4月14日、食品スーパー「ライフ」を展開するライフコーポレーション(以下、ライフ) <8194> はアルバイトやパートタイマーを含む約4万人の全従業員に総額約3億円の「緊急特別感謝金」を支給することを明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大で政府が緊急事態宣言を発令する中、ライフへの来店客が増加、いわゆる「3密(密閉、密集、密接)」となりかねない環境で働く従業員の肉体的・精神的負担に寄り添った施策だ。

欧米でも新型コロナ禍で市民生活を支えるスーパーマーケット等の従業員に「ヒーローボーナス」と呼ばれる特別手当を支給する企業が出ている。SNSではそうした企業や従業員への感謝や称賛の声が寄せられており、世界的にも食品スーパー等のエッセンシャルワーカーはヒーローのような存在となっている。

株式市場でも食品スーパーの評価が高まっており、先週4月27日にはライフの株価が約5年ぶりの高値となる3690円を記録、他の食品スーパーも軒並み年初来高値を更新している。今回は新型コロナ危機から市民の生活を守る、ライフの最新動向をお届けしたい。

戦後の焼け野原で創業…2021年2月期は過去最高益へ

ライフコーポレーション,株価
(画像=Brian Ach/Getty Images, ZUU online)

ライフの源流は1945年、戦後の焼け野原で立ち上げた「清水商店」にまでさかのぼる。創業者の清水信次氏は当時19歳、戦地から帰還した彼は米占領軍物資の販売事業を手掛けていたが、やがて取引先の米軍基地内の食品スーパーに憧れを抱くようになる。そして、1956年に株式会社ライフを設立、1961年には大阪府豊中市に1号店を開設している。

清水商店から75年、現在のライフは首都圏および近畿圏を中心に275店舗を展開、2020年2月期の売上は7146億円と食品スーパーの最大手に成長している。ちなみに、食品スーパーとは「食品の売上構成比が70%以上」のスーパーマーケットのことで、これに対してイオンやイトーヨーカドーは総合スーパーと呼ばれる。

食品スーパー業界3団体が発表した全国食品スーパー売上高(速報値、既存店ベース)は、2020年2月に前年同月比で5.5%増と16カ月ぶりのプラスに転じ、3月には同7.4%増と伸びが加速している。冷凍食品やカップ麺など消費期限の長い商品の売れ行きが好調で、新型コロナウイルスの感染拡大で在宅時間が拡大し、自宅で食事をする需要が高まったことが主因と見られている。同売上高が7%以上増加したのは消費増税(5%から8%へ)を控えた2014年3月以来のことだ。