幅は、その約8分の1程度」と分析した。ただ、「米週間新規失業保険申請件数を踏まえるとサプライズ(意外)ではない。新規失業保険申請件数の方が速報性が高く、雇用統計で新たな動きが出る可能性は低いと思う。失業保険申請件数は落ち着いてきており、再度悪化するという訳ではないだろう」とも語った。
新型肺炎コロナウイルス、外出規制を緩めて感染者数が再び拡大する可能性も
梶田氏は、新型コロナの感染者動向について、「外出規制を緩めて、感染者数が再び拡大する可能性もある。感染者数が再度拡大するのか、感染が落ち着くにはまだ早いと思う」と指摘した。
その上で、「株は頭打ちで上値が重い。為替はドルの上値は重く、円は底固くなる印象。米金利は下げ止まりつつあり、国債入札を意識する流れ。米金利上昇とリスクオフ(回避)の円高に挟まれる形。ゴールデンウイークで商いが薄いため、警戒感はあるが、フラッシュ・クラッシュ(瞬間的急落)のような大きな動きが出ることはないと思う。各国が財政・金融政策を打ち出しており、実体経済、企業決算動向、感染者数などを見極める流れで、方向感が出にくいと思う」と述べた。