外国の資産に投資できる金融商品として人気の外債(外国債券)。日本の債券とはいくつか異なる特徴があるため、投資をするには商品内容をしっかりと把握することが肝心だ。併せて外債ならではのメリットおよびデメリットも確認しよう。

外債(外国債券)とは

外債(外国債券)とは?メリットデメリットと併せて代表的な商品を3つ紹介
(画像=JJGouin/stock.adobe.com)

外債とは、発行市場もしくは発行体、発行通貨のいずれかが外国である債券のことをいう。ここではまず、外債と呼ばれる各種債券の基本事項および種類について詳しく見ていこう。

外国や外国法人が発行したもの

外債の1つとしてまず挙げられるのは、外国や外国法人といった海外の発行体が発行した債券だ。そのうち、元本の払い込みや利子および償還金の受け取りが外貨で行われるものが「外貨建て債券」と呼ばれる。

海外の発行体が発行した債券の中には、元本の払い込みや利子および償還金の受け取りが日本円で行われる「円建て外債」ものもある。円建て外債の基本事項と2つの種類を以下で確認しよう。

・円建て外債とは?
円建て外債とは、外国や外国法人が発行した債券のうち、元本の払い込みや利子および償還金の受け取りなどのやり取りを日本円で行うものをいう。日本円で取引ができるため直接的な為替リスクがなく、投資初心者でも比較的投資がしやすい点が魅力だ。円建て外債は、発行市場によってさらに以下の2つにわけられる。

▽円建て外債の2つの種類
・サムライ債(サムライボンド):日本国内の市場で発行される
・ユーロ円債:外国の市場で発行される

サムライ債(サムライボンド)は、非居住者である海外の発行体が日本国内の市場で発行する円建ての債券だ。国際機関や外国の政府、外国企業などが円を直接調達するために発行する。

ユーロ円債は、国内もしくは海外の発行体が、海外の市場で発行した円建て債券をいう。自国の市場以外で通貨を取引する場合にその取引市場を「ユーロ市場」と呼ぶことに由来する名前であり、欧州共通通貨のユーロと直接の関係はない。ユーロ円債は、海外の市場で発行される外債だが、日本円で取引および利子の支払いが行われるため直接的な為替リスクがなく、比較的投資をしやすい外債の1つだといえるだろう。

外国通貨建てのもの

外国通貨で発行された債券は、外貨建て債券とも呼ばれる。「米ドル建て債券」や「豪ドル建て債券」「ユーロ建て債券」などの名前で取引が行われているもっとも一般的な外債の1つだ。外貨建て債券は、外貨で元本の払い込みや利子および償還金の受け取りが行われる。そのため、為替リスクがある点は知っておこう。

なお、外貨建て債券の中には元本の支払いと利子および償還金の受け取りが2種類の通貨で行われる「二重通貨建て債券」もある。二重通貨建て債券には2つの種類があり、仕組みや為替リスクなどが異なるため、それぞれの違いをしっかり確認しよう。

・二重通貨建て債券とは?
二重通貨建て債券は、元本の支払いと利子および償還金の受け取りが2種類の通貨で行われる債券だ。二重通貨建て債券には、以下の2つの種類がある。それぞれの特徴を確認しよう。

▽二重通貨建て債券の2つの種類
・デュアル・カレンシー債
・リバースデュアル・カレンシー債

デュアル・カレンシー債は、元本の支払いと利子の受け取りが同一通貨、償還金の受け取りが別の通貨で行われる外債だ。たとえば、米ドルで元本の支払いおよび利子の受け取りを行い、日本円で償還金が支払われる場合などが挙げられる。

リバースデュアル・カレンシー債は、元本の払い込みおよび償還金の受け取りが同一通貨、利子の受け取りが別の通貨で行われる外債だ。元本の支払いと償還金の受け取りが日本円で行われ、保有中の利子の受け取りが米ドルで行われる債券などが、リバースデュアル・カレンシー債として挙げられる。

デュアル・カレンシー債およびリバースデュアル・カレンシー債は、商品によって償還の条件などが変わるケースがある。条件次第でリスクの大きさなどが変わるため、事前にしっかりと確認することが肝心だ。

