米動画配信大手ネットフリックスの快進撃が続いている。新型コロナ危機で人々の移動が制限される中、自宅で気軽に楽しめるサービスとして世界の会員数や売上、利益が大幅な伸びを示している。4月23日にはオリジナルアニメ『攻殻機動隊 SAC_2045』の全世界独占配信もスタート、ウォール街の市場関係者からは「ネットフリックスにとって魅力的なオリジナル作品の配信は会員獲得の生命線」(アナリスト)とも指摘される。

今回は新型コロナ禍で快進撃を続ける、ネットフリックスの話題を紹介する。

1~3月期は新規会員数が急増、純利益は2倍

ネットフリックス,株価
(画像=sitthiphong / shutterstock, ZUU online)

ネットフリックスの2020年1~3月期決算は売上が57億6800万ドルで前年同期比27%増、純利益は前年同期比2倍の7億0900万ドルで過去最高を更新した。1株利益は1.57ドルでこちらも同2倍に上昇したが、市場予想の1.64ドルには届かなかった。ちなみに、調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)も10億8000万ドルと前年同期(5億8400万ドル)の約2倍となっている。

世界の会員数は1580万人増の1億8290万人となった。ネットフリックスは700万人増を予想していたが、それを2倍以上も上回る増加となった。地域別では欧州・中東・アフリカで700万人増の5870万人となったほか、中南米が290万人増、アジア・太平洋360万人増、米国・カナダは230万人増加している。

オリジナル作品の制作休止に懸念も

ネットフリックスは2020年4~6月期について、会員数は3月末からさらに750万人増えると予想している。売上は60億4800万ドル、純利益は8億2000万ドル、1株利益は1.81ドルとなる見通しだ。

同時にネットフリックスは株主への書簡で、自宅待機命令が解除されれば視聴回数は減り、契約者数の伸びも鈍化する可能性にも言及している。加えて、為替市場のドル高が海外事業を圧迫するほか、新型コロナ危機でオリジナル作品の制作が休止しており、長期化すれば新作の配信に影響が出るのと懸念も示している。

冒頭で述べた通り、ネットフリックスにとって魅力的なオリジナル作品の配信は会員獲得の生命線との指摘もある。それだけに今後の影響が気になるところだ。