FXを行っている多くの方が、サラリーマンやOLや主婦や学生などの本業があり、1日中チャートを見ることは難しい環境にあると思われる。特にポジションを保有している場合、常にスマホなどで状況を確認したくなるが、サラリーマンが仕事中にチャートをチェックすることは困難である。

しかしそんな忙しい方でも、隙間の時間に取引できるスタイルがスキャルピングという手法だ。そこで今回、スキャルピングについて詳しく紹介する。

目次

  1. FXのスキャルピングとは?
  2. 他の取引手法との違いは?
  3. FXのスキャルピングのメリットは
  4. FXのスキャルピングで気をつけたい注意点
  5. FXのスキャルピングは、豊富な経験と知識が必要
  6. 実際にFXを始める

FXのスキャルピングとは?

語源は頭の皮を剥ぐというインディアンの行為からきており、短期間で薄い利益を積み重ねていくという取引手法のことである。数十秒から数分というスピード重視のスタイルで、ポジションを長く保有しないことでリスクの軽減につながるというFXにおける投資法だ。その瞬間の相場の状況にもよるが早い場合は数秒で利益を確定することもある。

方向感がある場合は少し長めの時間をかけることもあるが、長くても数分程度である。1回あたりの利益は少ないが、スキャルピングを繰り返すことで利益を積み上げていくことが可能となる。瞬間的に利益を確保できるスタイルが支持され、近年では個人投資家を中心としてスキャルピングによるFX取引を行う人が増えている。

他の取引手法との違いは?

スキャルピングは他のデイトレードやスイングトレード、ポジショントレードのどの手法よりも利益確定が早いのが特徴である。為替変動の周期が極端に短いので損切りでもリスクは少ないので、レバレッジを使い利益を大きくすることも可能だ。しかし、他の手法より1回の取引で得られる利益は非常に少ないので回数を多くこなすことが必要となる。サラリーマンなどが昼休憩などの短い時間で瞬時に利益を確定したい場合などはスキャルピングが向いている。

かつてはスキャルピングという手法はなかったが、ネットでFXの取引が可能になってから確立した。個人投資家でもネット上でのストリーミング注文が可能となり、プロのディーラーのようにリアルタイムで売買が行えるようになったから実現した手法と言える。

FXのスキャルピングのメリットは

最近では上昇トレンドにある通貨ペアであっても、短期間で市場が変化することもある。つまり長期間ポジションを保有すること自体が大きなリスクなのである。そんな中、スキャルピングの最大のメリットはポジションを長時間保有しないため、相場の大きな変動やトレンドの発生などによる影響を殆ど受けないということである。もし間違った方向のポジションを保有してしまっても、短期間で躊躇なくロスカットすることでリスクを軽減できる。

またスイングトレードやポジショントレードなど、ポジションを翌日に持ち越すFX取引では、為替変動が気になり安眠できないということも多々ある。その点、スキャルピングであれば、ポジションを翌日まで保有することはなく比較的メンタルに優しい手法であると言える。

さらに、スキャルピングは一日に何度も取引を繰り返すので、短期間の間で失敗と成功を繰り返し、経験値を高めることができる。そのため、他のどの手法よりもより短期間で相場感を養うことができることもメリットと言える。

スキャルピングなら自動でFX取引を行うことができることもメリットの一つだ。一定の値幅を繰り返すレンジ相場なら、下降の始まりと上昇の始まりが分かれば自動取引も可能だ。自動取引のソフトウエアも販売されており、パソコンで設定すれば画面に張り付いて相場を観察する必要もなくなる。

FXのスキャルピングで気をつけたい注意点

スキャルピングでは瞬時の判断力が必要である。自分独自の売買ルールで取引を行っていたとしても、一瞬の迷いやまごつきで決済することができず、利益を逃すこともあるので注意が必要だ。スピードの確保には環境を整えることも必要である。

デイトレードやスイングトレードなど比較的長時間かけるFX取引の場合は屋外のWi-Fiに接続して取引を行うこともある。しかし、スキャルピングではトレード中の回線の不具合は、数分であっても利益の損失に繋がることもある。そこで有線の安定した回線をメインとし、さらにWi-Fiで使用できるiPadなどで不具合にも対応できる環境を整えることをお薦めする。

また1回の取引での利益が少ないスキャルピングを行うにはできるだけスプレッドの狭い業者を選ぶことが必要だ。数pipsの利益を得るために0.3pipsが固定の業者であれば比較的利益は出しやすいが、スプレッドが高ければ高いほど利益は出しにくくなる。相場の値動きを読んで、スプレッド分のマイナスが薄まる相場で取引しなければスキャルピングの旨味は少ないと言える。

さらに一番気を付けないといけないは、 業者によってはスキャルピングによる取引は口座を凍結される恐れがあるということである。スキャルピングにも2種類あり、「分スキャルピング」と言われる決済までに数分かける取引の場合はあまり問題視されないが、「秒スキャルピング」と言われる60秒以内での決済を繰り返す取引の場合、毎月大きな利益を生み出しているとサーバーへの負担が大きすぎる等の理由で口座を凍結される恐れがある。

FXのスキャルピングは、豊富な経験と知識が必要

スキャルピングにもメリットとデメリットがあり、メリットを多く得るためには多くの経験が必要なようだ。相場感も経験も環境もない初心者では利益を出すのは困難と言える。まずは他の手法からスタートして、経済や国際ニュースに関心を持ち、相場感を養いつつ環境を整えてからスキャルピングに挑むというのが定石かもしれない。

ただ、ゲーム感覚で手軽にFXを楽しみたいという人にとっては、結果がすぐにでるスキャルピングは最適とも言える。いずれにしても目的を見失わず自分のスタイルにあった手法を見つけることが必要だ。

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※ファイナンス・マグネイト社調べ(2012年1月~2019年12月)