自己資金が少額でも大きな利益が出せる投資として注目を集めているFXだが、投資である以上、損失を出してしまうこともある。

時には取り返しがつかないほどの大損をしてしまう可能性もあるため、FXで大損しないためにはどうすればいいのか、気を付けたい5つのことを紹介していく。

少額でも始められる!FXとはどんな取引なのか

FX
(画像=PIXTA)

FXとは外国為替証拠金取引といい、他の国の通貨を売ったり買ったりすることで利益を出す投資だ。各国の通貨を交換する市場を外国為替市場といい、通貨の交換レートを為替レートという。この為替レートの変化を利用する取引がFXとなる。

FXとは為替の値動きを利用して利益を生み出す投資

FXは為替の値動きを利用し、利益を出す投資である。

通貨の価値は一定ではなく、各国の経済状況などに応じて刻々と変化していく。FXではこの変化を予想する。例えば1ドルが100円のとき、1万円を100ドルに交換する。その後、1ドルが110円に上がってから100ドルを円に交換すると、1万1000円になる。つまり1000円の利益が出るのだ。

FXの取引では円と他の通貨という組み合わせだけでなく、ドルとリラ、リラとランドなどさまざまな通貨を組み合わせて投資を行うことができる。より利益が出る通貨の組み合わせを予想し、投資していくことが利益を出すポイントとなる。

為替差益とスワップポイントの2つで利益が出る

FXで利益を出すには、為替差益とスワップポイントの2つの方法がある。

為替差益とは、為替の値動きを予想し、差額で利益を出す方法だ。1ドルが110円のレートで円をドルに交換し、1ドルが111円になった時点でドルから円に再度交換すれば1円の利益が出る。これが為替差益だ。

スワップポイントとは、各国の通貨の金利の差を利用した利益の出し方だ。FXでは金利の低い通貨を売って金利の高い通貨を買った場合、通貨を保有している間は金利の差額を受け取ることができる。

受け取れる差額のことをスワップポイントと呼ぶ。スワップポイントは日割りで計算されて毎日付与されるため、長期で保有すればするほど受け取るスワップポイントも増える。ただし金利の高い通貨を売って金利の低い通貨を買い戻す場合は、スワップポイントを支払わなくてはならないため注意が必要だ。

売りと買いどちらも利益を生み出す

一般的な株式投資では、これから値上がりしそうな株を安く買い、値上がりしてから売ることで利益を生み出す。つまり上昇トレンドが起こらなければ利益を出すことはできない。しかしFXでは値上がりでも値下がりでも、利益を出すことが可能だ。

例えば相場が上昇トレンドの場合、安いうちに買って高くなってから売ることで利益が出せる。一方で、下落トレンドの場合、高いうちに売って安くなってから買うことで利益が出せるのだ。トレンドが上昇していても下落していても利益が出せるというのは、株式投資とは違うFXならではの特徴と言える。

FXで大損してしまう理由とは

FXでは大きな損失を出してしまい、一瞬で資産を失ってしまったという投資家もいる。株式投資などとは違い、損失が大きくなる可能性もあるのは、FXならではの理由がある。詳しく解説していこう。

少額の資金で大きな投資ができるレバレッジ

FXの特徴でもあるレバレッジは、少額の資金で大きな投資ができるため投資を始めたばかりの個人投資家にとってメリットのある仕組みだ。

レバレッジとは「てこ」を意味する言葉で、FXでは自己資金よりも数倍の投資を行うことができる。例えば自己資金が10万円の場合、株式投資では10万円で買える株に投資を行う。しかしFXでは自己資金10万円をFX口座に入金すると、その数倍の取引を行うことができる。

例えば1ドルが110円のとき、10万円分ドルを買う。その後1ドルが111円に上がったとき、ドルを売って円を買うと10万909円となり、約909円の利益が出せる。しかし10倍のレバレッジをかけると、100万円までの取引が可能となり、利益は10倍、つまり9090円となる。

レバレッジで損失も大きくなる

少額の資金で大きな投資ができるのことが魅力のレバレッジだが、デメリットもある。レバレッジを使うことで利益は大きくなるが、損失も大きくなるということだ。

先ほどの取引で考えてみよう。円安ドル高になると予想し、1ドルが110円のときに10万円分ドルを買う。しかし予想に反して円高ドル安になり、1ドルが109円になった場合、9万9,090円となり909円の損失となる。このとき、10倍のレバレッジをかけていたとすると、損失も10倍となり9090円となってしまうのだ。

日本のレバレッジは25倍まで

日本のFX会社での取引の場合、レバレッジは最大25倍までと定められている。海外FX会社ではより大きなレバレッジをかけることも可能で、業者によっては最大1000倍にもなる。

25倍のレバレッジをかけた場合、先ほどの取引では利益も損失も25倍、2万2725円となる。少額の投資で大きな取引を行うことは、メリットもあるがリスクが高まるということでもある。自分の予想と反対にレートが動いた場合、損切りをして損失を少額に抑える必要がある。