新発債・既発債とは

外債には新たに発行される新発債と、すでに発行され市場に流通している既発債の2種類がある。

新発債は、新たに募集される債券だ。購入価格は発行価格となり、保有中に得られる利息が投資の利益となる。

既発債は、発行から一定の期間が経過し、すでに市場で流通している債券をいう。既発債の特徴は、購入価格が時価である点だ。発行価格よりも安い価格で購入できれば、利息に加え償還時に償還差益を得られる。ただし、高値で購入してしまうと利息を受け取っても償還差損が発生する可能性がある点には気を付けよう。

外債(外国債券)のメリット

投資資産に外債を組み入れることは、リスク分散などの面から有効だといわれる。ここでは、外債に投資を行う具体的な3つのメリットを見ていこう。

外債(外国債券)のメリット1. 日本の債券より利回りが高いことが多い

外債のメリットの1つ目は、日本の債券より利回りの代表的な外債(外国債券)高い商品が多い点だ。たとえば、2022年10月17日時点の個人向け国債(変動10年)の利率は0.17%(税引前/年利)だ。一方、米ドル建ての外債は3~4%の利率が設定されているものもある。リターンの大きな資産に投資をしたいと考えるなら、外債は有力な選択肢となるだろう。

外債の利率が高い理由には、外国の方が日本に比べて政策金利が高い状態にあることが挙げられる。政策金利は景気や物価の安定などを目的とし、中央銀行が設定する短期金利だ。政策金利が高い国ほど、債券の金利も上がるとされる。では、主要先進国の政策金利はどのくらいなのか。以下で確認しよう。

▽主要先進国の政策金利(2022年10月24日時点)

国名政策金利
日本-0.10%
アメリカ3.00~3.25%
欧州0.75~1.50%
オーストラリア2.60%
ニュージーランド3.50%
※筆者作成

日本の政策金利は、主要先進国の中で唯一マイナスだ。そのほかの国は、3%前後となっている。日本の政策金利がもう少し上がらない限り、日本の債券よりも外債の利回りが高い状態は続くだろう。

外債(外国債券)のメリット2. 為替差益を狙える

外債のメリットの2つ目は、為替差益を狙える点だ。外貨建て債券なら、債券の金利に加え為替差益での利益の獲得も目指せる。

為替差益とは、為替レートの変動により生じた利益のことをいう。為替レートは日々変動している。その変動を利用し、タイミングよく通貨の交換をすることで得られるのが為替差益だ。

たとえば、1ドル120円のときに120万円で1万ドル購入したとしよう。その後、1ドル135円になったタイミングで1万ドルを円に戻すと135万円受け取れるため、15万円の為替差益を得られたことになる。利益を得るチャンスを増やし積極的な投資を目指すなら、外貨建て債券も有力な選択肢となるだろう。

外債(外国債券)のメリット3. 値動きが日本株と異なるため、分散投資効果が狙える

外債のメリットの3つ目は、値動きが日本株と異なるため分散投資効果を狙える点だ。分散投資とは、投資資金を複数の資産にわけて投資することで、価格の値下がりにより資産が減少するリスクを分散させる投資手法である。

株や債券といった資産は、経済状況などによって値動きの傾向がそれぞれ異なる。値動きの異なる資産を合わせて保有することで、どのような経済状況でも安定的な資産運用を目指せるのが、分散投資を行う最大の目的だといえるだろう。

日本株と外債が分散投資に効果的とされるのは、一般的に債券は不景気時に、株式は好景気時にそれぞれ価格が上昇するとされるからだ。株式と債券を併せ持つことで、景気状況に左右されることなく安定的な資産の運用を目指せる。日本株をすでに保有している人や、日本株への投資を検討している人は、外債への投資を検討してもよいだろう。

外債(外国債券)のデメリット

外債に投資をするなら、いくつかのデメリットおよびリスクも知っておく必要がある。ここでは、外債への投資で気を付けるべき3つのポイントを見ていこう。

外債(外国債券)のデメリット1. 為替変動の影響を受ける

外債のリスクの1つ目は、為替変動の影響を受ける点だ。外債には、メリットで解説した為替変動による為替差益を得られる可能性がある一方、為替差損が発生するリスク(為替リスク)もある点は知っておくべきだろう。

