FXにはさまざまなトレードスタイルがある。その中でも持ち越しのリスクがなく、資金効率がよいスタイルとして注目されているのがスキャルピングだ。

今回はスキャルピングとはどのようなトレードスタイルなのか、メリットやデメリットについて詳しく紹介していく。

FX取引におけるスキャルピングとは何か?

FX
(画像=PIXTA)

スキャルピングとは、FXにおいて超短期のトレードを繰り返し、小さな利益を積み重ねていくトレード手法のことだ。

もともとの語源は「頭皮をうすく剥ぐ」という意味を持つアメリカ原住民の風習からきている。そこから頭皮を薄く剥ぐようにコツコツと利益を剥ぎ取っていくトレード手法としてスキャルピングという言葉が生まれたとされている。

スキャルピングとは超短期の売買を繰り返すトレードスタイル

スキャルピングの特徴は、超短期の売買を繰り返すという点だ。数十秒から数分という短い時間で売買を繰り返す。1度の取引による利益は少ないが、積み重ねていくことで利益を大きくしていく。

相場はある一定の期間、同じ方向へ向かう特徴がある。それを利用し、最小の時間で小さな利益を確実に手に入れるためのトレード手法だ。

デイトレードよりもポジションを持つ時間が少ない

同じ短期のトレード手法にデイトレードがある。デイトレードが売買を一日の中で完結させるのに対して、スキャルピングはポジションを持つ時間が数分とかなり短い。トレード時間を最小限にしたデイトレードが、スキャルピングであると考えていいだろう。

スキャルピングのメリットとは

短時間で売買を繰り返すスキャルピングにはさまざまなメリットがある。どんなメリットがあるのか詳しく見ていこう。

時間と資金を効率的に使って利益が出せる

スキャルピングのメリットとしてまず挙げられるのが、時間と資金を効率的に使えるという点だ。デイトレードの場合、ポジションを持ったら数時間かけてチャートを見続け、ここぞと思うタイミングでトレードをしなくてはならない。

しかしスキャルピングは長くて数分で売買を完了させるため、時間を効率的に使うことができる。例えば日中は本業を持つ兼業投資家の場合、朝ポジションを持って仕事をしている間にチャートが自分の予想と違う動きをしてしまい、損失を出してしまう可能性がある。

スキャルピングであれば短時間で売買を完結させるため、仕事前や仕事が終わった後にトレードすることが可能だ。FXは平日であれば24時間取引が可能なため、さらに効率的となる。

また、資金効率がよいのもスキャルピングの特徴だ。短時間で売買を繰り返すため、資金をどんどん回転させ、利益を生み出すことができる。さらに短時間で取引を終了させるため、レバレッジをかけたときのリスクが少ない。レバレッジをかけることで、より効率的に利益を生み出すことができるのだ。

ポジション持ち越しのリスクが少ない

スキャルピングのメリットとして次に挙げられるのが、短時間で売買を完了させることによってポジション持ち越しのリスクが少なくなるという点だ。

長期トレードの場合、相場が自分の予想と反対に動いてしまうと大きな損失を出すことにつながってしまう。デイトレードは日をまたがずにトレードを完了させることで、チャートを見ていない時間に相場が予想と違う動きをしてしまうリスクを避けている。ポジションを次の日に持ち越すことで、よりリスクは増してしまうからだ。

スキャルピングの場合はさらに短時間で売買を完了させることで、ポジションを持ち越すリスクを避けることができる。ポジションを持ち越さないことで、寝ている間に相場が大きく動く心配もない。

短期間で相場観を養える

スキャルピングの3つ目のメリットは、短期間でトレードを繰り返すことで相場観を養えるということだ。デモトレードなどもあるが、やはり実際に資金を動かして取引を行うことで、よりリアルな相場観が養われていく。

スキャルピングは短期間で多くの取引を実際に行うことができるトレード手法だ。本物の資金を使ってトレードを行うことで、相場観を養うことができる。資金も少ない初心者にとって、多くの取引を実際にできるスキャルピングは相場観を養うという観点でもメリットとなるのだ。

自動取引で利益を生み出すことも可能

スキャルピングは短期間で取引を繰り返さなくてはいけないため、集中力と根気が必要だ。しかし自動取引ツールを使えば、最初に設定を行うだけで自動的に利益を生み出すことも可能となる。

自動取引ツールはさまざまなものが出されており、それぞれ特徴が違う。「これは!」と思う取引ツールを使うことができれば、かなり大きなメリットとなるだろう。ただし自動取引ツールは万能ではなく、利益が出ない場合もある。

またFX相場は常に変化しているため、利益を生み出していた自動取引ツールであっても、相場の変化により勝率が下がってしまうこともある。きちんと見極めて使うことが大切となる。

スキャルピングのデメリット

当然だがスキャルピングには、メリットだけでなくデメリットもある。きちんとデメリットも把握しておくことでリスクを減らすことができる。スキャルピングのデメリットについても見ていこう。

スプレッドコストが多い

短時間で数多くの売買を繰り返すスキャルピングでは、スプレッドコストが多くなってしまうのがデメリットだ。スプレッドとは「買値と売値」の差額のことで、FXにおいては実質的な取引手数料となる。

FXでは常に買値と売値には差額がある。チャートがまったく変わらなかった場合、売買を行っても利益も損失も出ないはずだ。しかしスプレッドがあることで、チャートがまったく動かなかった状態で売買を行うと、スプレッド分が損失となってしまう。

