6月22日、生活用品大手のライオン <4912> の株価が2587円と過去最高値を更新した。3月2日の安値1763円から47%の上昇である。背景には新型コロナ禍でハンドソープ、ハンドジェルなど衛生関連品の売上急増が指摘されるが、いまや手洗い・手指消毒はWithコロナ時代の「ニュー・ノーマル(新常態)」と言っても差し支えないだろう。
今回はライオンの最新動向をリポートする。
Withコロナ時代「ニュー・ノーマル」の必需品
6月23日、米IT大手のアップルはWWDC20(世界開発者会議)にて、新しいアップルウォッチのOSに「手洗いタイマー」を搭載することを明らかにした。マシンラーニングにより、手の動きと水の音から手洗い動作を検知、手洗いに必要な時間を自動的にカウントダウン表示するというものだ。アップルウォッチといえばウォーキングやランニング、トレーニングなど一日の運動量のライフログを記録する機能が人気であるが、新しいOSには「正しい手洗い」を実践するための機能が搭載されることになる。
手洗いだけではない。国内では緊急事態宣言の解除で小売店や外食店、スポーツジム等に人が戻り始めているが、いまや多くの店舗で「アルコール消毒液」は欠かすことが出来なくなっている。これも半年前には見られなかったWithコロナ時代のニュー・ノーマルと言えるだろう。
ちなみに、国内衛生関連品5市場の2020年3月の売上動向を見るとハンドソープが前年同月比3.3倍、手指消毒剤が同12.4倍、うがい薬3.5倍、ウェットティッシュ3.0倍、除菌剤が4.7倍と急増している(ライオンの説明会資料)。衛生関連品5市場は国内はもちろんのこと、ニュー・ノーマルの必需品として世界的にも拡大傾向が見込まれている。
ライオンは、ハミガキや歯ブラシ等のオーラルケアのほか、ハンドソープでも国内でトップシェアを握る企業だ。衛生関連品ではハンドソープの「キレイキレイ 薬用ハンドソープ」「キレイキレイ 薬用ハンドジェル」、アルコール消毒液の「サニテートA ハンドミスト」「ハイアルコールスプレー」などが業績を牽引する商品として注目されている。