ニューモント・マイニングは米コロラド州グリーンウッドビレッジを拠点とする世界最大の金鉱山会社である。新型コロナウイルスの感染拡大で景気後退懸念が世界的な広がりを見せる中、安全資産の代名詞とされる「金(GOLD)」に投資マネーが集まっている。そうした状況下、金価格をも上回る勢いで上昇しているのが金鉱山会社の株価(金鉱株)だ。

今回は世界最大の金鉱山会社、ニューモント・マイニングの最新動向をお届けする。

世界最大の金鉱山会社、純利益は845%増

ニューモント・マイニング,株価
(画像=metamorworks / pixta, ZUU online)

5月5日、ニューモント・マイニングが発表した2020年1~3月期決算は売上高が前年同期比43%増の25億8000万ドル、純利益は同845%増の8億2200万ドル、1株利益は1.02ドルと前年同期の0.16ドルから大幅に増加した。

ニューモント・マイニングは、新型コロナ危機でもほぼすべての鉱山で操業を継続することができた。その結果、1~3月期の金生産量は前年同期比20%増の148万オンスとなった。一方、同期の金の販売価格は1オンス当たり1591ドルで同22%上昇している。増産と販売価格の上昇が純利益を押し上げたほか、いくつかの手持ち資産の売却も業績に寄与した。

EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は11億ドル、フリーキャッシュフローは6億1100万ドルの黒字で資金繰りは良好だ。

2カ月で株価は2倍、79%の増配も実施

株価を見てみよう。ニューモント・マイニングの過去52週間の安値は昨年5月29日の31.10ドル、高値が今年5月19日の69.13ドルで、この1年で株価は122%上昇している。特に新型コロナ危機が世界的に広がった3月以降の上昇が顕著で、3月16日の安値33.00ドルから2カ月ほどで2倍に跳ね上がっている。

ニューモント・マイニングは、4月に四半期配当を0.14ドルから0.25ドルへ79%引き上げた。6月4日時点の株主に対して6月18日に支払われる。株価が急上昇したこともあり、配当利回りは1.48%と決して高くはないが「10年債利回りが1%を大きく下回る中で、相対的に見れば決して悪くはない」(アナリスト)と指摘される。