しかし損切りをしない場合、資金の大半を失ってしまう可能性も出てくる。さらに損失が大きくなった場合、FX口座の残高がマイナスになることもあり、その場合は追証請求されることもあるので注意をしたい。

損失を食い止める強制ロスカットとは

自分の予想と為替レートが反対に動いた場合、損切りをしないままであれば損失がどんどん大きくなり、残高がマイナスになってしまう可能性がある。それを防ぐために行われるのが強制ロスカットだ。

強制ロスカットとは、FX口座に入金した資金以上に損失が大きくなる可能性があるとき、その前にシステムが自動でロスカットを行う仕組みだ。強制ロスカットが行われると、その時点での注文はすべてキャンセル、持っていたポジションは決済されてしまう。これでは狙っていた取引を行うことはできず、損失につながる。

強制ロスカットを防ぐには、まずは資金に余裕を持った取引を行うことだ。高レバレッジの場合は特に少しの値動きで強制ロスカットが行われてしまうため、レバレッジには余裕を持って取引をしていくことが大切となる。

強制ロスカットが作動せず、さらに損失が大きくなることも

損失を食い止めるために行われる強制ロスカットだが、強制ロスカットが間に合わない場合もある。為替レートの値動きが大きく動きすぎた場合、本来強制ロスカットを行う時点で決済が行えず、損失がかなり大きくなってから決済されてしまうのだ。

強制ロスカットが作動しない場合、損失はかなり大きくなり、追証請求が行われる。資産がゼロどころかマイナスになってしまうという訳だ。

近年では2015年に起こったスイスフランショックで、短時間で50円ほどレートが動き、大きな損失を出した投資家が続出してしまったことがある。とてつもなく大きな損失を生み出す可能性もFXにはあることを覚えておきたい。

FXで大損しないために気を付けるべき5つの注意点

FXで大損しないためにはどうすればいいのか、注意したい5つのポイントについて紹介していこう。

損切ルールを確定しておく

FXで大損しないためにまず気を付けたいのが、損切ルールを確定することだ。

当然のことだがFXは投資であるため、自分の予想と為替レートの値動きが異なり、損失を出してしまうことが多々ある。予想が外れたときに大切なのが、ここまで含み損が出たら損切りをして損失を確定させる、というルールを持っておくことだ。

損切りのルールが決まっていないと、もしかしたら取り戻せるかも、とズルズルとチャートをにらんだまま時間だけが過ぎてしまい、損失を膨らませることにつながってしまう。まずは損切のルールを自分の中で決めておくことが大切なのだ。

ルールにのっとって機械的に損切りする

損切りのルールを決めたとしても、それを守らなくては意味がない。損切りのルールを決めたら、ルールにのっとって機械的に損切りをしていこう。

今回は取り戻せるかも、もう少し待てば逆に利益が出るかもと思う場合もあるかもしれない。しかしルールを徹底していくことで、全体としての損失を小さくすることができる。損切のルールを徹底して守るようにしたい。

一度に大きなポジションを持たない

ポジションが大きくなればなるほど、為替レートの値動きが小さくても利益が出しやすくなる。しかし逆に言えば外れたときの損失が大きくなるということでもある。損失を大きくしすぎないためには、一度に大きなポジションを持たないということも効果的だ。

レバレッジはかけすぎない

FXでの損失を大きくする原因となるのがレバレッジだ。レバレッジは少額の資金で大きな投資を行うことができるだけに、FXが他の投資と違って利益が出せる理由ともなる。しかしレバレッジをかけることで読みが外れた場合の損失が大きくなることにもつながる。

例えばレバレッジをかけていない場合の損失が1000円だとすると、レバレッジ25倍の場合は2万5000円となる。FXで資金をすべて失うばかりかマイナスを出してしまうのは、レバレッジをかけすぎている場合が多い。レバレッジは確かに利益を大きくしてくれるが、損失もまた大きくすることを忘れてはいけない。

自分のトレードルールを定期的に見直しする

損切りやポジションの持ち方など、FXを続けていくうちに自分なりのトレードルールが固まってくる。しかしルールを見直さないままだと、そのルールが良いものかどうかが判断できない。そこで行いたいのがトレードルールの見直しだ。

自分の勝率や、どのようなポイントで損切り、利益確定を行っていたか、それが本当に良かったかを見直し、反省していく。するとより利益が出せる自分なりのルールが固まっていく。

週末や月末など、定期的に見直しを行うことで、利益を出し損失を小さくするルールが固まっていくはずだ。

FXで絶対に損失を出さない方法はない。すべての為替の値動きを予想し、当てることはできないからだ。しかし損失をなるべく小さくすることで、トータルで見たときの利益を大きくすることができる。まずは損切りのルールを徹底し、大損を防ぐようにすると良いだろう。

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※ファイナンス・マグネイト社調べ(2012年1月~2019年12月)