たとえば、1ドル130円のときに130万円で1万ドルを購入したとしよう。その後、1ドル120円になったタイミングで円に戻すと、120万円しか受け取れない。つまり、10万円の為替差損が発生してしまうのだ。

為替差損の発生を防ぐには、為替レートのタイミングを見て通貨の交換を行うことが何より大事だ。不利な為替で通貨交換を行わずにすむためには、使い道のない余裕資金で投資を行うことがポイントとなる。

外債(外国債券)のデメリット2.価格変動による元本割れの可能性がある

外債のリスクの2つ目は、価格変動による元本割れの可能性がある点だ。債券も株式と同様に日々値動きがある。満期まで保有すれば額面金額と同額の償還金を受け取れるため価格変動の影響を受けないが、満期前に債券を売却する場合は注意しよう。

満期前に売却した場合、受け取れるのは時価をもとに計算した売却額となる。売却時の価格によっては、元本割れとなる可能性があることは知っておくべきだろう。

価格変動による元本割れの可能性を抑えるには、満期まで保有できる資産を投資すること、そして不測の事態が発生したときにすぐに利用できるよういくらかの現金を手元に残しておくことが肝心だ。外債は商品によって満期までの期間が異なる。投資前にあらかじめ期間を確認し、満期まで保有が可能な資金で投資をスタートしよう。

外債(外国債券)のデメリット3.信用リスク・流動性リスクがある

外債のデメリットの3つ目は、信用リスクおよび流動性リスクがあることだ。

・信用リスク
信用リスクとは、債券を発行した国や企業といった発行体がデフォルト(債務不履行)に陥る可能性のことをいう。発行体が債務不履行になると、元利金の受け取りができなくなる可能性がある。そのため外債に投資するなら、信用リスクは必ず確認したいポイントだ。特に、金利が高い債券は信用リスクが高いケースも少なくないため、慎重な投資判断が必要になるだろう。

信用リスクを抑えるには、債券購入前に格付けをチェックすることが重要だ。格付けは、格付機関が債券やその発行体などの債務支払能力を評価し発表しているもので、信用力を計る材料となる。債券購入時には、必ず事前に格付けも確認しよう。

・流動性リスク
流動性リスクとは、金融商品や証券を市場で取引できなくなるリスクだ。市場で取引できなくなるケースとしては、発行体の知名度や債券の魅力が低く取引を希望する投資家が極端に少ない場合が考えられる。そのほか、たとえば新興国の債券などでは、情勢不安などにより市場での取引ができなくなるケースもあるだろう。

市場での取引ができなくなった場合、希望する価格で売買ができないだけでなく、そもそも債券を売却できない事態にもなりかねない。債券に投資をするなら、信用リスクと併せて流動性リスクも事前にしっかり確認するべきだ。

代表的な外債(外国債券)

外債には色々な種類があるため、どの商品に投資すればよいか悩む人もいるだろう。ここでは、米ドル建てを中心に代表的な外債を3つ紹介する。

代表的な外債(外国債券)1. 米国国債(ストリップス債)

▽米国国債(ストリップス債)の概要

項目詳細
発行体アメリカ合衆国
発行通貨米ドル
参考利回り4%程度
格付けAA+(S&P)/Aaa(Moody's)
※出典:楽天証券

米国国債(ストリップス債)は、アメリカ合衆国が発行体の国債だ。信用力があり、高い利回りが期待できることから、人気の外債の1つとなっている。

米国国債(ストリップス債)の特徴は、発行された米国の利付国債を、その利息部分と元本部分に分離して取引する点だ。元本部分は、額面から利息(分離された利息部分の現在価値に相当する割合)を割り引いた価格で取引され、保有期間中に定期的な利息の支払いは行われない。

米国国債(ストリップス債)は、最終償還時に額面金額での償還を受けることで、償還差益を利益として受け取ることができる。購入時の額面が償還時の受取額となるため、資金計画が立てやすいことからも人気の外債となっている。