スキャルピングは少額の利益を短時間で積み重ねていくことで、利益を生み出すトレード手法だ。何度も売買を行えば、その度にスプレッドを支払う必要がある。少額であっても何度も繰り返すことでスプレッドコストも大きくなってしまうのがデメリットだ。

根気と集中力が必要

自動取引ツールを使わずにスキャルピングを行う場合、何度も売買を繰り返す根気と集中力が必要となる。取引を行う時間はチャートに張りついていなくてはならないからだ。

スキャルピングでは大きな値動きではなく、小さな値動きを狙って売買を行うため、基本的にトレード中はずっとチャートに張りついている必要がある。一度のトレードで得られる利益も少ないため、ある程度繰り返さなくてはいけない。根気と集中力が必要となるトレード手法なのだ。

損切りができない場合に大きな損失を出す

スキャルピングでも自分の予想と為替レートが違う動きをする場合がある。そのときに損切りできず、ズルズルとポジションを持ち続けてしまうと大きな損失を出してしまう可能性がある。

これはFXであればどのトレード手法であっても同じだが、スキャルピングの場合レバレッジをかけている場合も多く、より損切りできなかったときのリスクも大きくなる場合がある。きちんと損切りしていくことがスキャルピングにおいても重要なのだ。

FX口座が凍結される可能性がある

FX会社によっては、自動取引ツールなどを使ったスキャルピングは規約違反になり、最悪の場合FX口座が凍結される可能性があるのもデメリットだ。特にFX会社が提供している取引ツール以外の外部ツールを使ってのトレードは禁止されている場合が多く、凍結の可能性が高い。外部ツールを使ってのトレードはFX会社のサーバーに負荷をかけ、システムダウンにつながる可能性があるからだ。

手動での取引の場合はOKだが、取引ツールなどを用いてスキャルピングを行う場合は、口座凍結のリスクがあることを頭に入れておこう。

スキャルピングに向いているのはどのような口座か?

スキャルピングをトレード手法として選ぶ場合、どのFX会社で口座を開設するのがいいのだろうか?スキャルピングに向いているFX会社を選ぶポイントを紹介しよう。

スプレッドは最狭を選ぶ

スキャルピングではスプレッドコストが積み重なり、大きくなるためスプレッドは最狭となっているFX会社を選ぶことが大切だ。スプレッドの差がたとえ0.1pipsであっても、トレード回数が100回、1000回と増えていくにつれて大きくなっていく。スプレッドについてはかなり注意してFX会社を選びたい。

約定力が高い

約定力とは、FXにおいては「自分が意図したレートで決済ができる」力のことを指す。為替レートは常に動いているため、自分が注文ボタンを押してから注文が成立されるまで、タイムラグが発生する。このタイムラグが少なく、約定拒否が起こる回数が少ないFX会社は約定力が高いとされる。

約定力の違いはFX会社が使用しているサーバーの処理能力によるとされている。約定力が低ければ、自分が意図した価格からすべって、想定していない額で約定がされてしまうスリップページや、あらかじめ設定していた範囲以上にすべってしまい約定できない約定拒否が起こる。

スリップページや約定拒否が起こると、自分が考えていたトレードができず、コストが増えてしまったり、損失を出してしまったりする可能性がある。短期間で頻繁にトレードを行うスキャルピングでは、少しのズレが大きな損失へつながることもあるため約定力が高いFX会社を選ぶ必要があるのだ。

取引ツールが使いやすい

頻繁に取引を行うスキャルピングでは、取引ツールの使いやすさも重要だ。取引を行うにはFX会社が投資家に提供している取引ツールを使う必要がある。取引ツールが使いにくくてはストレスが溜まるだけでなく、タイミングを見極めて取引を行おうとしてもズレが生じる可能性がある。

取引ツールはPC、スマートフォンなど使うデバイスによっても異なる。自分がどのデバイスを使って取引を行うのかも考えて使い勝手をチェックしておこう。

スキャルピングをする際の注意点

スキャルピングはリスクが少ないとされるトレードスタイルだが、注意点ももちろんある。スキャルピングを行う場合の注意点を紹介しておこう。

過剰な量のポジションを持たない

スキャルピングはトレードフォローがほぼ機能しないという特徴があり、値動きがサインどおりにいかないことがある。そのため為替相場が予想と違う動きをして損失を出してしまうことがある。

損失を致命的なものにしないためには過剰な量のポジションを持たないことが重要となる。高いレバレッジをかけたくなることもあるが、ある程度までに留めておくことが大切だ。

損切りラインを決めておく

予想と違う値動きとなったとき、含み損を抱えることになる。超短期でトレードを行うスキャルピングでは、値動きが予想と反して含み損を抱えたとき、「もう一度予想どおりにチャートが動くのでは?」と思い、損切りが遅くなってしまうことがある。しかしそれを行ってしまうと、損失がどんどんと膨らんでいくことになる。

こうした事態を防ぐためには自分の中で損切りラインを決めておき、徹底して守ることだ。心理的に難しいことではあるが、きちんと損切りをしていくことがリスクを減らすことにつながる。自分のトレードスタイルを確立するためにも、損切りラインはしっかりと決めておこう。

スキャルピングはFXならではのトレードスタイルだ。資金効率もよく、自分の空き時間を使って取引を行うことができるので兼業投資家でも挑戦しやすい。自分のトレードスタイルを確立することで、利益を出すこともできる。まずはFX口座を開設し、自分に合った投資スタイルかどうか確かめてみてはいかがだろうか。

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※ファイナンス・マグネイト社調べ(2012年1月~2019年12月)