代表的な外債(外国債券)2. 国際復興開発銀行債券

▽国際復興開発銀行債券の概要

項目詳細
発行体国際復興開発銀行(世界銀行)
発行通貨豪ドル
参考利回り3.152%(税引前/複利)
格付けAAA(S&P)/Aaa(Moody's)
※出典:JTG証券

国際復興開発銀行債券は、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けた取り組みのための資金調達として発行される債券である。国際復興開発銀行は、世界銀行グループに属する銀行だ。世界銀行は、貧困削減と持続的成長の実現に向けて、途上国政府に対し融資、技術協力、政策助言を提供する国際開発金融機関である。世界銀行は、これまでにも多くの外債を発行してきた実績を持つ。格付けも高く、比較的投資をしやすい外債の1つだといえるだろう。

なお、当外債はゼロクーポン債であり、保有期間中に利子の支払いが行われないかわりに割引価格で発行される。償還時には額面金額が支払われるため、償還差益を受け取ることが可能だ。豪ドルの投資資産への組入れを検討しているなら、国際復興開発銀行債券も検討しよう。

代表的な外債(外国債券)3. トヨタファイナンスオーストラリアリミテッド

▽トヨタファイナンスオーストラリアリミテッドの概要

項目詳細
発行体トヨタファイナンスオーストラリアリミテッド
発行通貨米ドル
利率4.17%(税引前/年利)
格付けA+(S&P)/A1(Moody's)
※出典:大和証券

トヨタファイナンスオーストラリアリミテッドは、オーストラリア国内でのトヨタ自動車製品にかかる販売金融サービス(自動車ローンおよびリースの提供など)をおもに行う会社だ。トヨタファイナンスオーストラリアリミテッドの株式はトヨタ自動車が間接的に100%保有しており、債券の格付けもAを超える高い水準となっている。

トヨタファイナンスオーストラリアリミテッドは、世界的な企業であるトヨタ自動車の子会社が発行していることから人気の債券だ。購入を希望するなら、取扱実績がある証券会社に事前に口座を開設し、販売開始時に速やかに手続きをする必要があるだろう。

外債(外国債券)はどこで購入できる?

外債をスムーズに購入するには、あらかじめ購入窓口や購入の大まかな手順を把握しておくことが肝心だ。外債は、おもに証券会社で購入できる。実店舗型とネット証券のどちらでも取引可能だが、取り扱っている外債の種類は証券会社によって異なるため、事前に確認する必要があるだろう。

外債を取引するには、「証券総合口座」および「外国証券取引口座」の2つが必要だ。証券総合口座を保有しているなら、外国証券取引口座の開設をすませておこう。証券会社での取引がない場合には、証券総合口座および外国証券取引口座を一緒に開設しよう。開設までの所要日数は証券会社によって異なるが、翌日~1週間程度かかることもあるため計画的に手続きを進めたい。

さまざまな発行体が色々な通貨で発行を行う外債は、選んだ商品によってリスクやリターンの大きさが異なる。納得がいく投資をするなら、購入前に商品内容をしっかりと確認することが重要だろう。投資家自身で外債を選ぶことに不安を感じるなら、専門家にアドバイスを仰ぐのも有効だ。

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まとめ

外債は、発行体もしくは発行通貨、発行市場のいずれかが外国である債券だ。外債を投資資産に組み入れるメリットは、日本の債券よりも高利回りを狙える点と、為替差益も期待できる点、分散投資の効果を享受できる点だ。

一方、デメリットとしては為替変動および価格変動によっては元本割れの可能性がある点と、信用リスクおよび流動性リスクがある点である。リスクを軽減するには、余裕資金で投資をすることと、格付けなどを事前にチェックすることが重要だろう。

外債は国や企業など、さまざまな発行体が色々な商品を発行している。人気のものはすぐに完売するケースもあるため、外債への投資を希望するなら速やかな手続きを目指したい。もし、商品選びが難しいと感じるなら、専門家のアドバイスを受けるのも有効だ。ネット上から無料で資産運用の専門家の紹介を受けられるZUU Advisorsなどのサービスを活用し、外債への投資にチャレンジしてみてはいかがだろうか。